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この世界での嗜好品

ウィーネリアを四つん這いにさせt…

俺達は家に帰ると手を洗い、俺はキッチンに行き、ウィーネリアとメアリーには自室に待機してもらった。


「っしゃあ~作りますかっ!」


そう言って俺が冷蔵庫から取り出したのは卵と牛乳。それと横にある棚から食べられる(にかわ)っぽいもの、つまりゼラチンの少し純度が低いものと砂糖を取り出した。作るのはそう、



プリンだ。



俺の体重がまだやばかった頃、自作スイーツを作りたい衝動に一時期駆られ、何回か作ったことがあった。その中でもかなり簡単に出来る方のプリンを作ることにしたのだ。


最初に器具を洗う。その後にまずはボウルの中に目分量で牛乳を入れ、卵を数個割る。

そしてしゃもじ(的なヘラ)でかき混ぜる。混ぜたら砂糖と膠を入れ、また混ぜる。


混ぜ終わったらカラメルソースを作る為に小さい鍋に砂糖と少しの水を入れ弱火で、焦げないように砂糖を溶かす。並行して今度は大きい方の鍋を使う。大きい方の鍋を火の上に乗せ、鍋に混ぜた物を入れ、ゆっくりかつ焦げないように混ぜる。


数分して、取り出しておいた陶器のコップに大きい方の鍋に入ったプリンの元を入れる。

そして出来上がったカラメルソースを、まだ冷えていないプリンの元が入っているコップの中央へゆっくりと注ぐ。こうする事で良い感じにカラメルソースが下に降りる。


これで後は冷蔵庫で冷やすだけだ。


俺はプリンの元を冷蔵庫に入れ、使った調理器具を洗って1時間ほど休息を取った後、今度は夕飯作りをする事にした。



とりあえず今日はステーキとサラダ、それにパン屋で買ったバケットだ。



冷蔵庫から、『牛肉のような味がする。牛肉と同様の調理法で調理出来る』というオロイ肉を取り出し、厚さ1cmほどにスライスすると、切った肉を冷蔵庫に入れ、とりあえず手を洗い、俺は好きな焼き加減を聞くために、まずはウィーネリアの部屋に行った。



コンコン


「失礼するよ。ウィーネリア~、ウィーネリアは肉ってどの位焼くのが好き~?」


「肉の焼き加減ですか?…私はきっちり焼くのが好きですね。もしかして今夕飯を作っているのですか?それならお手伝いを…」


「ウェルダンね。いや、いいよいいよ。肉の焼き加減を聞きたかっただけだし。後少しで出来るからそろそろ来てね、それじゃ。」


ウィーネリアから好きな焼き加減を聞くと、俺は次にメアリーの部屋に行った。



コンコン


「は~い!」


「メアリー、メアリーの好きな肉の焼き加減を教えてくれる?」


「お!レン君が夕飯作ってるの~?もしお肉の鮮度が良かったら中が生の方が良いな!でもゴメンね~私料理からっきしで手伝えないや~。」


俺が質問すると、メアリーはすまなさそうに応えた。


「レアね、分かった。いや、大丈夫。今のところは俺一人でもいけるから。やばくなったらウィーネリアに頼むか料理人の奴隷でも買おうかなとは思うけど。まあそれはまだ先の話かな。お金も貯めないとだし。料理がそろそろ出来るから、ウィーネリアと一緒にでも来てよ。それじゃ!」


