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生還

【主人公視点】




俺はロングテールスコーピオンを倒した後、すぐに街へ歩を進めた。今頃ウィーネリアは気が動転してるかもしれないなあ

「うぐぐ…!」


『瞬間高速移動』を二度も使った反動は凄まじい。

もし、地球の人が俺を見たらゾンビだと言うだろう。

そんな歩き方だった。


数十分歩き、森を抜けたところでオレは石につまづいて転んだ。

俺はすぐに渾身の力を振り絞って立ち上がり、またフラフラと歩き始めた。


(もう一度倒れたらもう起き上がれないな…)


そう思う程に体は限界を迎えていた。

例えるなら今の俺は、電気の供給を望めず、予備電源だけで動いているようなものだ。

流石に死にはしないだろうが、そのうちモンスターに肉を(つつ)かれる羽目になるだろう。

俺は死なないから生きたまま肉を食べられるのは御免だ。


そんな思いで歩いていたが、ついに限界が来た。段々と、行きに見た光景が見えてきたな、と思ったら膝が崩れ、顔面から地面に倒れた。口の周りに生暖かい液体が付いた。多分鼻血だろう。



(もういっそのこと寝よう…)



そう判断すると俺はゆっくり意識を闇に沈めようと目を瞑った。

意識が落ちる前に人のような声がしたと思ったが、あまりの眠たさに、俺は闇に飲まれるのを受け入れた。





「起きろ!おい!黒髪の兄ちゃん!せっかくここまで来たんだ、死ぬなよっ!」


俺はゆっくりと目を覚ました。

二人の男の人が俺の肩と足を持って走っている。

体がグラグラと揺れる。


「おおっ!目を覚ましたか!踏ん張れ!北東門まであと少しだ!」


俺の足を持っている方の男の人がそう言うと、


「おおっ!見えるか兄ちゃん!良かったな!北東門までマーメイド海賊団と魔法使いがお出迎えだ!」


俺の肩を持っている男の人がそう言った。



「…ありがとう、ございます…」俺がお礼を言うと、


「良いってことよ!困ったときはお互い様だ!俺が困ったときは助けてくれよな!」


「俺もな!」



と、二人はガハハと笑った。




北東門に着くと、沢山の人が待っていた。


「レンぐんっ!よがっだよ~いば(今)だすげるがらね!」と、メアリーが泣きながらそう言うと、他の魔法使いと一緒に治癒魔法を掛け始める。誰かに解毒薬らしきものが入ったガラス瓶を突っ込まれたり体を拭かれたりなすがままだ。


俺がふと左を見ると、海賊マントを羽織った女の人が、俺を運んでくれた人にお金を払っているのが見えた。


(誰だろう…)


俺がそう思っていると、その女の人が俺の方を見て、こちらを見ているのを確認すると、俺の方に歩いて来て俺の頭の方に座ると、なんと俺に膝枕をしてくれた。


「こんなに傷だらけでよく帰ってきたね…今はゆっくり休みな…」そう言うと俺の頭を撫でた。


俺はその声を聞くと、また意識を手放した。





俺が目を開けると、目に入ったのは潮風の波止場亭らしき部屋の天井だった。ロウソクに火が点いていて、外が真っ暗かつ人の声が聞こえない事からすると夜中だと推測出来る。


俺はなぜかあの言葉を思い出した。


「知らない天井だ…」


そう呟き、起き上がろうとしたが何か重しのようなものがあり、起き上がれない。

見ると重しの正体はウィーネリアだった。


ウィーネリアの顔をよく目を凝らして見てみると、目にクマがあり、目は、泣きすぎたのだろうか、少し腫れている。



「ウィーネリア…ウィーネリア…」


俺がそう言いながらウィーネリアの肩を揺すると、ウィーネリアはガバッと起きて、


「レ、レン様!? ……よ、良かった……レン様~!」


そう言うと、俺に抱きつき、キスをしてきた。



「んっ…ぷはっ…レン様…レン様…」

と今度は抱きついてくるのをあやしながら、


「あの後…どうなった?」


俺がそう聞くと、ウィーネリアはゆっくりと丁寧に教えてくれた。

二日も寝たきりだったというのには俺も驚いた。そして最後に、


「レン様…私がレン様をお守りすると言ったことを守れず申し訳ございません…」


と言ってきたので、


「流石に仕方のないことだったから気にすることはないよ…」


そう言ってウィーネリアの頭を撫でた。

そして寒いからと、俺のベッドにウィーネリアを招き入れ、そのまま朝を迎えた。



朝、俺が起きるとウィーネリアは既に起きていて、おはようの挨拶とキスを済ませると下に降りて朝食を持ってきた。


いつも厨房の奥にこもっている宿主兼料理人さんが気を効かせてくれて、長時間煮込んだシチューを作ってくれたようだ。

まあ、パンは地球と違って固めなのが一般的なので、シチューにでも浸して食べるしかないが。



俺がパンをシチューに浸し、食べると、そこまで浸っていなかったのか、弱った喉をすんなりと通らず、俺は盛大にむせてしまった。


それを見たウィーネリアは、


「私に良い案があります。」


と言うと俺からシチューとパンを取って一口ずつ口に入れた。


俺がもしやと思った時には遅かった。


ウィーネリアはガバッと俺にキスをし、ウィーネリアは舌を使って自身が咀嚼したものを俺に食べさせる、つまり口移しをした。


俺とウィーネリアはすぐに顔が真っ赤になったが、ウィーネリアは


「それじゃ、どんどんいきますね…!」


と言うと何度も何度も、パンとシチューがなくなるまで口移しを続けた。

口移しって、賛否両論あると思うんですけど、私は良いとおもいますっ!!


2/6加筆・修正

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