新しい奴隷(なかま)と、家探し
「……もし処刑、と言ったら?」
「メアリーは今はまだマーメイド海賊団の船員だからね。もちろん掟に従ってするさ。首をバッサリと、ね…」
俺がそう言うとメイアは静かに言った。
「それでは、奴隷商に売ると言ったら?」
「オークションに出す。その方が高く売れるからね。もちろん、売却金は君が受け取る。」
「メイアさん…貴女、私が絶対にメアリーさんを引き取ると見抜いてこの提案をしているのですよね?」
俺がそう言うと、今まで冷静な顔をしていたメイアは苦笑し、まいった!とばかりに手を挙げ、
「いや~流石だね、でも何でレン君がメアリーを引き取るような優しい子だと分かったと思う?」
「…俺がメアリーと手を繋いで来たからですかね…普通、自分を見殺しにした相手の手なんて握りたくもないでしょうから。」
そう応えるとメアリーはクククッと笑い、
「そうだね、当たりさ。私も内心驚いたよ。被害者のレン君が加害者であるメアリーと手を繋いで来たんだから。…で?どうする?」
とメイアはニヤニヤと笑っている。
「そんなにニヤけないで下さい…分かりました。俺がメアリーの奴隷主になります。」
俺が答えると、
「そうかい。それじゃバルディ奴隷商に問い合わせようかねえ。」
そうメイアは言うと、ベルを取り出し5回鳴らした。
すると一人の召使いのような女性が入ってきて、メイアはバルディ奴隷商のバルドさんを呼ぶように伝えた。
しばらくするとバルドさんが現れた。
「おおっ、これはこれはレン殿ではありませんか!」
「こんにちはバルドさん。よろしくお願いします。」
と、双方挨拶をすると、早速行きますぞ、とバルドさんが隷属魔法を唱え、俺とメアリーが針で指を刺し、血を垂らし、紙が燃えるのを確認した。
「これで終わりですじゃ。手数料として11アット頂きますぞ。」
俺の代わりにメイアがバルドさんに11アット支払う。さよならの挨拶を済ませると、すぐにバルドさんは帰っていった。
バルドさんは忙しいのか忙しくないのか分からないな。
「それでは行きますね。これから家を探さないといけないので。」
俺がそう言うと、
「確かに三人で宿に住むのは狭いからね。そうした方が良い。家探しなら、冒険者ギルドの近くにあるバルディ不動産に行きな。場所はメアリーが知ってるから。それじゃあ私は寝るっ!」
そうメイアは言うと、船長室の奥の椅子へと座り込み、眠り始めた。
俺はメアリーと手を繋いで船長室を出た。
レン達が退出した後、メイアは目を瞑りながら言った。「メアリーをよろしく頼むよ…」と。
バルディ不動産に向かっていると、メアリーがポツリと言った。
「私を…売らなくて良かったの…?」
俺は、
「ん~確かに売ればかなりの金額になったろうね。でも、俺はメアリーが他の男といるところを想像したくないんだ。だから俺の奴隷にした。すまんね、こういう独占欲が強い男で。」
「ううん…私もレン君と一緒になりたいなって思ってたから…あ、バルディ不動産はここだよ…」
そう話していると、目の前には2階建てで木造の建物があった。看板には『バルディ不動産』と書かれている。
「メアリーはウィーネリアを呼んできてくれ。」
メアリーにウィーネリアを連れてくるよう頼むと、早速中へ入った。
「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ。」
と扉のすぐ横に男性店員が立っていて、そう言うと俺を個室へと連れてき、そこそこ良さそうな椅子に座らせ、店員はお茶をテーブルに置いた。。
「本日はどのようなご用件で?」
「賃貸物件を探しています。良い場所で、お風呂があれば、それらを優先的に紹介して欲しいです。あと、もう少しすると私の奴隷が2人来ます。手荒な真似はしないでくださいね。」
と、最低限のやりとりを済ませると、ウィーネリアとメアリーに酷い扱いをしないで欲しいと頼んだ。
「もちろんでございます。それでは少々お待ち下さいませ。」
そう言うと、後ろにある沢山の書類が整頓されている棚からすぐに十数枚取り出して、俺の前にそっと置いた。
「これらが私どもが紹介出来る物件でございます。」
そう言うと、一軒一軒、丁寧に説明してくれた。
最終的には3つに絞った。
絞ったところでウィーネリアとメアリーが来て、俺と同じ部屋に通された。
「それでは、この娘達と話し合って決めたいと思いますので、出来れば席を外して頂けると嬉しいのですが…」
俺がそう言うと、
「分かりました。それではご用の際はこのベルを鳴らしてください。」
と小さなベルを置くと店員は退出した。
「俺的にはこの3つが良いと思うんだけど…見てみて。」
俺はそう言うとウィーネリアとメアリーに書類を見せた。
「私はここが良いと思います」「わ、私もそこは結構治安が良いから良いと思います…」「お、まじか!俺もそこがいいなと思ってたわ!」
と偶然にも3人とも同じ意見だった。冒険者ギルドの近くにあり、キッチンも立派で一通り家具があり、お風呂が300cm×300cmの正方形で、トイレは驚いたことに水洗(ボットントイレだが下に水が流れているver.)だった。
便器の下に下水専用の川を流していて、それが各家庭にもあるらしく、貯めた排泄物は火の魔力を込めた魔石というものを使用した道具で加熱処理してから、海に流していると後に聞いた。
部屋数もトイレと風呂を除いて8つあり、敷金礼金0、月々5千アットでこの金持ちの別荘みたいな所に住める。
「それじゃあ決まりだな!」
と俺が言うとベルを鳴らした。
「お決まりでしょうか。」
「はい、ここにしようかと。」
「それではご契約の書類にサインを。何ヶ月契約にしますか?」
「とりあえず3ヶ月で。…はい、1万5千アットです。」
店員にペンを渡された後、俺はそう言い、サインすると店員にお金と一緒に渡した。
「分かりました。これで契約は完了です。こちらの3本の鍵は家の鍵です。紛失した場合、有料ではありますが複製致します。明日すぐに住まわれたいのでしたら、私共の方で今から掃除のサービスを100アットでご利用出来ますがなさいますか?」
と家の鍵を渡しながら店員が言ってきたので、俺は了承して、店員に金を渡した。
ウィーネリアとメアリーに鍵を渡して、店を出て宿に向かった。
友達にバレてハラハラですが性描写は自重しません




