表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/174

王妃の言葉に絶望して友人の胸の中で泣きました

私は王妃様の言葉に呆然自失していたところを、女官長によって強引に王妃様の部屋から叩き出されてしまったのだった。


そんな! せっかく憧れのフィル様とお話できるようになったのに・・・・。全く話してはいけないなんて!


それは、私もフィル様と話せるのは学園の間だけだと思っていた。でもいきなり、もう二度と話すなと言われるなんて!


それもフィル様も納得しているなんて・・・・そんな・・・・


私は目から期せずして、涙がこぼれ落ちた。


フィル様と話してはいけない理由が、赤の他人のアンネローゼ様に似ているからだなんて・・・・私は初めてアンネローゼ様が憎くなった。


「あなた、大丈夫? 本当に酷い王妃よね!」

「えっ」

私は隣の侍女さんに言われて驚いた。この侍女さん、王妃様のことを呼び捨てにしているんだけど・・・・


「余程言い返してやろうかと思ったけれど、あんまり問題を起こすなって、父からは言われていて、ごめんなさいね!」

侍女さんが雇い主の王妃様の悪口を言うなんて、それも呼び捨てなんて、どうなっているんだろう? でも、この侍女さんの父が命じたということは高位貴族のご令嬢なんだろうか?


「さあ、こんなむかつく王宮なんてさっさと出ましょう!」

侍女さんが私を引っ張って歩きだした。


私は、私の意思に関係なく侍女さんによって強引に馬車溜まりに連れていかれた。


「アン!大丈夫だったの!」

そこに丁度馬車が着いて、エルダが飛び出してきた。


「エルダ!」

私はエルダの胸に飛び込んだ。


「あなたが襲われたと聞いて本当に驚いたわ!」

エルダは私を抱き締めてくれた。


「ああん! エルダ! 王妃様に二度とフィル様に話しかけるなって言われたの!」

私はエルダの胸で思いっきり泣いた。


「な、なんですって! それは襲われてショックを受けているあなたに言う言葉なの!」

嬉しいことにエルダが切れてくれた!


「本当よね。しかも、それをフィルも承知しているみたいよ」

侍女さんが頷くんだけど、フィル様を呼び捨てにしているんだけど、どういうことだろう?


「クリスティーン様!」

驚いてエルダが声をあげた。


「クリスティーン様?」

私が二人を見比べる。


「クリスティーン様は、カールソン公爵家のご令嬢よ。私達よりも3っつ上の」

「こ、公爵家のご令嬢だったのですか?」

私は驚いた。


「何驚いているのよ。それ言うならエルダもでしょ! 私も呼び捨てで呼んでほしいわ! 最後がeのアン!」

にこやかに笑ってクリスティーン様が言うけれどそんな事が出きるわけない。


「申し訳ありません! 公爵家のご令嬢だとは知らずに食事まで準備して頂いて」

私が恐縮して言うと、


「それは仕事だもの。気にする必要はないわ」

「ええええ!泣く子も黙るクリスティーン様が侍女になられたのですか?」

エルダが驚いている。


「エルダ! 泣く子も黙るって何よ!その言い方」

ムッとしてクリスティーン様が睨む。


「ヒィィィ」

あの誰をも恐れないエルダが恐れている。私には信じられなかった。


「ちょっと、それ、恐れすぎじゃ無い? 侍女になったのは、父に、侍女になってフィルを引っ掛けて来いって言われたからよ!」

引っ掛けて来いなんて言葉を公爵が使うんだ! 私は思わず思ってしまった。


「ええええ! クリスティーン様が王太子を狙って侍女なんてされてるのですか?」

「だって仕方が無いじゃない。そうしないとスカンディーナの王子と婚約しろなんて言うのよ。そんなの絶対に嫌よ!」

「ああ、あの気持ち悪い王子でしょ。私にも打診がありました」

エルダにも打診があったんだ。と私は全く他人事だった。


「でも安心してね! アン! 私は絶対にあんたの味方だからね!」

クリスティーン様が私に言われた。なぜこのタイミングで私なのか私は判らなかった。


「亡国の王女と王太子の愛! 絶対に応援するから!」

「えっ、いや、だから私はアンネローゼ様ではありませんから!」

私が否定するが、


「まあ、フィルの相手が、末尾がeの平民のアンでも良いわ。いざとなったら私が後ろ楯になるからね! ここはどーんと大船に乗ったつもりで、頑張ってね」

そう言うとクリスティーン様は来た道を帰って行こうとした。


「どちらに行かれるのですか?」

「フィルを張り倒しに行くのよ! 王太子がスカンディーナの脅しなんかに屈して、アンに対して、母親から酷いことを言わすなんて、絶対に許せないわ」

そう言うクリスティーン様がとても怖いんだけど。


王妃様の言葉にショックを受けた私は、エルダに連れられて寮に帰ったのだった。


その後フィル様がどうなったか私はしらなかった・・・・


公爵令嬢クリスティーンの登場です。全生徒会長でイェルドもクリストフもその姿を見ただけで逃げ去るとか・・・・

王太子がどうなったかはまた明日更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この続きの物語

はこちら

『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした! 勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』

https://ncode.syosetu.com/n3105hy/

ついにブルーノとの決戦です。

私の

新作始めました!


『ヒロインに転生したのに悪役令嬢の侍女やらされています!神様から授かったチート能力はド派手な衣装の魔法少女にならないと使えませんでした』

https://ncode.syosetu.com/n2856ii/
前世気弱で流され体質で言われるまま仕事していたら過労死してしまったアラサーのヒロインが、中学の頃いじめから助けてもらった悪役令嬢の下で侍女をする学園恋愛物語のはず……

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