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誕生の時 2

 ベツニワスウカセギナンテシテナイヨ。キリノイイトコロデキッタラチョットミジカクナッチャッタダケダヨ。

 ジーンズに長袖を合わせて、夜の街へ踏み出した。まずはここを、もう少し見晴らしのいい場所にしよう。幸い魔法は悪霊になった今隅から隅まで知り尽くしている。

 生まれ育った街を蹂躙しながらいくつか気づいた。人や動物を観察するとレベルが見える。隣のおじさん、レベル4。でもおじさんの犬はレベル18。犬のほうが強いらしい。

「もっとじっくり見れば、MPやHPも見えますよ。攻撃や防御も、一応の目安は見えますが、装備品やその時のテンションにかなり左右されますのでお気を付けください」

 言われて、目を凝らす。まずは隣のおじさんから。

名前・山田

   レベル・4

   魔力・63/63

   体力・13/23

   攻撃力・5

   防御力・3

   装備・パジャマ

「ゴミめ」

「ぎゃあああああ!」

 一撃だった。体力23、しょぼい方だったのかもしれない。じゃあ犬は?やたら唸っているのを、じっと見つめる。

名前・ダークシュナイダー三世

   レベル・18

   魔力・6/6

   体力・40/40

   攻撃力・13

   防御力・2

   装備・首輪

「やっぱりゴミか……」

 レベル4と18の違いはよくわからなかった。町の中の人間はどれも似たり寄ったりで面白くない。魔導師辺りなら違うのだろうか?それとも人間は似たり寄ったりなのだろうか?

 じーっと帝都の方へ目を凝らしてみる。何も起こらない。千里眼は搭載されていないようだ。しかしそれに何の問題があろうか?ステータスが見える、魔法は無詠唱でよりどりみどり、そればかりか時間停止すら与えられているのだ。まさに向かうところ敵なし。

 悪霊としては帝都に向かいたいところだが、あそこには結界が張られているから入るのに苦労しそうだ。どうせ悪霊を討伐させに誰かしらよこすだろう。そいつを殺してもっとレベルを上げよう。

   名前・ラナ

   レベル・31

   魔力・3452/4500

   体力・670/670

   攻撃力・1230

   防御力・600

   装備・服

 彼女自身のステータスがこう見えるようになったころ、1台だけヘリがやって来た。日は沖天している。逆光の中魔力を感知すると、どうやら二人だけ魔力の多い人が乗っていることが分かった。

 距離が離れるとステータスも見づらいのだ。ここからでは、どうにか魔力が3ケタの人間がいるらしいところまでだ。

 先制攻撃など、しない。そんなことをすれば一瞬で終わってしまう。さあ降りておいで。ゆっくり遊んであげるから。

 受験って8月にもあるんですね。顎が落ちそうです。

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