俺はそう言うと、キッチンに戻った。



俺はオロイ肉を冷蔵庫から取り出し、一枚ずつ強火で焼いていく。

俺もレアが好きなので外側を焼くとすぐに取り出した。


最後の1枚をウィーネリアの要望であるウェルダンにし、肉、バケットを載せた皿、フォークやナイフ、スプーンをダイニングテーブルに置くと、二人がやって来た。


「お~レン君スゴーい!」


「いい匂いです…」


と二人は感想を述べた。

俺は、


「あとサラダだけだから座っといてー。」


と二人に指示を出し、野菜を冷蔵庫から取り出した。


サラダは簡単だ。食べやすい大きさにちぎるだけなのだから。


野菜をちぎり終えると、俺はパラパラと塩を振り、テーブルへと運んだ。


「出来たぞー!」


「まってました~」


「お疲れ様です、レン様。」


「はいよ、スープは無いけど勘弁な~それじゃあ食べようか!」


「「はい!」」


そう俺が言うと二人は食べ始めた。それに続いて俺も食べ始めた。





俺は二人より先に食べ終わり、小麦粉を使ったホットケーキもどきを作ることにした。



ボウルに小麦粉、卵、水、少しの砂糖を入れ、混ぜて、火を中火にし、そこにフライパンを乗せ、バターをひいた。


そしておたまでホットケーキもどきを(すく)い、フライパンの上に円形に流し込み、両面を焼く。2枚作り、出来たホットケーキもどきを皿に載せ、また新たに作ったカラメルソースをシロップ代わりにかけた。

冷蔵庫を見てみると、丁度プリンも出来上がっていたので、ホットケーキもどきとプリンをお盆に載せ、二人の前に置いた。



「レン様、これは何でしょう?初めて見ました。」


「私も初めて見た~!でも甘い匂いがして美味しそう!」


と、初めて見るプリンとホットケーキ(もどき)に、ウィーネリアもメアリーも興味津々だ。


「地球の甘味(かんみ)で、コップに入ったのがプリン、その平べったいのが、ホットケーキっていうんだ。それじゃ、あんまり自信無いホットケーキから食べてみてよ。あ、ナイフとフォーク使ってね。」


俺がそう言うと二人はホットケーキもどきを切り、恐る恐る口に入れた。


「…んまいよー!流石レン君だねー!」


「……」


とメアリーはべた褒めだったが、ウィーネリアは浮かない顔をしている。


「ウィーネリア、もしかして口に合わなかった?」


と俺が心配そうに言うと、


「…いえ…そんなことは…」


と、ウィーネリアは言葉を濁した。


「それじゃ、プリンの方を食べてみてよ!そっちは自信あるからさ!スプーンを使ってな!」


俺がプリンを勧めると、ウィーネリアはスプーンを使い、ゆっくりとプリンを口に運んだ。



するとウィーネリアは2、3度咀嚼をすると突然すすり泣き出した。



突然の事に、俺とメアリーは目を見合わせた。


「すみません…あまりにも甘く、美味しくて感極まってしまいました…私が生きてきた中での最高の甘味が、集落で育てていた果実や、それらから作った果実水等でしたので…こんなにも高級な砂糖をふんだんに使った甘味は…生まれて初めてでしたので…」


俺はメアリーの方を向くと、


「確かにここは貿易の中心地で供給の方が多いくらいだから、値段的にまだ手が出せないって程では無いけど、内陸に行けば行くほど暴力的に値段が上がるらしいんだよ…それこそ下級貴族以上でも満足に買えないくらいには、ね…事実、私もここまで砂糖を使った甘味なんて初めてだったよ。レン君、本当にありがとう…」


と、いつもは間延びした口調のメアリーがしっかりとした口調で言ってきた。


俺は、嗜好品というものはこの世界では、贅沢の極みらしいという事が今しっかりと分かった。



「メアリー…これからもウィーネリア達がいつでも甘い物食べれるように、俺、頑張るからな…だから、とりあえず今はこれ食っとけ…」


俺はウィーネリアにそう言うと、彼女を抱きしめた。


「ぐすっ…はい…!」


と、ウィーネリアはそう返事をした。




ウィーネリア達がデザートを食べ終えると、俺は二人をソファーに座らせて、洗い物をしにキッチンへと向かう。





その時の我が家には、俺が洗い物をする音だけが響き渡っていた。

地球の中世時代の嗜好品にも様々なジャンルがありますよね。

ジスパイルではどんな嗜好品が好まれているのでしょうか…


2/6修正・加筆

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