貰いにきたぜい!
一言言えば、これはこれ。それはそれ。
初めに見て思ったことは、
「こいつは恐らく死神だ!」
長い黒髪、ロングのコート、漆黒グラサン、どでかい大鎌。
「お前の魂貰いにきた」
しゃれた服着てそれは何かのしゃれですか? それとも果てなき大ボケか?
「…………」
無音の玄関、無言のこいつ。
「なにしに来たって? もっかい言って」
耳に手を当て、あからさまな不格好ジェスチャー。
「お前の魂貰いにきた」
録音されてんのかその声は? そんなジェスチャー構わず大鎌振り上げ、俺へとロックオン。
「なめんなよ! 俺の魂あげるかよ!」
天に向かってのびる鎌、その時ちょうどピタッと止まった。
「お前の魂貰いにきた」
だから何なんだ! リピートか? いったいなんのリビドーだ!
「ふざけんな! てめえはいったいなんなんだ!」
振り落とされる鎌、場所はまるで見当違い。
「お前の魂貰いにきた…………人」
人じゃねえー!!
「まあ、どうでもいいが、俺の魂持ってく理由を聞かせてみろ」
「お前の魂賞味期限切れ……だから……さっ!」
さっ! てお前、全然格好よくねえよ!
シャープな顎に柔らかに添えられるその手には、錆一つない彼の大鎌からの鈍い光が一閃浮かび上がる。……だからどうした?
「とにかくてめえにゃあ、やらねえよ」
「じゃあ、私に下さい!」
いつからか、玄関の脇に一人金髪美女がおいでなさっていた。
「はあ? なんで見ず知らずの金髪に……あげます」
こうして俺の人生は幕を閉じた。
執筆途中の中にこれがあったんで……ね。*以前コメントと評価してくださった方々返信遅れてすいませんでした*