メアリー
【メアリー視点】
ウィーネリアがレン君の部屋に行って30分位経ったところで、
「メアリー、こーい。」
と、レン君が私を呼ぶ声が聞こえた。
私はドアをノックして、ドアを開けるとレン君はベッドに腰掛けていた。レン君の顔は、何か考えているみたいで口を真一文字に結んでて、これはエッチなお誘いじゃないって事は分かった。
「俺の隣に座ってくれ。」
「うん…」
私が座るとレン君は、
「なあ、俺とメアリーが最初に出会った時、俺を誘ったよな。一度は誤魔化されたけど、何か理由があったんじゃない?」
あちゃー、バレてたかー。
「…これ見て。」
私はそう言って首に掛けている、小さな赤黒い矢が付いているペンダントをレン君に渡した。
「これってメアリーが付けてるペンダントだよね? これがどうしたの?」
「これはね…愛と子宝の神ローディアの血が固まって出来たって言われてるローディア石のペンダントなの。この石には不思議な魔法みたいな力があって、運命の人と出会えるとまず熱くなる。それからもし、奇跡的に結ばれたなら…ローディア石はごつごつした形から矢の形になるらしいんだ。
でもほとんど信じてなかった。だってほとんどの人魚族はローディア石を持ってるけど、矢の形になってる人魚の奥さんの夫婦はいなかったもの。」
私がそう言うとレン君は矢のペンダントを見つめて、
「…って事は俺とメアリーは運命の出会いをして、かつ、結ばれてるって事か…」
私はこくんと頷いた。
「運命…か…俺はぶっちゃけ最初はこうなると思わなかったな。」
レン君はそう言ってははっ、と笑った。ちょっと傷つくな…
「…なんで?」
私が怒り気味に言うと、
「そりゃあ、初対面で俺を誘ってくるような女なんて到底信じられなかったしなー。」
と、レン君は返した。
…確かにレン君から見たら初対面の私は売春婦よね…
「…何と言うか、ちょうど石が当たってる胸がいきなり熱くなって、『レン君を私のモノにしたい!』っていう感情を抑えきれなかったの…だからレン君が嫌いなのを知らなかったとはいえ、あんな売春婦みたいな誘い方…アピールをしちゃった…『きっと若いレン君はこれで落ちるだろう』って短絡的に考えて…ごめんなさい」
するとレン君は
「良いよ良いよ。結果、俺は成り行きとはいえメアリーを言わば手に入れる事が出来たからね。ローディアって神様に感謝しないと。」
そう言ってレン君はペンダントに向かって、ローディア様ありがとうございます、って呟いて頭を下げた。
なんだか可笑しくてフフっと私が笑うと、
「真面目に感謝してんだぞー。」
とレン君は言った。
すると突然レン君はベッドから立ち上がって私の前に片膝をつき、
「…なあ、メアリーとウィーネリアが風呂に突撃してきた事あったよな…あの時はビックリした。でも…あの時のメアリーの言葉は俺の心に響いた。その時、直感的に思ったよ。
『メアリーと一緒にいれて本当に良かった』
って。それで…独占欲が強い俺からのプレゼント…かな?これを受け取って欲しい。」
レン君はそう言うと四角いケースを取り出し、それを開けた。
中身は綺麗な雫の形をした指輪だった。も、もしかして…
「メアリーさん、俺と結婚して下さい! そして俺とずっと一緒いてくれ!」
私はレン君に飛び込んだ。
「うわっとと…」
「うう…うれじいよ~!! グスッ、もう嬉しくて嬉しくて泣けてきちゃったよ~…」
「そ、そうか…! それで…お返事を聞きたいんだけど…」
「もちろん喜んでっ!」
私はレン君の唇に自分のを押し付けた。
「それじゃメアリー、左手出して…」
私はレン君の言われたとおり左手を出した。レン君は指輪を薬指にそっとはめ込んだ。
私ははめ込まれた指輪を月光の光に照らした。
「とっても綺麗…」
するとレン君は私の瞳を見つめた。
「月並みな言葉だけど…メアリーの方が綺麗だよ…なんて…」
私はまた唇をレン君のに押し付けた。
ケイトはどうなるのでしょうか。




