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病み魔法使いの弟子  作者: ありんこ
帰還、またはHellow,world!
128/398

地獄の沙汰も

 三回目の登場人物紹介です。長い?キノセイデスッテ。

     魔力のイメージ

 コントロール・持久力・瞬間的な威力で、それぞれ五段階で大雑把に決めています。それぞれの数値はあくまで目安なので、人によっては鍛錬で底上げしている、生まれつきの質がイメージと異なるということもあります。

 要は本人の努力次第で「ある程度」何とでもなるのです。

   数値を見るときの参考

    1・ひどい

    2・まあまあ、十分

    3・いい感じ

    4・凄い

    5・そんなにいるか?


炎・火

 主人公っぽい。本人も熱血タイプであることが多いと言われている。火の属性の魔物を祖先に持つ人は超高確率でこれになる。でも、純粋人類もこれになることがある。別に炎系の魔法が得意なわけではない。

  コントロール・1

  持久力・3

  瞬間的な威力・5


光・太陽

 また主人公っぽい。混血人類ではまれ。別にいわゆる光属性が得意なわけではない。ちょっとレアなイメージの魔力。暴走されるとたちが悪い。

  コントロール・1

  持久力・4

  瞬間的な威力・4


闇・影

 混血人類ではまれ。闇魔法が得意なわけではないが、根暗が多い。やっぱりレア。バランスが割といい。早くに、しかも勝手に魔法使いとして覚醒することが多いようだ。

  コントロール・4

  持久力・2

  瞬間的な威力・3


 一般人から魔術師までは意外とよくいる。だが、魔導師にはあまりいない。コントロールが甘いからだろうか。外側から手を加えて起こさないと魔法使いとしての覚醒が行われないか、遅くに覚醒する。

  コントロール・1

  持久力・2

  瞬間的な威力・5


 純粋人類ではまれ。祖先に水属性の魔族を持つ人は高確率でこうなる。覚醒が早いが、穏やか。性格も柔らかい人が多い。とろみのあるタイプと、とろみのないタイプがあるようだがそんなに差はない。

  コントロール・5

  持久力・1

  瞬間的な威力・3


 よくいるタイプとは言えないが、純粋人類にも混血人類にも大体同じくらいいる。覚醒も成長も極めて早い。せっかちな性格の人が多いという。

  コントロール・3

  持久力・1

  瞬間的な威力・4


 女性に多い。決め手に欠けるので戦闘は苦手。パーティーに加えるなら回復要員?覚醒は早く激しいが、成長は遅い。暴走を起こしにくいとも言われているが、まだ証明はされていない。

 どっかの弟子がこれだが、威力の部分を膨大な魔力でねじ切っている。

  コントロール・5

  持久力・5

  瞬間的な威力・1


 便利さで言うとまんま草の上位互換。覚醒は早い方。成長はめちゃくちゃ早いかめちゃくちゃ遅いかのどちらか。男女比は大体同じくらい。

  コントロール・3

  持久力・5

  瞬間的な威力・3


 すぐにバテる。どちらかというと混血人類に多いようだが、どのみちレア。でも不便には変わりない。天才であることが多い。覚醒は個人差が大きい。成長は早いが、天才だからか、毒のイメージだからか、わからない。

  コントロール・5

  持久力・1

  瞬間的な威力・5


石・砂

 けっこうバランスがいい。便利なので風の上位互換と思われることが多い。覚醒は遅い。成長も遅い。だが頑張ってとエールを送りたくなる人が多い。我慢強い。

  コントロール・2

  持久力・4

  瞬間的な威力・3


音・波

 全体に数値があまり高くないが、尖った性能をしていないことは大きなアドバンテージになる。まんべんなく底上げが必要で、成長が遅いのが難点。

  コントロール・2

  持久力・2

  瞬間的な威力・2


     魔法について

    魔法

 この世界の魔法は、使用時に魔法陣が出てきます。光ります。ただ、魔法陣が光るということは、魔力が光エネルギーになって漏れているということですので、あまり光らないほうが良いようです。

 また、一度使った魔法を再発動するには時間を置く必要があるみたいですが、魔力が多い人はそのへんを魔力でねじ切ったりします。同時に発動する技術もあるのでゲームで言うリキャストタイム?はあってなきが如しです。

 大技になればなるほど、略さない場合詠唱が長くなります。これは魔法というものが基本的に生物の願いの力なので、威力が高くなっていくとだんだん「そんなにいる?」と迷いが生まれるためです。

