主人の真実①
【ウィーネリア視点】
受け付けの男の子に部屋を案内してもらいレン様と別れた後、一週間お世話になる部屋に入って一人きりになると、
「ふう…」
と一息つきました。
「神様にお祈りしないと…」
そう私は呟くと、ワンピースを脱いで裸になり、両膝をついて頭を垂れ、両手を胸にクロスさせるウィーリ教のお祈りをしました。(因みに下着を付けても大丈夫ですが、今の私にはありません。)
ともかく、このような落ち着いた状況でお祈りが出来たのは何時ぶりでしょうか…あの娘たちも良い人に拾われると良いけど……
お祈りを終え、もう寝ようと思った矢先、
「ンフフ…♪」
そう私の耳には聞こえました。この部屋の全方位から聞こえ、不気味でしたが、恐らく少女の声だと思われました。
「誰ですっ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・
窓の下を見たりドアの外を耳を付けて確認してみましたが特に何もありませんでした。…疲れているのでしょう…
コンコn
「誰ですかっ!」
「おわっ、れ、連だけど、どうした? いきなり大声だして…」
な、なんてこと! レン様に怒鳴ってしまいました…嗚呼、これで私も終わりでしょうか…と、とりあえず謝らないと!
「申し訳ございません! 何でもありません! お騒がせ致しました!」
そう私が言うと、
「そか、んじゃおやすみなさい。」
そう言って部屋に戻られてしまいました。嗚呼、ありがとうございます神様…レン様は無礼を見逃してくれたようです。
そのあと私はなんとか心を落ち着かせ、ベッドに倒れ込みました。
久々にベッドで寝られるという事に重ねて、疲れも溜まっており、私はすぐに意識を手放しました。
…気がつくと私は恐ろしい場所にいました。
1枚の石で出来た道路を様々な色の四角い箱が馬よりも速く走り、その道路の脇には紐でつながれた石塔が何本も立ち並び、上空ではとてつもなく大きい十字の物体が、鳥よりも高い高度で飛んでいます。
そして私の横を通り過ぎる黒や赤の箱を背負った子供達は、レン様以外に見たことがない黒髪でした。
(夢…ですか…)
そう結論づけていると、
「残念♪ これは現実だよ!」
と、後ろから少女の声がしたので振り返ってみると、私が信仰しているウィーリ様がお召しになっている服によく似たものを着ている少女が、ニコニコしながら立っていました。
「これが…現実…なのですか…?」
「そうだよー!」
「私は、い、田舎育ちですが人族の大都市の事は行商人からたくさん聞いたことがあります…でも、こんなもの聞いたことがありません…!」
私がそう言うと、少女はクスッと笑って、
「だってここそもそもジスパイルじゃないもん♪」
少女はとんでもない事を言いました。私が絶句していると、
「貴女の魂だけこっちに転送したんだよね。いやー疲れたよ~…それはともかく、ここ…何処だと思う?」
そんな問題を出され、答えを出せずにいると、
「ぶっぶー!時間切れ!答えは『チキュウ』でしたー!」
と言うと少女は得意顔をしました。
「それで…何故チキュウに連れてきたのですか?」
そう言うと、少女は、
「連君…貴女は『レン様』と呼んでいるね…その男の子の故郷を見せてあげようとあげようと思ったんだ~!」
「今何と!?」
「だから~連君の故郷をね~?」
「つまり、レン様は異世界の方…?」
「そだよー!連君の『今はまだ話せないこと』の一つになるかな~」
少女はさも普通かの如くスラスラと言うものですから、飲み込んでいくのが大変です…
「あ、来たね~ほら!あそこ見て!」
と、少女が指を指した方を見てみると、一人の小太りの男性が建物から出てきました。あれは…レン様…?
「んふふ…♪あの人はね?ジスパイルに来る前の『レン様』だよ♪」
少女の方を見ると、可愛らしい少女の口は…三日月を作っていました。
「連君は私にも詳しいことは教えてくれなかったけど、私も神の端くれ、なんだってお見通しだよー!物理的に♪どーお?連君の過去の話…聞きたくない?」
少女の提案に、私はごくりと喉を鳴らし、頷きました。
ロリな子の三日月のような笑みってなにかくるものがありませんか?
2/6修正・加筆しました




