破落戸共をミニアンちゃんがやっつけてくれました
ええええ! 私は固まってしまった。こんないかつい奴らに囲まれるのは生まれて初めてだった。
か弱い私に何しようとするの?
私はパニックになった。
「ふふふ、姉ちゃん。可愛い顔しているじゃないか。俺たちと楽しいことをしようぜ」
「あ、あなただぢとた、ただのしいことをするつもりはありませんわ」
私は盛大に噛んでいた。
「何言っているか聞こえないぜ。赤毛の姉ちゃん」
前の男が笑って近づいてきた。
もう、絶体絶命だ。
私は本当にパニックになっていたのだ。冷静ならば、フラッシュの一発で、こいつらの目を見えなくして逃げれば良かったのだ。
それを何トチ狂ったのか
「出でよ、人形」
とミニアンちゃんを出してしまったのだった。本当に馬鹿だった。ガーブリエル様が人形の背を高くしろと言っていたからそれが頭の中に残っていたのだと思う。
「どんなでかい人形が出てくるかと思いきや」
「な、何だこの小さい人形は」
「こんなので本当に俺たちに勝つつもりなのか?」
男たちは大笑いした。
ふんっ、なんとでも言え。ミニアンちゃんは無敵なのだ。
「とりゃーーー」
叫ばなくてもいいのに、私は叫んでキックを男に放っていた。いや、蹴ったのはミニあんちゃんだったが、それも初動はめちゃくちゃ遅いのだ。
「ね、姉ちゃんが声出しても仕方がないだろうが」
ドッと男たちが笑ってくれた。
しかし、蹴りのスピードが遅い。ジャンプは散々やったから少しは早くなったのだが、そう言えばキックなんてバスケットのゲームでもやったこと無かった。私は馬鹿だった。
「な、何だこの人形の遅い動きは」
男の一人がミニアンちゃんの出てくる足の前に顔を突き出したのだ。
こいつは絶対に馬鹿だ。馬鹿の私にバカにされたら終わりだと思うけど。本当に馬鹿だ。
「こんなゆっくりで蹴られても全く問題ないぜ」
馬鹿な男は笑って言った。
その突き出した顔をゆっくりとミニアンちゃんのキックが見舞う。
「ギャッ!」
男は触れるかどうかのミニアンちゃんのキックで一瞬にして蹴り飛ばされていた。油断していたのもあると思うけど、一撃だった。後ろに並んでいた男たち4人を巻き添えにして後ろの壁に激突する。
「この女あああ、何しやがる」
いかつい男が後ろから私に掴みかかってきた。そして、私の胸にもろに触れたのだ。
私の無い胸に。未だ男に触れられたこともないこの胸に・・・・
私は完全にプッツンキレた。
「どこ触っているのよ!」
私は男に思いっきり肘鉄を食らわせていた。
多少魔術も発動していたのだと思う。
「グォーーーー」
悲鳴を上げた男は後ろの家の窓ガラスを突き破って家の中に飛んでいった。
しかし、残りの4人の男が刃物を取り出したのだ。
これはやばい。お貴族様なら護身術等で多少の刃物の取り扱いの経験もあると思うけど、私はやったことがない。
男たちは刃物をかざして私を取り囲もうとした。
「げっ」
ヤバイ! もう私は更にパニックになっていた。
もう、やれることをやるしかない!
「出でよ、火の玉!」
本当に消えそうな火の玉が出た。
あああん!
遅い
全然遅い!
こんなんじゃ間に合わない。
「おいおい!こんな消えそうな火で俺たちをやっつけるつもりかよ!」
「本当だぜ。こんなとろい火の玉に当たるわけないだろう!」
男達がバカにする。男達が馬鹿で良かった!
その炎はポヨンポヨンポヨンと男達に向かって飛んでいく。男達は余裕でかわした。
私はその前にミニアンちゃんの前にいる男を蹴飛ばさした。今度は男達も避けてくれた。
「えっ」
私はがっかりした。
「ホラホラ姉ちゃんどうした?」
男達は余裕で私に近付いてきた。
「やられた奴らの分までじっくりと可愛がってやるぜ!」
男は舌なめずりをして近づいてきた。
いやーーー、私は大声で叫びたかった。
しかし、その前にやることがある。
私はその場にしゃがみこんだ。
「今頃謝っても遅いんだよ!」
男が笑って勘違いした時だ。後ろの壁に火の玉がぶつかったのだ。
ピカッ
ドッカーン
凄まじい爆発が起こった。
その爆発で男達は弾き飛ばされたのだった。
その後は私以外立っている男達はいなかった。
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