幕間~とある休み時間にて~
「なあ、真宮。お前冬休み何してたの?」
「あ? ああ、優成か。」
始業式が終わり、授業も始まったとある休み時間。
窓際の席でぼんやりしていた俺のところにやってきたのは、腐れ縁とも言えるこいつ、土岐 優成だった。
「なんか連絡つながらなかったからさ」
「え? ああ……AIと遊んでた」
「へぇ……」
優成は、興味深げに俺の前に座る。
「最近のAIすげえよな」
「そうだな」
「特に生成すごくね?」
「……そう思う」
まるで夢だったのではないかという、あの六日間を思い出す。
「でもさ、優成。生成も、あれ、あぶねえよ」
「え? ああ、確かに、気を付けないと危ないよな」
「だよなあ」
下手したら死んでた。何あの生成、ほんと危ない。
「著作権とか肖像権とかの問題もあるしさ」
「え? ああ、確かにな」
優成の言葉に頷く。
確かに、シャーユもイーダも、キサラやリューンだって、もしかしたら誰かの写真とかを元にアイリが合成したのかもしれないし。
「相原君」
そこへ、ツインテールに髪を結った女子生徒が俺に声を掛けてきた。
どこかで見た事ある顔だった。
「?」
誰だっけ?
「? じゃなくてさ! 今日当番一緒だよ?」
髪を揺らしながら俺を睨むように見ている。
なんか、どっかで見たことあるような気がして、思わずその顔をじっと見つめてしまっていた。
「ちょ、そんなに見ないで……忘れたの? 間宮 瑠香だよ」
「ああ、間宮さん。俺の名前と同じだね」
「それもう何回目かわかんない! とにかく、当番だから後で日誌もってきてね!」
彼女はちょっと乱暴に日誌を俺の机に置くとその場を去って行ってしまった。
「うーん」
「どうした?」
「どっかで会った事があるような気がするんだよな、間宮さん」
「……大丈夫か? 一応毎日会ってるはずだぞ」
それでも引っかかって考え込んでる俺は、今度は後ろからものすごい力で引っ張られた。
「まーみや、何考えこんでんの?」
椅子が斜めになって上を向くと、そこにはよく知った顔があった。
「奈菜美か。何か用か?」
小佐治 奈菜美、俺の幼馴染というか、優成と同じく腐れ縁みたいなもんだ。
「いや、特にないけど? また優成とAIの話してんの?」
「ないんかい。まあ、そうだな。お前も混ざる?」
「私、よくわかんないけど、混ざっていいの?」
「いいよ」
それから三人で、AIの話に華を咲かせる。
クラスのAI好きの奴らも集まってきて、大討論会になった。
皆の話を聞いてると、どう考えても、俺のAIだけおかしいような気がした。
*
『世界変数45――不安定
再構築――完了
キャスト――不足
世界生成――完了
世界変数68――安定
転送開始――』




