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冷たい

「うん?名前はレン…だったか、どうした?」


「いやー、何も手にしてないので魔法使いなのかと思って。俺もいきなり斬りかかるのはあんまりだなって…」


本当にオリヴィアは何も持っていない。強いて言うならタバコを吸うパイプだけだ。それもポケットに今仕舞っているから実質手ぶらである。


「優しいなレンは。だが敵にみすみす攻撃のチャンスをあげたもんだ…ぞ!」


言いながらオリヴィアは火球、ファイアボールかな?それを5つ飛ばしてきた。俺はそれをオリジナル魔法ウォーターウォールで消す。


そして俺は立ち込める蒸気の中を大太刀を持って突っ切る。レーダーで居場所は分かるから少しズルイ気もするが…うん、仕方ない。


オリヴィアの目の前に躍り出ると、オリヴィアはファイアボールを俺とオリヴィアの間にポンと出し、小爆発を起こさせ、強引に俺と距離をとる。


「魔法剣士か…レンの魔法も見たいものだ。」


そう言ってオリヴィアは不敵に笑う。だが、俺は出そうと思えば多分音速を超えるアイスボール又はニードルを出せるので、加減を間違えたらオリヴィアを殺してしまう。それでも使えないとは悟られたくないので、


「極力刀一本でいけたらなとは思います。まあ必要に迫られたら使いますけど。」


そう言い終わるとまたオリヴィアに斬りかかる。オリヴィアはひょいと避けると今度は直径30cm程のアイスボールを放ってきた。アイスボールは時速100km出ていない位くらいの速度で、俺は篭手を利用し、飛んでくるアイスボールを殴って壊した。


するとオリヴィアはこの時を待っていたかのように、アイスボールの破片で目をつぶっていた俺にいきなり急接近すると両手を俺の腹に添えて、俺の方向、すなわち前方だけに爆発する魔法を使ってきて俺は吹っ飛んで転がる。鎧のお陰であまり痛くなかった。しかしオリヴィアはそうは思っていないようで俺の前に来ると


「うん?レンの防具はとても頑丈だな。殆ど傷が付いていないように思われる。しかし中身である体はそうはいくまい?もうお前の負けで良いのではないか?」


そう言って右手を肩に差し伸べようとする。だが俺はすぐに立ち上がり、その腕の裾を左手で掴みオリヴィアの背中に右手を回して…投げた。俺が地球でやっていた野球より得意と言える柔道の投げ技、大腰だ。

下半身が4m位長くても関係ない。上半身さえ床に叩きつけられればいいのだから。


ズドン!


「カハッ!」


俺の渾身の一撃を受身なしで食らったオリヴィアはえづく。ちゃんと左手で裾を持ち上げ頭を強打しないように気を使ったからとりあえず、ヤバくはないだろう。そして俺は寝技に持ち込む。けさ固めだ。俺は右手でオリヴィアの首に手を回し、自身の体をオリヴィアの頭の方に持っていく。極力巻き付かれないようにするためだ。そして右腕をオリヴィアの首に巻き付け、左手をオリヴィアにかざして小さいアイスニードルを作る。


「ぐぐぐっ…!こ、降参は…しないぞ!」


「それならすいません…気絶して貰います。」


俺はアイスニードルを適当に彼方へと飛ばし、今度はチョークスリーパーに移る。オリヴィアは涙目で苦しそうにバタついているが、勝つ為には仕方ない。



しばらくするとスっ…と力が失せて俺に寄りかかってきた。一応呼吸を確認した結果、気絶したようだ。俺がヨルデの方を見ると、驚愕の顔つきで、


「まさか…そんな…!うう…しょ、勝者…レン殿…」


ヨルデがそう言った瞬間だった。一騎打ちを見ていた魔族の戦闘員の内の一人がレーダーに赤く表示された。


「こ…この野郎!みすみすオリヴィア様を渡してなるものかぁぁ!」


「止めろギル!」


ギルという魔族はヨルデの制止を聞かず長槍を持って突っ込んできた。俺は槍のリーチに入る前にウォーターボールをギルの腹へ強めに打ち込んで気絶させた。


「ふぅ…それでは約束通りオリヴィアさんを貰っていきますね。大丈夫、拷問とかしませんから。」そう言ってオリヴィアさんの頬をペチペチと叩いて起こす。


「うう…レ、レンか…負けてしまったな…」


そう言うとオリヴィアは魔法を唱えて下半身を人の足にした。もともと腰巻のようなものをしていたので半裸にはならなかった。近寄ってきたヨルデが涙ながらに、


「レン殿…魔族の決まりでは一度決めた約束を(たが)えてはならないというものがあります…なので今更この一騎打ちは無しとは言いません…なので、どうかオリヴィア様をよろしくお願いします。」


そう言って頭を下げた。俺はもちろんだと応える。すると隣で静かにしていたオリヴィアは俺の裾をちょんちょんと引っ張る。オリヴィアの方を向くと


「約束は約束だ。これからよろしく頼む。」


そう言うと、ビシッと礼をした。


「こちらこそ。それじゃ行こうか。あ、ちゃんと引き返してくださいね。報復攻撃も無しですよ。」


俺はそう言い残し、オリヴィアの手をとって船から飛び降り、氷を海面に張って着地した。しかしオリヴィアは


「つ…つつつ冷たいぃ!」


そう言って俺に飛びついてきた。爬虫類の血を引いてるから寒さに弱いのか。


俺はそのまま震えるオリヴィアをお姫様だっこして街に戻った。

2/8修正・加筆

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