Code:Consequences
次の日、1週間の有給を申請した村田は、ようやく自分が望む生活を手に入れることができると思い、高鳴る胸の鼓動を抑えられなかった。
最初に手をつけたのは自宅だった。平凡なアパートに住んでいた村田は、その力を使って、部屋を豪邸に変えた。豪華なインテリアが飾られ、床は大理石にした。
その中で気が付いたのは、素材を変えることは比較的簡単にできるが、複雑なインテリアを1から作ろうとするには複雑なプログラムをしなければいけず、今の自分には難しいということだった。
次に手をつけたのは、自分の外見だった。かねてから変えたかった体型を、あっという間に理想的なものに変えることができた。鏡を見るたびに、自分が変わったことに驚いていた。
そして、高級車を見に行くことにした。
最高級車を見せてもらうように言うと、店員は怪訝そうな顔でこちらを見ていたが、気にせず案内してもらった。
自分にだけ見ることのできるコードをコピーしすぐに退店した。
人気のないところに向かい、コピーしたコードを基に貼り付けを行うと、先程まで見ていたものと同じ高級車を再現することができた。
村田は、自分がやり遂げたことに驚きと感動を覚え、今後の計画を練るために、一度帰宅することにした。
しかし、その楽しさは長続きしなかった。銀行口座の残高を確認するためにATMに行くと、カードが通らなかった。村田はATMから現金を引き出すことができず、能力の行使がばれてしまったと恐怖に陥った。彼は銀行に電話をし、口座の状態を確認しようとしたが、銀行側からは口座が凍結されているとだけ告げられた。村田は混乱し、何が起こったのか理解できなかった。
数日後、村田の家には警察がやってきて連行されてしまった。