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ブルーノに攻撃されました

画面の中では圧倒的にユリア様が強かった。更に魔術師団長とガーブリエル様が出てこられた段階で、勝負は完全についていた。


でも、スカンディーナはどういうつもりなのだろう?


この前の母の誘拐を謝っておきながら、またすぐに誘拐するなど、常識で考えても許されるものではないだろう。


私にはよく判らなかった。




事件が落着して、私は食堂から寮の部屋にエルダらと一緒に帰ろうとした。


既に外は真っ暗になっていた。空はどんよりと曇っていて真っ暗だった。


「なんか、幽霊の出そうな天気ね」

エルダの声が少し震えていた。


「今時、幽霊なんているわけないわよ。エルダって怖がりなの?」

エルダの少し怯えた声に私がからかった。


でも、そこにピカッと光ったのだ。

「キャッ」

エルダが私に抱きついてきた。


近くに稲妻が雷が落ちた。

ドンガラガッシャーン


凄まじい音がする。


そして、雨がポツポツと降ってきた。


それはあっという間にざあーーーーと大雨になったのだ。



「降ってきたわね」

私がエルダを見て言う。

エルダは私にしがみついたままだ。エルダは怖いのは苦手らしい。

まあ、私も幽霊とかは嫌いというかどちらかというと苦手だが、エルダほどではないと思う。


でも、その私達の前に、ぬっと、ずぶ濡れの人影が2人現れたのだ。女生徒と思しき人影と黒ずくめの男が現れたのだ。


「ギャッ、ゆ、幽霊よ」

エルダが叫んで思わず腰を抜かしていた。


私は女生徒をみた。

「カリーネ様」

そう、その女生徒は私の領地のカリーネ様だった。

でも、目がなんか虚ろだ。


「ブルーノ様。彼女がアンです」

虚ろな瞳のカリーネ様が隣の黒ずくめに言ったのだ。


今、ぶ、ブルーノって言った?


私の頭は一瞬でシャキッとした。


スカンディーナ王国の摂政で、私の両親の仇だ。


それが何故ここにいる?


それもカリーナ様を連れて。


私は訳が判らなくなった。


でも、一つだけわかっていることがあった。


彼がここにいる目的は私だということが。


ひょっとして大使館であったのは、陽動で、こちらが本命か。


私では絶対にスカンディーナの大魔術師には勝てないということは判っていた。



「その方がアンネローゼか」

ブルーノは私を一瞥した。


「アンネとは似ていないのだな」

それがどうしたと言いたかった。いや、皆にはよく間違われるんですけど、と思わず言いそうになった。そんな事はどうでもいいのに。


「水よ出でよ!」

私が呆然としている間に、我に返ったエルダが水魔術を放出していたのだ。


「アン、逃げて」

エルダの悲鳴が響く


その言葉に私は思わず後ろに向けて駆け出していた。


「ぎゃっ」

弾き飛ばされるエルダが見えた。


でも、命に別状はないみたいだ。



私は走りに走った。しかし、すぐにブルーノは追いついてきた。


絶対絶命のその私の前にルンド先生が現れたのだ。


「アン、どうしたのです」

「ブルーノです。ブルーノが現れたのです」

「ぶ、ブルーノが」

ルンド先生はきっとして私の後ろを見ると私を庇って立った。


「アンさん。ここは私に任せて逃げなさい」

「先生こそ逃げてください」

私は驚いて言った。先生は戦闘要員でも何でも無い。私を守って立つ必要なんて無いはず。


「何を言っているのです。アンネローゼ様。ここは私にお任せください」

ルンド先生はそう言いきった。


えっ、ルンド先生はスカンディーナ出身だったっけ? そんな経歴を聞いたような気がした。


「ウインドカッター」

先生は風魔術を巻き起こしてブルーノに直撃させていた。


しかし、ブルーノは障壁で防ぐ。


そして、今度は手をルンド先生に一閃した。


衝撃波が先生を襲いかかる。先生は衝撃波で、吹き飛んでいた。


「もう許さない」

私はそれを見て切れていた。もう敵わなくてもやるしかない。逃げても逃げ切れるものではなかった。

そして、全ての魔力を手に集めた。私の一番早く発動する魔術を使うことにしたのだ。


「ウィンドウストーム」

私の手から凄まじい突風がブルーノに襲いかかったのだ。

王宮でこれをやって既の所で魔術の塔を倒すところだった。この魔術、普通の人間なら1000人くらい弾き飛ばせるものだった。


でも、ブルーノは普通の人間ではなかったのだ。


突風はブルーノの手前で反射したのだ。


そして、突風が私に叩きつけられたのだ。


私は悲鳴を上げる間もなく、瞬時に吹き飛ばされたのだ。


絶体絶命のアン。続きは明朝更新予定です。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この続きの物語

はこちら

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ついにブルーノとの決戦です。

私の

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「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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