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ファン恋  作者:
1/1

プロローグ時々エピローグ

 いきなり頭痛がしたと思ったら、次の瞬間には自分は超能力者になっていて、これまたいきなり現れる悪役のなんとかって野郎を倒したのもつかの間、今度は正義の組織のお偉いさんが出てきて、一緒に戦おうなんて言ってくれたらいいのに。



 そんなことを思っていたのは小学校低学年までで、いつの間にか現実に埋もれて夢も見ないようになっていた。

 とにかく親の言うとおりにお勉強してれば、とりあえずはうまくいった。

 テストで百点をとれば、パパもママも頭を撫でて褒めてくれた。俺はそれが嬉しかったし、なにより親も嬉しそうだった。  運動も親の言うとおりになんでもした。サッカーも野球もバスケも何でもレギュラーだった。

 パパもママも褒めてくれた、でも悲しそうだった。

 小学校までは何でも出来ていた、でも小学校までだった。

 しばらくは悲しかった、勉強も運動も並みの成績の自分が恥ずかしかった。

 父さんも母さんも怒らなかった、でも悲しそうだった。

 いつの間にか友達が出来ていた、多分初めてできた友達だった。

 父さんと母さんが久しぶりに褒めてくれた、多分今までで一番嬉しそうだった。


 なんてちょっとした美談も存在せず、小学校は並みの成績で友達だって普通にいた。中学も並みの成績で友達だって普通にいた。

 特に可笑しな事件に巻き込まれるわけでもなく、普通に15年間生きてきたわけで、正直マンガやアニメ、小説なんかのファンタジーにカテゴライズされるものに関しては全くの興味なし。

 鼻で笑ってやる、そんなもん。


 恋愛なんてファンタジー以上にファンタジーで、女心なんてものは魔法以上に理解出来ない。

 中二辺りで興味を失ってしまってから、何故かモテた。あぁ…あれが非モテの力なんだなと今更ながら思うがそんなことはつくづくどうでもいい。

 夏休みが終わってしばらくすると、十人ぐらいに告白されたりしたもんだ。一人はメールで、一人は体育館裏とゆうベタなパターン、また一人はラブレターを下駄箱にとゆう王道もあったな。

 いや、まぁこの話しもさして重要なわけでもないだが。

 ある女のおかげで心に深い傷を負った俺は、なんとゆうか女の子が少しばかり苦手なわけで。

 まぁ、その心に深い傷のくだりはまたいつかしようじゃないか。


 とにかくだ、例えどんなに可愛い女の子に言い寄られようとこの首が縦に振られることはないと思うんだ。

 その逆もありえない。

 例えどんなに可愛い女の子が目の前に現れようと俺が心を奪われるわけがない。

 

 

 などと思っていたんだが、最近はどうも俺を迷わすイレギュラーがいたもんで。

 どうしたものか。


 もったいぶってもすぐわかるだろうから、先に言っておくがそいつは急にやってくる転校生だ。

 この世の不思議を集めてまわる団があったとしたら、真っ先にコンタクトをとりに来るであろう不思議な転校生だ。


 この物語が俺の苦手な恋愛ものになるかファンタジーになるか、どっちにしろ俺はこの物語を好きになれそうにないな。


 さて、そろそろ始めよう…そうだな、あの日の登校時からにしようか。


 俺が永瀬 雪に出会ったあの日から。

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