英雄?
「レン…これからどうするのだ?」
と、街に向かって歩いている途中、オリヴィアは上目遣いで不安そうに聞いてきた。
「とりあえず、奴隷商に行くよ。奴隷商に売ったりとか身体で金を稼げとかじゃなくて隷属の儀式をするためにね。」
「そうか…それと、少し止まってくれ。奴隷になる前にタバコが吸いたい。」
そう言うとオリヴィアはポケットからパイプを取り出し、火をつけるとプカプカ吸い始めた。形状はリバプールに似ているがかなり細いもので、手で持つ部分でも鉛筆くらいの細さだ。熱くないのだろうか…
「なんで奴隷になる前にタバコが吸いたいの?」
「奴隷になったら吸えなくなるから今のうちにと思ってな。」
「別に吸っても良いよ。それにタバコ吸ってるオリヴィアすんごい綺麗だし。」
そう言うとオリヴィアは赤面し、
「か、からかうな!」
そう言うとタバコの煙をぷはーっと俺の顔に吹きかけ顔を背けた。煙は地球のと違って甘い匂いだった。
街に着くとカーラやペルミアの私兵が俺を見た途端に武器を持って俺を取り囲んだ。俺何かしたか?
「レン殿!この魔族は一体何者ですか!」
「俺の奴隷。」
「「「「え?」」」」
カーラ達はぽかんとしていた。
「ここを襲撃しようとしていた魔族軍の代表がこの人なんですけど、一騎打ちしてきて勝ったので貰ってきました。それと他の魔族軍の人達には帰ってもらいました。」
我に返ったカーラは、ため息をついて、
「ま、まあいいでしょう…とりあえずペルミア様とギルドマスターより、今回のリヴァイアサン討伐についての褒賞金やA級昇格に関する話があるということです。ギルドマスターは時間がある時で良い。だそうです。それでは今よりペルミア様の元へ行きましょう。その魔族も一緒で構いませんが、しっかり見張ってて下さいね。まあペルミア様もお強いので大丈夫かと思いますが。それとリヴァイアサンの素材回収や処理は他の者にさせますので。」
そう言うとカーラは馬車を呼び、俺とオリヴィアは馬車に乗って館へ向かった。途中でバルディ奴隷商を通りかかったので馬車を止めてもらい、隷属の儀式をすることにした。中に入るとすぐ近くにバルドさんは立っていた。
「おやレン殿、と魔族の方ですかな?今日はどのようなご用件で?」
「今回も隷属の儀式をしてもらいたくて。」
「分かりました。それではこちらに。」
個室に案内されるとバルドは針を2本差し出す。俺はオリヴィアにやり方を教え、バルドさんが詠唱してる内に血を垂らした。
俺はバルドさんにお礼を言い、代金を払うと二人で馬車に戻った。
「これで本当に私はレンのモノになったな…改めてよろしく頼む。家事は料理以外なら結構得意だ。家の警備等も出来る。ただ夜伽はした事が無い。故に満足はさせられないかもしれんが、努めて奉仕するつもりだ。」
そう言ってオリヴィアは胸を張る。
「こちらこそよろしく。」
その後は雑談等をして館へ着くまで暇を潰した。話をしてるうちにオリヴィアの住んでいた所の話になった。話によると、オリヴィアは魔族軍の女性用宿舎に寝泊りしていたため、後にヨルデが撤去を手配するだろうし、家具やその他の日用品については入隊するときに、死亡した場合孤児院に寄付するという旨の書類にサインしたそうで、多分大丈夫だろうとのことだ。
ペルミアの館へ着くと、俺達は馬車を降りて中に入った。中に入るとキャシー含むメイドさんたちが一斉にお出迎えをしてくれた。キャシーが俺を見て微笑んだので手を振り応える。
ペルミアの部屋にはすぐに通された。前の時とは違うようで格式張ったものはしないようだ。
「失礼します。」
そう言って俺達が入室するとペルミアはオリヴィアを一瞥すると立ち上がり深い礼を一度した。
「今回もこの街を助けて頂きありがとうございました。さあ、お座り下さい。」
勧められた通りに座る。
ペルミアはメイドを呼び、ちゃんと三人分のお茶の準備をさせると自身も座った。
「時間が無い故、品がなく申し訳ないのですが早速褒賞金の方を渡したいと思います。」
そう言って呼び鈴を鳴らすとメイドさんが重そうな袋を持ってきた。
「褒賞金は120万アットで小金貨が120枚、この中に入っています。」
俺に手渡してきたので俺はそれを受け取る。渡す時、執拗に俺の手を触ってきたのには心拍数が上がった。
「それではお忙しいようですし、俺たちはこの辺で。」
そう言って俺達は立ち上がった。それに続いてペルミアも立ち上がる。
「貴方はこの街の英雄です。貴方の様な方を見たのは、生まれて100年程経ちましたが初めてです。これからもこの街の発展の為、ご協力お願いします。」
また深くお辞儀をした。
帰りの馬車は遠慮して二人で歩る事にして、途中で道具屋に行ってオリヴィア用のタバコや食料品店でデザートを作るための材料を買って家に帰った。
オリヴィアとはまだシない予定なんですよねこれが。次回はカニ&料理回!多分っ!
タバコ吸ってるキャリアウーマンみたいな人って良いですよね。
2/9修正・加筆