 あと、この枠にすべての設定が載っているわけではないのでご了承ください。まだまだ後付……げふんげふん、世界観を深めていくつもりです。

    禁術

 魔法そのものの危険度で決まっているわけではありません。どちらかというと簡単にできて効果が過激なもの、術者が危ないものに禁術の指定がなされています。難しいもの・使う人が限られるものはまず禁術指定を受けません。

 なお、禁術を使っても罰則などはありません。自己責任です。

    魔力

 欲望の力なので理論上使えない種族はいません。ただ、小動物など持つ量が少なすぎて魔法が発動しない種族はいます。あと魔法にする技術がない人は使えません。

 魔神が配ったコピーし放題使い放題申請不要のフリーソフトみたいなものです。

    詠唱

 イメージを構築したり、魔法を発動しやすくするために呪文を読み上げることです。国によって呪文に使われる言語が変わりますので、コルヌタ人の魔法使いの詠唱は日本語に聞こえます。また、手話でも詠唱ができます。

 詠唱をして発動した場合の魔法の威力を100とすると、略して発動した場合の威力は65くらいになります。


回復魔法・治癒魔法

 読んで字の通り回復と治療を行う魔法。回復魔法を軽傷に対して使い、治癒魔法を重症に使う……と一応カテゴリがあるらしい。だが、この魔法を専門に研究している魔導師ですらはっきり区別しているわけではないので大体同じ意味で使う。

 古くは自分自身の魔力や生命力を流し込んで他者を回復したが、リスクが高すぎるので現在は違う原理になっている。自然界から魔力や生命力を集めてきて回復に当てるのだ。


四属性魔法

 火・水・風・土といった、いわゆる四元素の魔法。

 おそらくもっとも初期に生まれた魔法らしい魔法。協奏のようなスキルがなくても混ぜられる親切仕様。初心者も安心。魔導師の資格などで数えるときは一元素につき一つの魔法として数えるようだ。つまり四属性魔法をマスターするだけで魔術師になれる。

 水の魔法を極めると、なぜか水素を核融合させてどこでも水素爆弾ができるようになる。水素とか常温で気体だし水の範疇じゃない気がする。禁術指定こそされていないが、使いづらい。

 風の魔法を極めるとオゾン層に穴をあけて致死量の紫外線とか宇宙線とか放射線とかを敵の頭の上に降らせる凶悪この上ない魔法が手に入る。しかし、わざわざ極めようって人がそんなにいないし、極めるまで行くのが難しいので禁術指定はされていない。

 土の魔法を極めると、なぜか隕石を降らせることができるようになる。その辺のデブリを捕まえて落とすもの。理論上コロニー落としも可能。人の心の光が見られるかも?まだコロニーも人の心の光もないけどな。

 火の魔法を極めた先には特に何もない。ただ、魔力さえつぎ込めば初歩の魔法でも周辺を溶鉱炉にできたりする素直な子。


三属性魔法

 雷・毒・氷といった、ちょっとマイナーな感じの属性魔法。

 初期に生まれたとされている。四属性魔法よりちょっと難しいが、スキルなしで混ぜられる親切仕様で初心者に嬉しいことには変わりない。

 また、四属性魔法と同じく、魔導師の資格などで数えるときは一元素につき一つの魔法として数える。

 雷の魔法を極めると、天候の支配……はちょっと無理があるが、水分子をマイクロウェーブで振動させてものを温める電子レンジでチンの原理が使えるようになる。毒の魔法を極めると、薬への応用ができたりバイオ兵器を作れたりする。

 氷の魔法は極めても何もない。


二属性魔法

 闇・光といった抽象的な魔法。

 効果も抽象的。多分宗教の発展に伴って生まれた。三属性魔法より難しい。だがなんせ効果が抽象的なもので、現在では懐中電灯替わりや目くらましになっていることが多い。別に回復魔法とかは含まれてない。

 一昔前は、光の魔法で、高温高圧で対象範囲にあるすべてのものを消し飛ばすものが極大魔法とされたが、今ではちょっとした大技かすごい小技くらいの扱いになっている。

 なお、こちらは闇と光で一つの魔法として数えられる。色んな意味で不遇な子たち。


信仰術

 正しくは魔法ではなく、魔力を用いて神々や天使に呼びかけ、力を借りる技術。しかし魔法として数えているところが多いので、この定義を知っているのは信仰術師でも少ない。

 加護、神聖結界、神降ろしの三つに分かれる。使う魔力が少な目で済むので覚えると便利。神なんかいないぜヒャッハーとか言ってても使える。

   加護

 神の加護を得る。現在主流なのは制限時間を決めて行うもので、これで失敗することはまずない。昔の半永久的な加護を願うものは成功することがまずない。これを紙に込めると護符になる。

