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第1話 婚約が決まったぞ

「ハーマリー、婚約が決まったぞ、相手は伯爵家の嫡男、レイフ殿だ」

 

 私の婚約を報告をするのはトラヴァン子爵家の父上。


 伯爵家と婚約する事は、貴族として名誉な事だ。


 父上も伯爵の相手と婚約される事で家格が跳ね上がる。

 

「凄いです、父上。私もレイフ様に早く会いたいです」

 

「うむ、くれぐれも失礼の無いようにな」

 

 チャンスは無駄にしてはいけない。


 レイフ様に好かれるように努めなくては。

 

「それではいつレイフ様に会えるのですか? 早くお会いしてみたいです」

 

「ああ、数日後にレイフ殿と会えるように都合を合わせている」

 

「分かりました」

 

 私はレイフ様と会えると聞いてから、待ちきれなかった。


 


 

 そして数日が経ち、私はレイフ様が会う約束の地に向かう。

 

 するとレイフ様の姿が目に映る。

 

「遅れてしまい申し訳ありません、私はトラヴァン子爵家のハーマリーと申します」

 

「お前がハーマリーか、俺は伯爵家のレイフだ」

 

 この方が私の婚約者となるレイフ様。

 

 レイフ様は少し目付きが悪いが、顔は整っている。

 

 だが冷たい目で私を見ており、顔は怒っているように見える。

 

 何か気に障る事をしてしまったのだろうか?


 それに態度が少し威圧的だ。


 だけど大丈夫だ、落ち着け。

 

 まだ失敗したわけではないのだ。


 何が悪かったのか、これから直していけばいいのだから。


 笑顔を振り撒けば、大抵の相手は基本好印象を持ってくれる。


 レイフ様も私の笑顔に心が動くかもしれない。


 そう思い私は笑顔を向ける。

 

 だがその笑顔がレイフ様の逆鱗に触れたようだ。

 

「その笑顔をやめろ」

 

「え……」

 

 凍りつくような声だった。


 レイフ様を怒らせてしまったようだ。

 

 なんと謝罪をすれば良いか考えていると、レイフ様は口を開く。

 

「俺はお前を愛さない、それと婚約の解消はしないからな。都合故、お前との婚約を受け入れたんだ。だから俺に愛を求めるなよ」

 

 私はレイフ様の言った事が理解できなかった。

 

 愛さないのに婚約した?


 なぜそうなってしまっているんだ。


 私はまだ何もしていないのに。

 

「理解しろハーマリー。愛してない相手に笑顔を見せられても意味がないんだよ、気持ちが冷めるだけだ」

 

「それはどういう……」

 

「黙れ、余計な事は言うな。もうこれで用は済んだ、じゃあな」

 

 そう言ってレイフ様は去っていってしまった。


 せっかく婚約になったのに、これはなんだのだ。

 

 私に一体何が足りなかったというのだ。


 私は何をしてしまったのだ。

 

 とりあえず私は帰宅して父上に報告をする。


 これは子爵家に影響する話だ。

 

「お父様に報告をしないと……」

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