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フレイヤ・スペンサーの秘密の加護〜借金返済のために王都に来たのに、探偵事務所に辿り着けません〜  作者: サトウアラレ
二章

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プレゼントは計画的に

「え?リンダさん?リンダさんですか!?」


私はぺたっと、鏡に張り付いた。鏡の向こうのリンダさんは『うわあ!』と言って驚き、その後、クスクス笑いながら『フレイヤー、顔がむにゅーっとなってるわよ!ふふふ!変な顔!!』と、ふわふわ浮かんで笑っていた。


『ふふ、フレイヤ、どうしたの?もう、新月を出たってどういう事?騎士様が来てフレイヤの荷物を持って行ったわよ?ロズ姉さんとも話をしてたみたいだけど。さっきオゥルソ兄さんが「よかった」って言ってたけど、ちょっと寂しそうだったわ。ここに戻ってこないの?私のお金、いらないの?』


「リンダさん、繋がって、よかった…。リンダさんに話したい事があるんです…」


『うん、ていうか、フレイヤ今、何処にいるの?あ、そう言えばなんで鏡に映ってんの?』


「フレイヤさん、この鏡にどれだけ私達が写っていられるか、分かりません。時間が無いかもしれません。お願いです。知恵を貸して下さい。私は今、第二騎士団詰所に保護されてしまって、外出出来なくなってしまったのです」


フレイヤさんは鏡をぺたぺた触るような仕草をしていたが、私の言葉に驚いた。


『フレイヤ、逮捕されちゃったの?』


「違います。保護です。私が助けを求めた騎士様に、新月の事、怪しい男の事を話したんです。そしたら危険だって言って、私を新月に戻れない様にされてしまったんです。悪い人では無いのですが、クソ真面目騎士と言うのを忘れてました。融通が利かないのです。ちょっと裏から手を回してとか、こそっとしようとか、内緒に動こうとか、思いつかないんですよ」


『だから言ったじゃない。騎士なんてそんなのばっかりよ。それに第二騎士団でしょう?フレイヤを守っても私達を守るはずないって』


「すみません。クソ真面目騎士は放って置きましょう。リンダさん。新月の皆さんにこの状況をどうしたら伝えられますか?危険が迫っているとつたえなければ。それに何か他に思い出した事はないですか?」


『ええ…。んー。冒険者を今から雇うのも無理よね。ロズ姉さん達に手紙で状況を説明するしかないわよね。あ、第二よね?そうだ。ジョルジョっていう騎士いない?眼鏡かけて、真面目そうで、黒髪の。内勤って言ってたわ。ジョルジョにオゥルソ兄さんに手紙を届けて貰えると思うわ。お駄賃はそうね、リンリンのキスって、あ、ダメか。私、死んでるんだった』


「え?リンダさん、第二騎士団に知り合いが?黒髪に眼鏡?もしかして、ジョルジョさんは廊下で仕事をしている方かもしれません。多分、私の見張りです。廊下に机を持って来て書類整理するって変ですよね?その人は黒髪眼鏡の人でしたし、クソ真面目ジェローム様とは肩に着けている印が違って、受付の人の印と同じ物を肩に付けていました。内勤の印かもしれません」


『よし。ジョルジョの可能性大ね。黒髪は珍しいもの。あー、どうしようかしら…。あ、リンリンのパンツなんて言ってみたらどう?私の部屋に置きっぱなしにあるのってそれくらいでしょ。キャンディって子に頼んで、私のクローゼットの上の棚の所のそこから好きなの取ってきて貰って、ジョルジョにあげるってのは?』


「え。黒髪眼鏡の真面目そうな騎士さんに下着を?多分いらないって言われますよ。私のお父様、私がセクシーランジェリー貰ったら燃やしちゃいましたし」


『え?なにそれ、気になるんだけど。セクシーランジェリーって高価な下着でしょう?フレイヤ、そんなの貰える相手がいるの?やるわね』


「いや、相手は蛙ですけどね」


『蛙?ああ、時間が無いのよね、とにかく。ジョルジョにあげれるもの、パンツしかないわよ。だってお金はフレイヤにあげるでしょ?多分ドレスとか化粧品はキャンディが取ってると思うのよね。アクセサリーも宿の子達で分けそうだし…。流石に下着は皆、手つかずだと思うからジョルジョにあげれる物っていったらそれくらいしかないんだけど。ダメ元で言ってみて。んー。あ、ジョルジョの色があるわ。黒のおパンツ』


リンダさんは楽しそうに、『うふふふ。ジョルジョ、きっと驚くけど、喜ぶわ』と言って笑っていた。


「ええ…。パンティーのプレゼントに嬉しそうにされても、ちょっと引くっていうか」


私はバンシー伯爵の顔が浮かびそうになって、口元が引くついてしまった。


『うんうん、よし、ジョルジョに、「リンリンの事でキャンディに手紙を届けて欲しい。リンリンは田舎に急に帰ってしまったけれど、ジョルジョにリンリンの思い出を受け取って欲しいから、キャンディに荷物を持って来て貰う。貴方の色の大切な物なの」って書いたらどう?』


「まあ、それなら…。何か分かりませんし…。でも、パンティーなんですよ?」


『きっと喜んでくれるわよ!なんてったって、私のおパンツよ!!お金だして皆買いたがるわよ!!』


「はは。なんだか元気になってきました。よかった。リンダさんと話せて」


『そう、そうよ。なんで話せるの?なんだか、急に体が軽くなって、それで、鏡が光ったの。そしたら鏡に違う景色が映っているから、不思議だなって思ってたの。で、じーっと見てたら、スルスルって光る糸が出てきてフレイヤが写るでしょ?もう、驚いて、死ぬかと思ったわよ、あ、私、死んでたわ』


「リンダさん、それ、幽霊ジョークですね」


『ふふ、可笑しい?』


リンダさんとはその後、話し合って手紙を作成し、もう一度扉を開けると真面目な黒髪眼鏡の騎士様がまたすぐにやって来て、ジョルジョ様に「新月のリンリンさんて方からの伝言を忘れていた。肉屋のヴィットンがキャンディさんの使いをしてくれるので、そこまで手紙を届けてくれないか。ジョルジョ様への贈り物もあると言っていた」と言うと、市場の肉屋迄なら、と言って、分厚い封筒を受け取り、別の騎士に何か告げると、その騎士が机に座り、ジョルジョさんは出かけていった。


「よし。あとは、待つだけだわ」


女神様、どうか皆を御守り下さい。


私は今日、何度か目の祈りを女神様に捧げ、新月の方の空を見ていた。



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