 神により効果が違うので、素人が見様見真似でやったら死ねる。

   神聖結界

 神力で結界を貼る。使用者が指定した座標を中心にしての球体であることが多い。制限時間があるが、使用者の側で決めることができる。

 やっぱり神により効果が違うので、素人が見様見真似でやったら死ねる。

   神降ろし

 任意の神を自分に降ろす。神の力がコピー版の廉価版のお試し版で一時的にレンタルできる。例えば禿げの神を降ろせば、任意の相手を禿げにできる。降ろす神によっては体質により眩暈・悪心などの症状が出ることもある。

 当たり前だが、死んでる・狂ってる・封じられている創世三神は降ろせない。


死霊術

 死者や霊に関わる魔法の総称。死んだ人を喚び出して使役したり、死体をゾンビにして操ったり、すでに死んだ人をこの世に呼び戻し蘇生したり、死んだ人の霊を呼び出して話をしたりできる。

 遺伝子の都合で、男性でこれが使える人はあまりいない。異空間に干渉する魔法なので、素人が見様見真似でやったら死ねる。

   死人の使役

 あの世とこの世を魔力で橋渡しし、ついでに死人の魔力と記憶から生前の肉体や武器を再現する。

 契約しておくとスムーズ。死人からは術者の思考がある程度筒抜けなので、ときたまに自分で喚び出した死人に後ろから撃たれる死霊術師がいる。何を考えていたのだろうか。

 魔物を召喚して使役する召喚魔法とよく似ているが、相手の都合で呼び出せないことが全くないという点で一線を画す。

   死体操作

 死体を操る。

 物体操作系の魔法と似ているが、常に術者が操作する必要がない、鮮度によっては動かす時と止めるときしか魔力がいらない、死体が魔法使いの場合魔法を放たせることができるなど利点が多い。

 つまり、理論上、実存の魔導師の死体を使えば消具が使える。しかし一発魔法を撃つごとに死体が劣化するので術者は強烈な腐臭と眼前で繰り広げられるグロ映像に耐え続けなければならない。

 術者の魔力の質などでゾンビの能力値は変動する。多くは「あー」って唸りながら歩き回るだけだが、どこぞの弟子の場合は、ゾンビが壁を走る。

 もちろん死体とは多くの場合において『遺体』なので、禁止する条項はないとはいえ、人間の死体で行うのは実質的に違法。

   死者蘇生

 死んだ人をよみがえらせる。

 といっても、実際には死んだ人の霊魂をあの世から呼び戻して元の体にくっつけるだけである。なので、大けがをして死んだ人、病気で死んだ人は傷や病気を完全回復するか具現化を高精度で使える人に体をもう一度作り直してもらわないと蘇生してもすぐに死ぬ。

 人類より生命力の強い魔族は、死体に霊魂を入れると勝手に再生して完全に蘇生する。

 どこぞの弟子は欠伸混じりに行ったが、実はめちゃくちゃ魔力を食うし難易度も高め。もともとは魔族による魔族のための魔法みたいなもの。

 ただし、死者は生きているものが生きたがるように死にたがる。相当この世に未練のある死者を蘇生するか、死者の記憶から死後の世界についてのものを切り離す・薄くしないとすぐに自殺する。

 本作の時代では倫理的にどうなのか意見が割れており、議論がなされている。違法になったら全世界の死霊術師が暴動を起こす、のかも。あまり使わない魔法。

   霊媒

 死んだ人の霊を呼び出して話をする。

 死人の使役と違い、肉体などは再現されない。思考も筒抜けにならない。術者の側で声だけか、映像ありか選べる。魔力を食わないが、階層浅めの地獄か天国、その辺をうろついている霊にしか効果がない。術者や依頼主が精神的な打撃を受けることも多い。

 殺人事件の捜査にも使われることがあるが、被害者が加害者の顔を見ていなかったり、わけあって証言したがらなかったり、国によっては裁判に使えなかったりする。ちょっと不憫な子。


