初めての戦闘
「あ…」
アクアガーリーに向けて3時間ほど歩いていると、前方に林が見えた。ちょうど林の真ん中だけ木が無いことから多分街道のようなものになっているんだろうと推測していると、その道の奥から凄くバランスが悪い荷馬車が走って来ているのが見えた。
多分本来は2頭用の馬具が付いているんだろうが左側の馬具には馬がいない。その後ろ20m位だろうか、緑色の人が数十人走っていた。じわじわと馬車との距離を詰めて来ている。
あれは俗に言うゴブリン的なモンスターではないだろうか? 荷馬車を操縦している人の顔が見えてきた。なかなかのご年配だな、かなり焦っている顔をしている。
「…けて!助けてくれー!! お礼はしますのでお願いしますぅぅぅ…」
と、俺の横を通り過ぎて行った。すると荷馬車を追ってきたゴブリン(仮)は俺を認識すると足を止めた。
「グギャギ?」
「ギャギャッ!」
「ギギッ!」
と何を話しているのか分からないが、とりあえず相談のようなものをしているらしい。
(というか、15匹はいるんだから俺を取り囲めば良いのに。
そう思いながら予め持っていたロングソードを構えると、ご丁寧に一匹ずつ襲いかかってきた。
体は少し小さい人間っぽいけど頭は良くないらしい。
俺は突っ込んできたゴブリン(仮)をロングソードで突き刺した。
「キイイッ!」
と金切り声の様な叫び声を上げるとドシャっと倒れた。
よく小説の主人公達がこのシーンで気分を悪くしているが、俺は逆に興奮、と呼べばいいのだろうか…そんな気分だった。これもグロ描写があるゲーム実況を見ていたせいでもあるのかもしれない。ただ鉄臭い血の臭いは嫌いなので全く普通通りだとは言えないが。
そしてその後も1匹、たまに2匹位で襲ってくるもんだから、そこまで苦戦せず5分足らずで片付けた。ウィーリがくれた物だからであろうか、血脂で切れにくくなるという事も全く無かった。
ゴブリン(仮)を焼却処分するために1箇所にまとめていると、
「いやあ~お見事でした! 本当に助かりました! 一時はもうダメかと…最悪、荷馬車を切り離そうかとも思いました。」
と、後ろの方から男性の声がした。振り向くと額が汗まみれであるが微かに笑みを浮かべている老人が荷馬車に乗ってやって来た。
「大丈夫でしたか?それと、なぜ馬が一頭しかいないんですか?」
と、俺が聞くと、老人は額の汗をハンカチで拭きながら、
「お陰様で荷物も私も大丈夫でした。馬はもう一頭いたのですが…ゴブリンと鉢合わせした時、馬が少し驚いて暴れてしまいまして…その時運悪く金具が壊れてしまって逃げてしまったんですよ…いやはや、手入れを怠ってしまった事を悔やまれます…」
と答えた。
俺は、
「護衛は?流石に護衛無し、という訳では無かったでしょう?」
と言うと、老人は顔を伏せて、
「雇ったのは二人のF級冒険者でした。彼らも実戦は初めてだったのでしょう…ゴブリンの数を見た途端、依頼を破棄したんですよ…ギルドの方で違約金はあるのですが、命の方が大事だと思ったんでしょうなあ…」
と怒りを滲ませながら答えた。
「そうでしたか…それは災難でしたね…」
と言い、
「これからどうするんですか?」
と聞くと、老人は、
「これからアクアガーリーに行く予定です。」
と言った。俺の目的地と一緒だったので、
「俺と一緒ですね! お供しますよ!」
と提案すると、老人は顔をパアっと明るくし、
「是非お願いいたします!」
と言ってガバッと頭を下げた。老人は、
「ああ、申し遅れました。私の名前はバルド、と言います。」
と、ぺこりと自己紹介をしたので俺も自己紹介をした。
バルドは、ハッとした顔をし、
「そう言えばお礼がまだでしたな!此処はもう安全でしょう、少々お待ち下さい。」
と言うと台座から降り、荷台の方へと向かい、
「さあ、もう大丈夫ですよ。降りてきなさい。」
と誰かに指示を出した。
すると、中から出てきたのは布の面積がやや小さい無地の薄茶色のワンピースを来た五人の女性でしかも、明らかに人間では無い種族もいた! これが話に聞く魔物っ娘か!
俺は少し声を大きくして、
「この方達は!?」
と、老人に聞いた。すると老人は、
「こ奴らは奴隷です。もちろん合法の、ですぞ。それはさておきレン殿、改めまして私達を助けて頂きありがとうございました。お礼として、奴隷を1人差し上げます。
もちろん、隷属魔法は無料でお掛け致します。さあ、お選び下さい。」
と言うと、俺の前に五人の女性を並べた。
まさかお礼が奴隷だとは全く思っていなかった俺は、
「え?」
と言うことしか出来なかった。
初の戦闘シーンにしてはショボかったと思います。これからバンバン戦闘シーンは入れたいと思いますので、「あんまり戦闘シーンはな…タイトル通り女の子との絡み見せろ(ノシ^ω^)ノシ☆バンバン」と言う方はご感想にて言ってくだされば参考にさせて頂きます。