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男子会議 え

堅谷「次は、え。だな。ひとまずこれまで通り、思いついたのあげていこうぜ」

友空「え。笑顔がステキだね」

池戸「お、いきなり良いのがきたぞ!」

堅谷「池戸、お前の合格ラインは低すぎだ。もっと合格点を高めにしろ」

池戸「そうか? 笑顔がステキだね。って言ったら次は、今晩君を夢に見そうだ。じゃね?」

堅谷「じゃね? じゃねえひくわ」

友空「夢に見るのはちょっと、ありえない」

池戸「凄い厳しい意見をもらった気がする」

堅谷「エスコートいたします、お姫様? わどうだ?」

友空「いいんじゃない?」

池戸「女の子をお姫様なんて呼んじゃったら、二人のテンション爆上がりだよ!」

堅谷「池戸に言われると自信がなくなってくるな。けど、二人共良い反応だな」

友空「あえて疑問に思うなら、エスコートがキュンなのかどうか、だと思う」

池戸「キュンキュンワードでいいんじゃない? 基本男しか使えないワードなわけだし、高ポイントだと思うよ?」

堅谷「総合評価で見ると、ワード的には全部キュンワードなのか」

友空「だとしたら、確定?」

池戸「ひとまず、皆で言ってみて、決めようか。エスコートいたします、お姫様」

友空「エスコートいたします、お姫様」

堅谷「エスコートいたします、お姫様。お姫様は、最後尻上がりに言わなくてもいいのか?」

池戸「なるほど。お姫様。ああそっちの方が良いんじゃない? とにかく賛成!」

友空「俺も、良いと思う」

堅谷「じゃあ、決まりだな」

 エスコートいたします、お姫様?

 キュンキュンセリフに決定!