二結界

 片方については要はバリア。

 古くは術者を中心に球形・もしくは半球形に展開するものが多かったが、本作の時代では術者の手前に円盤形に展開することが多くなっている。そうすることで結界を二つ重ね掛けするのと同じ効果を一回で得られるのだ。しかも円盤状にすることでルーペ代わりにもなる。

 一応古いタイプも使われ続けているため、それと区別するために盾の魔法と呼ばれることもある。強度は術者によっても魔法によっても様々。

 もう片方はバリアではない。魔術的・もしくは物理的に壁や線で区切った場所に展開される。多くの場合不定形。区切られた空間内に禿げる・気分が良くなるなど何かしらの効果を与える。

 あまり区別されているとは言えないが、二結界を覚えると魔法を二つ覚えたことになる。


物体保護

 硬いものの表面にごく薄くまんべんなく展開される結界の一種。柔らかいものは守れないから、人間に保護の魔法をかけて燃やすと、つややかかつ真っ白な骨と歯と爪とある人は結石だけが残る。

 この性質を利用して、利用できる鱗や爪牙を持つ魔物に保護と攻撃魔法を同時にかけて利用できる部分だけを残すといったこともできる。コツさえわかればまず失敗しない。とどめと剥ぎ取りが一度で終わるのだ。


物体操作

 読んで字のごとく。

 初歩の魔法はせいぜい小石を転がす程度だが、高度になると何でも自分の体のように操作できる。これが使えればテレビのリモコンをなくしても大丈夫。ロボットとのシンクロ率がゼロでも大丈夫。

 誰かの師匠はこれを使って自分の体を操作していたが、魔力を食うし肉離れを起こしたり関節が外れたりするので、よい子はまねをしてはいけない。

   ゴーレム

 物体操作のカテゴリに入っているが、諸説ある。石や土で作った像を動かす魔法。

 昔は道があまり舗装されていなかったから覚えていて損はなかったが、本作の時代では道がコンクリートなので発動しづらい。

 コンクリートの欠片でもゴーレムは作れる。しかしやろうと思ったら道を爆破したりその辺の民家を破壊しなければならないのでコスパが悪い。よって、あまり使われていないようだ。


幻術

 不思議なお香を嗅がせてクラッとさせたり、模様を見せてクラッとさせるものとは別。相手の精神や知覚に直接作用して幻を見せたり、精神的打撃を与えることができる。時間をかければ洗脳すら可能。

 理論上、これで人間の記憶や人格を書き換えることもできる。実際にマウスではどちらも成功した。しかし、人間というものは自我が強い生き物なので記憶を書き換えるのも大概難しいし、人格に至っては書き換えられない。ただし一部の記憶を忘れっぽくするだけなら誰にでもできる。

 これと二結界の一部をまとめて『精神支配系』と呼ぶことがある。


探査魔法

 魔力を細かな粒子状にして空間内を拡散させ、何があるのか調べる魔法。風向きには左右されない。ただ、ここからここまで、と決めて使わないと、疲れる。


憑依

 自分の人格をちょっと分割して無機物に宿らせる魔法。

 人格を回収すると分体の記憶や感覚がフィードバックされる。たとえば好きなあの子の部屋の鏡に憑依しておけば毎朝あの子の顔を見た記憶を後で回収できるのだ。ストーカー行為だが。

 また、魔力は欲望の力なので、憑依させる分の人格に代わりに魔力を練らせることもできる。ただし、実行すると精神に異常をきたす。図太い人・元々頭がおかしい人は外から見てわかるほどの影響は受けない。いちおう禁術。

 どのくらいの量を分割するかは術者が決められるが、20パーセント以上分割すると確実に頭がおかしくなる。しかも意外に簡単なので、20パーセント以上の分割は禁術に指定されている。

 生物に憑依する魔法は、精神的にも魔力的にも一部の魔族にしか使えないのでないのと同じ。


災害魔法

 災害を再現する魔法。要は地震と嵐。難しいうえにめちゃくちゃ魔力を食い、二次災害が面倒なので魔術師で使える者はわずか。

   地震

 術者の指定した個所を震源として発生する。

 マグニチュード3以上は莫大な魔力が必要。成功率も低いので、地震の多い国では「今地震の魔法を使って、魔力が減って、地震が起きてるけど、これは自分が起こしたのかたまたま起きたのかわからない」ということが多々ある。

