勲章授与
ペルミアの館に入ると、何人かのメイドさん達がいて、俺に深々とお辞儀する。俺も会釈し、カーラの後をついて行く。
「ペルミア様の準備の為、此処でしばらく待っていて欲しい。その鎧だと座れないので立っていて貰うしかないが、何か用があったらそこにいるメイドのキャシーに言ってくれ。それでは失礼する」
俺を応接間のような所に案内したカーラはそう言うと、部屋を退出した。
ずっと立って待っているというのも暇だったので、俺はキャシーさんに話しかけてみることにした。
「キャシーさんでしたっけ?」
「はいっ!」
「ペルミアさんってどういう人か教えてくれる?」
俺がそう言うとキャシーは少し考え、
「とても優しくて、綺麗な人です!あとお胸が大きいです!」
と、応えた。やはり名前的に女性だったか。
「そうですか、ありがとうございます。」
俺がお礼を言うと、
「いえ!そんな…」
と、キャシーはモジモジして俯いてしまった。
そうしている内に準備が出来たようで、カーラが俺を呼びに来た。
「準備が終わったので行こうか。」
「分かりました。それではキャシーさん、また。」
俺はそう言うとキャシーに手を振りカーラの後について行った。
「この扉の先がペルミア様のいる謁見の間だ。先程の通りに、な。」
「はい。」
「よし、それでは行こう。」
コンコン
「どうぞ。」
うわ、物凄い綺麗な声だ。
「失礼します。レン殿をお連れしました。」
扉がカーラによって開けられ、俺は前に進み出した。
さすが人魚族の長の館だ。内装は王様のいる所みたいに広く、道が長かった。
俺の通る道の横には近衛兵らしき女騎士達がズラっと等間隔で並んでいる。両側で20人はいそうだ。殺気ではないようだが目線が痛い…
歩いていると印が見えたのでそこで止まり、ペルミアの方を見た。
確かにキャシーの言う通り、優しそうな垂れ目で胸がかなり大きく綺麗な人だった。
「レンさん…でしたね。今回のワイバーン討伐、本当によくやってくれました。貴方のお陰で多くの命が救われました、感謝しています…しかも単独討伐だそうで…勇敢な方ですね…」
「あ、ありがとうございます。こんな俺でもこの街の役に立つ事ができて光栄です。」
「フフッ…それではA級モンスター討伐報酬として、アクアガーリー特別第1類ペルミア勲章を授与します。」
ペルミアがそう言ったので、俺は両膝をつき、頭を垂れた。
「頭を上げよ。」
俺は頭を上げた。するとペルミアが予想以上に近くて目が泳いだ。
「それでは勲章をどうぞ、それと…」
ペルミアは俺に勲章を渡し、そのまま両手を俺の肩に置くと、俺の額にキスをした。
「んあっ!?」
突然のことで俺は変な声が出た。カーラに聞いてたことにはないものだった。
「フフフ…」
とペルミアは微笑んでいた。
俺はとりあえず立ちペルミアに一礼すると、そそくさと退出した。
「カーラさん~あれ前もって教えてくれても良かったじゃないですか~」
と応接間でカーラに愚痴ると、カーラは顔を真っ赤にして、
「す、すまない…今回のはペルミア様が当主になって2度目のことで、それも一度目は二年前にメイアという女の海賊にしたものだったので…まさか男性にもするとは思わなかった…」
「メイアさんにした事があったんですか…それで、あのキスの意味はなんですか?」
「あ、ああ!そうだな…あれは『どうぞこの街にいて下さいね』という意味合いのものだ。それでもされた者は前当主の時代でも5人位だったのだ。」
と、カーラは教えてくれた。
「そうだったんですか、それは光栄な事ですね!………それでは、勲章も貰ったことだし、寄る所があるので失礼しますね。」
「ああ、館の門まではキャシーに案内させるキャシー、レン殿を案内して差し上げなさい。」
【カーラ視点】そう私が言うと、レン殿は私に会釈してキャシーに連れられて応接間を出ていった。
私はレン殿に、あのキスの『もう一つ』の男性に対しての意味を教えていない。
『もう一つ』の男性に対しての意味…それは…
『貴方が気に入りました。』




