おそらく誰かの共感を得られると思う、投稿小説を読んでいて気になる設定~ただの重箱の隅をつついたような疑問だよ~
おそらく共感を得られると思う、距離(物理)設定の話し
まずこれ。
というか、さっきまで読んでいた投稿小説に出てきた内容で、過去にも飽きるほど見てきた。
なにかというと、主人公などが隠遁もしくは追放されて向かった先で腰を落ち着ける、牧歌的で平和なRPGでいう最初の村みたいな場所が、なぜかやたらと王都やびっくりするほど発展している主要都市にめっちゃ近い。
それこそ現代日本の舗装された道路を、車で(馬車じゃないよ)30分から1時間程度の距離しか移動していないぐらいの時間経過しか読み取れない。
例えば、「理由があって、王都で開催される夜会に正装してでなければいけなくなった」とか、「大けがや意識不明になって担ぎ込まれたのが、都会にある貴族の屋敷だった」、「魔王ないしはラスボスと称される存在に、近所に買い物に行くような小綺麗な格好でいきなり会いに行く」的なあれこれである。
主人公の居住地は、だいたいが魔物やモンスターが極端に少ないか、いたとしてもそこら辺の小動物程度のもので、その近辺に住んでる村人は自給自足の生活みたいな描写の村に住んでる設定が多い。
または王都か同レベルの都会在住なのに、出先の驚くほど文化的な差異がある場所からの日帰りてなんやねん。
田舎の村や山の中で大けがとか意識失う事故に合ってるのに、目が覚めたら都会の貴族宅で治療を受けてるとか、さっきまでどこにいたん?と突っ込みたくなること山のごとし。
大前提として、魔法などの不思議パワーによる転移や、空路を選べる竜や飛行艇などの乗り物はないものとする。
やっと帰ってきたとか○日かかったといった簡単な説明があれば、道程の描写ははぶいたんだなー、で納得できる。
しかし、だ。そうしたものは一切ない。むしろどう読んでも基本の移動は馬車か馬か徒歩。もしくは馬に近い何か。時速はたぶん通常の3倍とかはないはず。赤くてツノがつてる描写なんてどこにもなかった。
あったとしても、馬はもちろん軍事物資になりそうな貴重な騎獣は、騎士団や軍、高位貴族か英雄などしか持ってないはず。辺鄙な場所で生活してる村人が所持も維持もできるはずない。
現実世界ならフェラーリとかランボルギーニで考えたら想像しやすいと思う。お金さえあれば買えるけど、セキュリティがしっかりした駐車場、毎年ある車検(排気量多いからめっちゃ高い)、走らせるたびに目減りするハイオクガソリン(レギュラーは入れちゃダメなの)。維持するのに必要最低限でもこれほど費用が掛かるんですよ。ましてや車は生物じゃないから維持も簡単で、毎日走らせなければ餌代は実際の馬より安いまである。
じゃあ貴族でもない村人がそんなお金がかかる馬を所持できるか、というと個人所有はまずできない。農耕に必要で所持しているというなら、そのコミュニティの共同財産だと思われる。ただし農家さんがよく乗ってるような軽トラみたいな馬(実用性重視で速度はそこまで出ない)である。
すごい経歴を持つ主人公が何かしら特殊な財産を持っていて、ただの村人みたいに身をやつしていたとしても、そういったものを所持しているという描写は絶対に必要である。
対して、その縮地なみの移動をしたのが登場人物の誰かとしても、縮地を行える理由を読者に説明しなければいけない。
話は戻るが、そんな希少種がいる設定でもないし、空飛ぶ何かがあるわけでもない。古代ローマレベルで道路が石やローマンコンクリートっぽいなにかで舗装されてるわけでもない。
なのに辺鄙な田舎から設備の整った都会に意識をなくしている程度の時間で移動してしまったり、王都で行われた宴が終わって、即田舎の自宅へ帰宅できる。いや、ほんとなにその距離設定。
過去に読んだすごい設定は、国民の安全のために、学校で行うような避難訓練をサイレン一つで国全土で行うというトンデモ設定。
主要箇所に複数のサイレンを用意してるんじゃないの?と思うじゃろ?ところがどっこい、全国民が避難したのをみて、主人公と主要戦力が出陣するという描写があったのだ!節子、それ国ちゃう。村か自治体や。ちなみにバチカンみたいな国という描写もなかったぜ!
こちらもスナック感覚で読んでるので、ご都合主義にするなとか超絶リアルに設定しろなんて思ってない。
ただせっかく面白いのに、そういう単純な設定ミスで書き手さんの想像力のなさと知識の浅さを読み取ってしまうと途端に白けてしまう。
剣も魔法も竜も現実世界にはないけど、人間という生物がその世界で生活を営んでいる以上現実とほとんどが共通していると言っていい。
そこまで理解が及んだのなら、場所を移動するのにどれだけの時間が必要かわかるはず。自分が描く世界が大陸なのか、島国なのかでまたいろいろ変わってくる。
描きたいと思える世界があることは素晴らしいけど、もう少しだけ想像力を働かせてほんの少し知識を使って深堀して頂けるとありがたい。