 コルヌタでは耐震基準さえクリアしていればこの魔法で家が崩れることはないが、海に近い人は津波が起こる危険があるので避難するべき。

   嵐

 術者の指定した個所に嵐が発生する。

 めちゃくちゃ魔力がいる。コルヌタでは自分で嵐を起こすより夏の台風を待った方がいい。威力的にも気分的にもいい。

 そんなところに嵐が発生するわけがないって場所にも発生させられるので地震よりわかりやすいけど成功率が低いのは同じ。術者の都合でいったん発生させた嵐を止めることはできないし、発生後の進路も実際の天候に左右されるのでコスパの悪さには定評がある。

 難しいから禁術指定されていない。


召喚術

 魔物を術者から半径40メートル以内の任意の地点に移動させる魔法。

 神や天使、鬼なども召喚できる。しかし、異空間を経由してほぼ瞬間移動に近い速度で召喚されるため、脆い人間含む普通の生物には使えない。死人の使役と同じく契約しておくとスムーズ。

 魔神は簡単に喚び出せる上に危ないので、一応禁術指定。しかし、なにせ簡単なので、ばれてないだけでみんなやってる。


付加

 要はエンチャント系の魔法。

 本作の世界では筋力や内臓それ自体を強化するもので、あまり効果ごとに分けて認識されない。対象に触れている別の人にも効果が移る。

 慣れない人にいきなり大幅な付加魔法をかけると、善意のつもりが自滅させてしまったりする。辛いね。

   飛行

 空を飛べる。しかし、実はどういう原理で飛べるようになっているのかよくわからない。詠唱が似ていたり、魔法陣がよく似ていたり、消費する魔力量が近かったりで一応付加のカテゴリに入れているが、何に付加しているのか謎。

 自転車とか車とか箒とか、乗り物にかけておくと乗っている人の魔力を消費しながら空を飛ぶことができる。


具現化

 コルヌタの王族のみ、というよりその王族の一部のみしか使えない魔法。

 欲望をそのまま形にするのでコストがすごく低い。正直四元素魔法の初歩より消費魔力が少ない。物体具現・概念具現・消具の三つに分かれる。

 詳しく研究しようにも革命やなんやで使える人がほとんどいない。ただでさえレアなのに。

   物体具現

 得意なのが有機物の具現化か無機物の具現化かは単に本人の性格で決まる。

 具現化するものの見た目、質感を詳細にイメージできないと発動できない。そもそも難しいので、王家に伝わる秘伝書を熟読しないと複雑な構造のものは具現化できない。

 有機物の具現化の場合は、美女の全身をひとそろえ作っても魂が入っていないことがよくある。魂は作れないこともないが、なぜか無機物の具現化の範疇らしい。

 具現化したものは術者の魔力が底をついても消えることはない。消すにはまたちょっと魔力を使う。現状維持には魔力を特に必要としない。何百年も前に具現化されたものが今でも残っていることがある。

   概念具現

 使える人物がちょっとしかいないからデータとして弱いが、物体具現より難しいとされる。実体として存在しない『概念』を実体として存在する物体に上書きする魔法。

 その辺の包丁に『よく切れる名刀』という概念を具現化すると、見た目はただの包丁のままよく切れる名刀として使える。幼女に『カンフーの達人』という概念を具現化すると、幼女がカンフーの達人になる。氷に『熱い』、生き物に『返事がない、まるで屍のようだ』など矛盾する概念も上書きできる。

 解除するときはやっぱりまたちょっと魔力を使う。正直チートだが、秘伝書を読むかちゃんと教わらないと使えない。

   消具

 そこにあるものを消し去る。

 何かを求める欲望が元になっているのが魔法という定義に対して、無を願うという存在自体が矛盾する魔法なので発動しないか、するとしても詠唱が必要。発動しない人は幸せ。詠唱なしで発動する奴はおかしい。

 物質具現、概念具現で出したものを消す時に使っている少々の魔力を無理やり一つの魔法として扱い、改良と応用を加えて一つの魔法として確立したもの。概念や、消す対象に世界が受けた影響なども全部消えるので悪霊にどうぞ。

