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賠償

ドキドキする朝食を食べ終え、俺の体をよく見てみると、なんとあんなにロングテールスコーピオンに刺されたはずの傷が全て治っていた。


「たくさんの魔法使いさんがレン様に治癒魔法を使ってくれましたが、メアリーさんが治癒魔法を使うとほぼ完治したようで、意外と時間はかかりませんでした。それと依頼は成功だそうです。でもその報酬は今回の件でほとんど使い切ってしまったそうです。」


そうウィーネリアは言うと、俺に着替えを渡して、自身も服を着始めた。

ウィーネリアが着ているのは緑色のチャイナドレスのような服だった。



服を着替え終わった後、ウィーネリアの朝食の為に下に降りた。

すると、メアリーが元気無さそうに食堂のテーブルに座って果実水をゆっくり飲んでるのが見えた。

ウィーネリアにお金を渡して朝食を摂るように言うと、俺はメアリーの前に立った。



メアリーは俺に気づくと、涙をポロポロと零しながら、


「ごめんなさい…ごめんなさい…」


俺にすがり付いて来た。

流石に周知の目もあるので、

「俺とお茶しましょう。」


そう俺は言うと、メアリーの手を引っ張り宿を出た。


まだ少しすすり泣いているメアリーを冒険者ギルドの近くにある、たまたま見つけた喫茶店に連れていき、店員に個室と紅茶を頼み、個室に着くとメアリーを座らせ、俺も座った。



「レン君を危険な目に合わせてごめんなさい…もっと難易度の低い依頼をやっていたら…」


メアリーはそう呟くと、また泣き始めてしまった。


「大丈夫ですよ、そう簡単に俺は死にませんから。それよりその(くま)は大丈夫ですか?」


俺はそう言うと、メアリーの顔を覗きこんだ。

するとメアリーは目を逸らして、


「だ、大丈夫…」


と言った。


俺は、どうしたものか…と考えているとメアリーが、


「そういえば…レン君が目を醒ましてちゃんと歩けるようになったら、メイア様の元へ連れてくるよう、言われてたんだった…」


と言った。


「メイア様?誰?」


と知らない人の名前が出てきたのでメアリーに聞いた。


「私達マーメイド海賊団のキャプテンだよ…マントに人魚の刺繍があるのが特徴だよ…」


とメアリーは答えてくれた。


「えへへ…もう海賊団には…いられないなぁ…それどころか処刑、良くても奴隷落ちかな…」


メアリーはそう言うと力無く笑った。


何と言ったら良いか分からず、


「とりあえずメイアさんの元へ行ってみましょう。」


と言ってこの場を切り抜けることにした。


メアリーが首を縦に振る肯定の意思を示してくれたので、俺は代金を支払うとメアリーの手を取りメイアさんがいる港を目指した。





歩いて30分程すると、港が見えてきた。

5m~30m代の船が所狭しと停泊していた。


俺達は、海賊団っぽい黒い旗がなびいていて、ドクロマークの代わりに人魚のマークが描かれている船で一番大きい船へと向かった。



メアリーがいた事で俺達はすんなりと船長室へと案内された。


コンコンコン…


「誰だい?」


俺がノックをすると返ってきた声は、倒れて北東門に運ばれてきた時、俺に膝枕をしてくれた人の声だった。


「レンという者です。メアリーさんからこちらの方に来いと聞いたもので…メアリーさんと一緒に来m…」


そう俺が言い終わる前に、ガチャっと扉が開いた。



いかにも海賊のキャプテンだと分かる帽子、その帽子から見え隠れする瑠璃色の髪、黒いマント。多分この人がメイアという人なのだろう。



「やあ!もう歩けるようになったのか!よく来たね!さあ、お入り!」


そう言うと、俺とメアリーを快く出迎えてくれた。


「さあ、レン君、と言ったね…どうぞ座ってくれ。メアリー。お前は立っていなさい。」


と、メイアは俺を客用の椅子に座らせ、メアリーを俺の後ろに立たせた。




「さて、最初に…レン君、この度の事は本当に申し訳なかった。我が海賊団の幹部ともあろう者が油断によって君を危険な目に遭わせてしまったこと…言葉でお詫びしてもしきれない……きっちりと賠償をせねばならないと私も考えている…

まず、当たり前の事だが賠償金を払おう。これは金で解決しようという魂胆ではない。心からの謝罪の単なる単位でしかない、という事を覚えていてくれ。レン君の命に比べたら軽いものだがとっておいて欲しい。中身は5万アット(約500万円)だ。」


と小さな袋を俺の手にそっと置いた。


「そんな!こんなに悪いですよ!」


と、お金をメイアに返そうとすると、メイアは首を横に振った。


「良いんだ。言ったろう?『レン君の命に比べたら軽いものだ』と。

それに今回多額の賠償金を払うことで、我が海賊団でこれからそういう事件が無くなる、少なくなる事にも繋がるんだ。もう一度今回のような事が起こるよりは格段に良いんだよ。だから、受け取って欲しい。」


そうメイアは言うと俺の手に自身の手を置いた。


「それと『もう一つ』、レン君に決めて貰いたい要件があってね。」


そう言うとメアリーは船長室の奥にある椅子に座った。




「そこにいるメアリーを、処刑するか奴隷商に売るか…




レン君の奴隷にするか…





レン君はどうしたい?」

メイアは俺にそう問いかけた。

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