池戸「凄い早く決まったな。これならもう1つくらい、えで考えつくかも」

堅谷「えー? 考えつくかあ?」

友空「永遠に君を、愛したい」

池戸「おーいいじゃん。やっぱり思いつくじゃん!」

堅谷「けどそれ、似たようなセリフ先に考えたよな。かぶったようなセリフいっぱい出してもいいのか?」

友空「ああ、愛し合おう。永遠に。かあ」

池戸「あー。どうだろう。たぶんまずいかな」

友空「じゃあ、永遠に愛を注ぐ。言ってみたけど、なしかな」

池戸「俺はそれも良いと思ったけど。くう、俺にもそういうセリフを考えられるような頭があれば!」

堅谷「本当、それがお前にあれば俺はもっと楽できるんだがな。とにかく、永遠も愛も前に使った言葉だし、これはボツなんじゃねえか?」

友空「なるほど」

池戸「ええ、でも今永遠を捨てるのはもったいない気がする。永遠に作ろう。俺と君とのストーリーを!」

堅谷「はいはい、次考えるぞ」

池戸「はい」

友空「永遠がダメなら、映画、とか?」

池戸「映画かあ。映画みたいな恋をしよう」

堅谷「ダメ、じゃあ、ねえか。でも、感覚的にキュンって感じはしねえと思うぞ?」

友空「俺も。良い言葉だとは思う。けれどそこどまりかもしれない」

池戸「二人共きびしいなあ。じゃあ、映画になるくらい、ステキに暮らそう。わ?」

堅谷「却下だ。たぶんもう、映画からも離れた方が良いな」

友空「映画、映画。うん。そうだね。それじゃあ、絵になる美しさ。それが君の美貌だ」

池戸「良いよ、それ凄く良い!」

堅谷「だからお前は褒めすぎだ。うーんまあ、良いとは思うが、やはりキュンキュンセリフに決める程か? って感じはするな」

池戸「なんで、いいじゃん。絵になる、美しい、美貌。パーフェクトなワードがそろってるよ!」

友空「そこまで言われると、自信なくなってくる」

池戸「なんで!」

堅谷「言ってみりゃあ、月並みなんだよ。美しい、きれいって言われ慣れてる女だっているだろ。場数を踏ん出る女はきっとこの程度じゃ満足しねえ」

池戸「場数踏み慣れてる美女が言われる程のセリフなら、これで良いじゃん!」

堅谷「美辞麗句とキュンキュンセリフは違うだろ。たぶん。とにかく、えで始まるキュンキュンセリフはもう1つ決まってるんだし、そう慌てて決めなくてもいいだろ」

池戸「よし、わかった。じゃあ、次のキュンキュンセリフを探そう。え、えー。縁起が良い今日デートしよう!」

堅谷「お前のはいつもいつもムードが無いな」

友空「縁起とか、絶対言わない」

池戸「そうかー。まあ今のは、自分でもちょっとどうかと思う」

堅谷「じゃあ自分で止めろよ」

友空「永遠に君と一緒にいられたら、凄くうれしい」

 数秒後。

堅谷「あ、ああ。突然だったが、良いんじゃねえか?」

友空「良かったのなら、良かった」

池戸「なんかさあ、例えば偶然、妹が知らない男と歩いてたとするじゃん?」

堅谷「池戸には妹がいるのか」

池戸「いや、想像上の妹」

堅谷「やめろ。きもいわ」

池戸「だから、想像上の妹だよ。その妹が、目の前で男に、永遠に君と一緒にいられたら、凄くうれしい。って言われたとする」

友空「うん」

池戸「そしたら俺、その男のこと許せると思う」

堅谷「はあー? あー、はあ?」

友空「言いたいことは、なんとなくわかった」

池戸「ひょっとしたら、これがキュンってこと?」

堅谷「たぶん、違うんじゃねえか?」

友空「なるほど。つまり、目の前にいた男女の発言に心を動かされて、許せる。くらい思ったら、その感情の正体がキュンだということ?」

堅谷「悪い友空。もっと、何が言いたいのかわかりやすく言ってくれ。頼む」

友空「眼の前で告白している男女がいたら、告白してるんだなってわかる。ということは、目の前でキュンキュンセリフを言っている男がいたら、ああ、あいつは今キュンキュンセリフを言ってるんだなって感覚でわかる。池戸が言いたいのは、きっとそういうこと」

池戸「うん。そういうこと!」

堅谷「つまり、俺たちでもキュンキュンセリフが理解できるっていう話か?」

池戸「イグザクトリー。堅谷、友空。今から俺たちは、心の中に妹をもとう。その心の中の妹が、あ、こいつ今キュンしたな。って思ったら、それはまず間違いなくキュンキュンセリフだ」

堅谷「嫌だよ普通にありえねえわ」

友空「じゃあ、妹じゃなければいい。姉でも、母でも、友達でも」

堅谷「お前、姉母友人を一緒のくくりにいれんのやめろ」

友空「じゃあ、母を思い浮かべればいい」

堅谷「よくねえよ! 一番ありえねえ対象じゃねえか!」

池戸「まあまあ堅谷、もっと柔軟にいこう。今、二人の胸の中にいる幼馴染みの女の子に、俺が声をかけるぞ。永遠に君と一緒にいられたら、凄くうれしい」

 数秒後。

池戸「どう、どうどう?」

堅谷「うぜえけど。うん、まあ。たぶん幼馴染みは、悪く無さそうな顔するんじゃねえか、っつうか、なんで幼馴染み?」

池戸「それが一番想像しやすいと思って」

友空「あの幼馴染みが照れるとか、想像できない」

池戸「じゃあ友空は、姉か妹ってことで。ほら、次は堅谷の番。試しに言ってみて!」

堅谷「あ、ああ。永遠に君と一緒にいられたら、凄くうれしい」

友空「きっとそう言われた後の妹は、簡単にコロッと騙されて盲目になってる気がする」

池戸「おっ、友空もそう思う? けど騙されてはいないぞ。なんてったって、本気のキュンキュンセリフだからな!」

堅谷「そ、そうか。いや、そうか? 女っていうのは本当にただそんな一言だけでコロッといくか?」

池戸「それじゃあ次、友空いってみよう!」

友空「うん。永遠に君と一緒にいられたら、凄くうれしい」

池戸「良いと思う!」

堅谷「うん、まあ。文句はないな」

友空「それじゃあ、このセリフもキュンキュンセリフということで」

池戸「ああ。永遠に君と一緒にいられたら、凄くうれしい。キュンキュンセリフに決定だ!」

 永遠に君と一緒にいられたら、凄くうれしい。

 キュンキュンセリフに決定!


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