 どこぞの病み魔法使いは消す領域をあれこれ調整できたようだ。


直死魔法

 少しでも殺意があればその場で発した言葉で人が死ぬ。

 生きているものなら何であれ死ぬ。まだ試したことがないが多分神でも殺せる。しかも使い手の思った死に方で死ぬ。何も考えなければ心臓麻痺か心筋梗塞。

 おはようからおやすみまで、すべてが凶器になる。しかも殺人罪で立件できない。

 コルヌタの、ある一族のさらに一部の人間にしか発現しないので、禁術指定はされていない。

 ある一族に何があったのかはわからない。先祖に生きとし生けるものすべてに対して、尋常じゃない悪意を抱いていたものがいたことは確かだ。

 ある一族の方々は、こういう魔法だからか、なのにかはわからないけど、温厚で愛情深く、メンタルが強い人が多い。


逆回復魔法

 効果によって逆『回復魔法』の名があるが、回復魔法とは似てないし非なる。

 相手の魔力に干渉して、強制的に術者に生命力を流し込ませる魔法。使われた相手は術者に生命力を明け渡して一気に老け込みそのまま死ぬ。ほぼ即死。

 使える者がラスプーチンだけなので禁術ではない。作り出したのもラスプーチン。流し込まれた側、つまり術者は彼のように若さを保ち続けるだろう。たぶん。また、余剰分の生命力を魔力に変換することも可能。らしい。


     その他各種スキル

 主に魔法使いのスキルについて書きます。スキルと言ってもゲームのようなステータスのある世界ではないし、何よりありんこがゲームに明るくないので、せいぜいちょっとした特技といったところです。

 ありんこのネーミングセンスは底辺なので、スキル名が酷いかもしれませんが、これでも必死に考えた結果です。ゆるして。


あやとり

 糸や紐状のものを駆使してブービートラップを貼りまくったり防御に使ったり感知に使ったりできる。ワイヤーなどの場合、手に食い込んだりして痛いので手袋必須。元は御神楽のうちのひとつ、竜胆流の技術だったらしいが、実存の魔導師に流出。

 糸を伝わる振動を読むこともできるみたいだが、せいぜい人間の感覚なのであまり当てにならない。糸に鳴子をつけておく方が無難。即席ハンモックなども作れる。


杖術

 杖で叩く行為を洗練したもの。突きとかいろいろ型がある。コルヌタでは広く知られていて、魔術師・魔導師になると無料の講習会が受けられる。ソエッ!と叫びたい。

 神聖大陸の魔導師の目の前でやると、「杖を粗末に扱うな!」と至極当然なお叱りを受ける。ちなみに、「じょうじゅつ」ではなく「つえじゅつ」と読む。だって同名の、本物の武術があるから。


馬術

 乗馬のこと。コルヌタで馬術は魔法使いの場合、下半身だけで馬を操ることを特に言う。どこの騎馬民族だと言いたくなるが、昔は杖を持たないといけなかったから仕方ない。

 本作品の時代では移動手段が車やバイクになりつつあるのでできない人も多い。そしてできなくても困らない。


女子力

 男女を問わず使われる。日本語と意味は同じ。なんかきらびやかなイメージ。女子力高いって言ったらお菓子とか作れそう。


主婦力

 男女を問わず使われる。コルヌタでは女子力と並べて言われる。掃除・洗濯・料理・家計の管理などをこなす能力。

 主婦力が高い人はこれに加えて、大概の水回りのトラブルを解決し、給料日前のわびしい食事をそれなりに仕上げ、しかも毎日家事をこなしながら昼寝をするだけの余裕を持つという。

 なお、コルヌタでの『料理』はフグの毒抜きや毒キノコの調理、カニバリズムを含む言葉。


人間力

 なんかふわっとした能力。多分、コミュニケーション能力や性的魅力、行動力などを包括的に言う言葉だろうとは思うが、手元の辞書に載っていない。あと抽象的にしか説明されないので、実態は誰が知るのか。そもそも言い出したのは誰だ。


   第三次登場人物紹介


ブラム・ストーカー

 吸血鬼の長老的存在。国立大学の教授で、生物学を教えている。コルヌタ生まれのコルヌタ育ちだが、言葉に訛りがある。方言ともいう。大体400歳くらい。かつて東北部の広大な土地を治めていた貴族。

 研究熱心で、トマトジュースは血の代用品になるのか?という歴史に残るほどの残念な研究をしていたことがある。駄目だったらしい。このことをほじくり返されると、

「逆に何で含まれている栄養素がこんなに違うのに代用できると思ったの!?バッカじゃないの!?」

 と、巨大なブーメランを投げてくる。そしてブーメランが帰ってきておいおい泣く。講義がわかりやすいので学生に慕われているが、ぶーぶー先生という変なあだ名をつけられ、困惑している。

