取引
「取引ですか?」
俺は悠然と聞き返す。てかリーシャがウサギみたいに震えてるよ。
『そうだ...貴殿は強い...恐らく我々は貴殿によって、将来駆逐されるだろう...それはこちらとしては避けなければならない事だ...故に、貴殿にはこのまま引き返して欲しい。出来る事なら此処の者らに手を出さないで欲しい...無論、引き換えに人間にとって価値のある宝石などを差し出そう...』
俺がリーシャを宥めているとインテリジェンスワイバーンはそう言って一度吠えた。すると4体のミニドラゴンが人の頭ほどもある純度の高いエメラルドや大小様々な質の良い宝石を抱えて飛んできた。
『これで足りるだろうか...?』
「あ、はい。」
俺はミニドラゴン達から宝石を受け取り、マジックポーチに仕舞う。
『帰りはそこにいる一体のミニドラゴンに乗ってくれ...貴殿等が来た山の向こうの麓まで乗せるように言ってある...』
俺は分かりましたと言うと、リーシャをお姫様だっこしてミニドラゴンに乗せ、俺もリーシャの後ろに覆いかぶさるようにして乗った。
「それでは。」
『達者でな...その力に溺れるでないぞ...』
俺がミニドラゴンに出発して下さいと言うとすぐに飛び立った。
山の麓までは30分位で到着した。ミニドラゴンに礼を言ってリーシャを下ろす。ミニドラゴンを見送り、少し顔色が悪いリーシャに水を渡す。
「ぷはあっ!ありがとう。なんとか落ち着いてきたようだ。」
「それじゃアクアガーリーに向かおう。今日中には到着出来ると思うよ。」
そう言って俺達は歩き出した。
「そういえばリーシャ、受け取って。」
俺はマジックポーチから二掴み宝石を取り出すとリーシャに渡した。
「こんなに...! 良いのか!?」
「薬草学を教えてもらったのと、今まで付き合わせたお礼だから遠慮なく貰ってくれ。」
「ありがとう! これで何とか故郷まで戻れそうだ!」
リーシャはホクホク顔で宝石をバッグに入れた。
「そういえばリーシャってウェルシー大陸に行くんだよね?」
「うむ、そうだが?」
「俺も数日後に妻達と一緒にウェルシー大陸に渡る予定なんだけど、もし良かったら一緒に行かないか?一応既婚者だから襲われるとかの心配はしなくて良いし...」
とダメ元で聞いてみるとすんなりOKしてくれた。
「だが、奥様方に話さなくて良いのか?」
「それは大丈夫。あの娘達は優しいから。逆に、同行する人が増えるーって喜ぶよ。」
「良い妻を持っているんだな!」
「綺麗だし、可愛いし、器量も良い。俺にはとても釣り合わない位にな。だけど一度手に入れた女性だ、絶対に手放したりしないよ。」
「それでこそ妻を持つ男だな。(私もレン殿のような方と...いや、レン殿とゴニョゴニョ...)」
その後は顔の赤いリーシャと世間話をしたり川で水浴び(もちろんリーシャが水浴びをしている時は周囲の警戒をした)をしたりと、アクアガーリーに着くまでにリーシャとの心の距離を縮める事が出来た。
ちなみに俺は難聴系主人公じゃないからリーシャの独り言は聞こえたよ...
夜空に星が見え始める時間にやっとアクアガーリーの北門が見えてきた。
「もう少しだな〜」
「そうだな。やっと一息つける。」
「今日の晩飯は何だろなー...」
「ふふふ...私も早めに宿を見つけないとな。」
「もし良かったら...俺の家来る?まだ部屋の空きあるし、ウェルシー大陸に行くまで泊まっていくと良いよ。」
「ええ...///!? し、しかしこれ以上迷惑をかける訳には...その...赤の他人、それも女を泊まらせるなど、奥様方に誤解されたりしたら...」
「大丈夫だよ。妻達は人が居た方が楽しいとって言ってるし、妻と言っても奴隷妻だから、基本俺の判断に賛成してくれるよ。」
「レ、レン殿の奥様方は奴隷だったのか...それでは、レン殿のお言葉に甘えて泊まらせて頂くことにする。本当にありがとう。」
「いえいえ〜」
その後俺達はすぐに北門を通過し我が家へと向かう。街の中に入ると俺はウィーネリアに念話で、今帰るのと一人分多めに食事を作ってと話した。ウィーネリアは誰か来るんですかと聞いてきたが、オリヴィアの仲間だと伝えると、まあ!オリヴィアに伝えないと!と言って念話を切ってしまった。多分オリヴィアの元へ行ったに違いない。
家が見えてくると、左右の空き地には建築材が沢山積まれているのが見えた。
主人公と妻達との情事をノクターンノベルズで短編として投稿してみようかなと思っているのですが、見たい方がいらっしゃったらぜひ感想欄にでも書いて下さい。




