親睦会と言う名のお茶会
お久しぶりでございます!
家の前に着くと、テュイとティー、それにメアリーが庭でボールのような物で遊んでいた。ティーは俺を見つけると近づいてきて膝にヒシッと抱きついた。
「レンのおかえりなの~」
俺はティーを肩に乗せてメアリーとテュイの元へ行く。テュイは俺の隣にいる魔族が気になるのか、メアリーの後ろでチラチラとオリヴィアを見ている。メアリーは俺ではなくオリヴィアの方を見て、
「おかえりレン君、この魔族の娘は?」
そう言って右手を腰に回した。確か短剣を隠してたんだっけな。それを見抜いたらしいオリヴィアはうんうんと感心したように頷いている。
「ただいま。それと剣は抜かなくても大丈夫だよメアリー。この人はオリヴィア、訳あって俺の奴隷になった。詳しい事は夕飯の時に話すよ。」
メアリーにそう言って家に入った。
ウィーネリアはキッチンで洗い物をしていた。
「ただいまウィーネリア。この人はオリヴィア、新しい家族だ。夕飯作りたいから詳しい事は後でな。それじゃウィーネリア、オリヴィアを空いている部屋に案内してくれ。」
「分かりました! よろしくお願いしますねオリヴィアさん、それでは付いて来て下さい!」
ウィーネリアはオリヴィアと話をしながら2階へと上っていってしまった。
ウィーネリアがキッチンへと戻ってきた所で、俺とウィーネリアは別れて夕飯を作ることにした。と言っても大体はウィーネリアに任せて、俺の方はというとアイアンクラブを茹でるのと食後のデザート担当だ。
アイアンクラブの調理は簡単だ。塩をぶち込み色が変わるまで茹で続ける。まさか赤じゃなくて緑になるとは…まあ地球と比べても仕方ないな。
茹で上がったアイアンクラブを大皿に移し、ダイニングテーブルに置くと、次は食後のデザート…ホットケーキボールならぬ、ウィートボールを作ろうと、ホットケーキミックスの代わりに砂糖を混ぜた小麦粉、卵、牛乳、揚げ油、粉砂糖は無いので普通の砂糖を準備した。
油と振りかける用の砂糖以外は全部入れてよくかき混ぜ、小鍋に入れてある油を加熱する。そして油が温まったら、底が深めのスプーンで、混ぜた液体を掬って一思いにトポンと小鍋に落とす。
本来は手で転がして作るのだと某料理サイトには書いてあったが俺には何故か出来なかった。
そうして出来上がったのはボールと言うには些か歪な形をした揚げ菓子だ。砂糖を振りかけ、1つ食べてみる。
やはりホットケーキミックスで作るよりかは幾分か違和感はあるが、これはこれでイケる味だ。試しに、油をちゃんときってから隣にいるウィーネリアに、
「ウィーネリア、あーん。」
そう言ってウィーネリアの口元にウィートボールを運ぶと、ウィーネリアはそれをパクンと口に入れた。すぐに
ニコォ♡
と口をもぐもぐしながら笑顔になったので、このデザートは成功のようだ。
ウィーネリアの方も料理が終わったようで、二人で出来た料理を運ぶ。料理を運んでいると、疲れきった顔をしたケイトが帰ってきた。今日の件で今まで頑張っていたのだろう。後でマッサージでもしてあげよう…
改めてウィーネリアが作った料理を見てみると、鯛のような大きな白身魚の塩煮とアサリの様な二枚貝のスープで、見るからに美味しそうだ。ウィーネリア曰く、貝はメアリーが採ってきてくれたとの事だ。メアリーが必死で貝を拾う姿を想像してみると、物凄く可愛らしい。
俺が皆分のパンが載った皿を置く頃にはウィーネリア以外が座っていた。オリヴィアはテュイと仲良くお喋りをしていた。ティーとメアリーは時々会話に相槌や質問をして会話に入ろうとしていて、とても微笑ましい。
俺が席に着くとその後にウィーネリアが座る
「それじゃあ食べようか。」
すると各々が料理に手を出す。やはり見たことも無いからか、皆はカニに中々手を出さない。俺が一つ取って、あらかじめ切れ込みを入れてある殻の間に両方の親指を入れ、殻を割り、中身を取り出して少しだけ自分で食べ、テュイに差し出すとすぐにパクンと食べて、
「美味しいです!」
テュイはそう言うと俺にもっと下さいと言ってきた。ティーも欲しいと言ってきたから、二人分の殻を剥いていると、他の皆もおずおずと手に取り始め、美味しさに頬を緩めていた。
夕飯を食べ終え、テーブルには先ほど作ったウィートボールと紅茶、オリヴィアは紅茶が苦手なので白湯を入れたティーカップが並んでいる。そして皆の目線はオリヴィアへと向かっていた。と言うのも、オリヴィアという新しい家族が増えたので、親睦を深めるため、主に自己紹介をする交流会をしていたのだ。そして今は最後のオリヴィアの番である。テュイとウィーネリアは今もお菓子の方にチラチラと注意が逸れている。
オリヴィアは白湯を一口飲むと、ゆっくりと自己紹介を始めた。
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