 貴公子然とした容貌にもかかわらず、彼女いない歴は四世紀に突入。ネットの掲示板で非リア王と呼ばれることがある。

 身長187センチメートル、体重80キログラム前後。

   髪の色・銀

   目の色・赤

   肌の色・色白(日中に出歩かないから日焼けしない)

   好きなもの・まじめな学生、かわいい女の子

   嫌いなもの・彼女または妻がいる年下の男性

   主な悩み・黒歴史が地球の歴史に残っていること、彼女いない歴が世界記録を更新し続けていること、学生から変なあだ名で呼ばれていることなど。


江戸川

 イルマと契約している吸血鬼。本来の住所はボルキイだが、数年単位でコルヌタに出稼ぎにやってきて内科医をやっている。口調は「~っす」という部活動の人みたいな感じ。意外に若く、70歳ほど。珍しい平民出身の吸血鬼で、江戸川、で個人名。苗字ではない。

 剣は扱えない。柔道ならできる。イルマと契約した理由は、何かで血が手に入らなくなったりした時の保険のため。もともとよく喋る人なので、野球の話になるとマシンガントーク。

 身長は大体167センチメートルで、体重は70キログラムくらい。ちなみに弟と共通する。

   髪の色・金

   目の色・赤

   肌の色・色白

   好きなもの・綿製品、野球

   嫌いなもの・毛虫

   主な悩み・成長が止まったのは20歳を過ぎてからのはずなのに、童顔で幼く見られること。


乱歩

 江戸川と同様、イルマと契約している吸血鬼。江戸川とは双子だが、二卵性なのでさほど似ていない。でも育った環境が同じなので口調はそっくり同じ。こっちも内科医。

 無表情なうえに基本的に兄の江戸川の言葉を復唱するか、補足する形でしか喋らないので、何を考えているのかわからない。イルマと契約したのは、兄についてきたからかもしれないし、別の理由があるからかもしれない。

 ただし、競馬が好きで、馬の話になるとよく喋る。

   髪の色・金

   目の色・赤

   肌の色・色白

   好きなもの・綿製品、競馬

   嫌いなもの・毛虫

   主な悩み・自分のほうが弟なのに、老け顔なせいでいつも兄だと思われること。


上官

 中間管理職の鬼。作った天帝アクトが名前を思いつかなかったため名無しのまま保留し、そのまま彼が魔神に殺されたため名前がなく、そのうち上官が名前になった。大天使への「仕込み」を記録されているが、本人からはデータを見ることも書き換えることもできない。

 天帝は権限の集中する大天使に代替わりをさせるために寿命を設定したが、仕込みなおすのが面倒くさかった。しかし、記憶の引継ぎをさせると代替わりの意味がなくなる。ということで、急遽仕込み専用に寿命のない鬼・上官を作ったため、姿が大天使と酷似している。

 こういった生まれのせいか腹黒く、表情から何を考えているのか察することは困難……なはずだが、ニーチェにはよく振り回されている。

 上官と呼ばれてはいるが、正直どのあたりの仕事を任されているのか彼自身にもわからないらしい。もしかしたらどこにでも行くピンチヒッターなのかもしれない。確かにあちこちの機密を握っている。

 あほの部下を必死で導いたり、かわいくないガキのお守りをしたり、日々忙しい。

 身長は190センチ近いと思われるが、正確にはわからない。痩せているから実際より高く見えているのかもしれない。

   髪の色・銀色

   角・滑らかなのが二本

   目の色・黒

   肌の色・色黒。見事な褐色肌。

   好きなもの・ロボットもの

   嫌いなもの・BLもの

   主な悩み・部下があほ、部下の養子が変な子、など


大天使

 代々同じデザインと名前。今は代が7ケタに突入しているが、本人にはあまり関係のないこと。デザインは上官と同じで色違い。口癖は「私の代わりはいるから」。

 好みなどは代によって変わるが、今はこんな感じ。

   髪の色・金色

   翼・白いでかいのが七枚

   目の色・水色

   肌の色・色白

   好きなもの・チェス、書道

   嫌いなもの・囲碁

   主な悩み・趣味で始めた書道だが、寿命が尽きるまでの間に師範になれる可能性がきわめて低いこと

 魔法って考えてみればそんなにいっぱい思いつくものでもないなあ。

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