表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/174

聖女視点4 赤毛を二度と太陽の下に笑って立てないようにしてやると決めました

な、何て事なの!あの赤毛と私の王太子が抱き合っている!

私は今日程、赤毛を許せないと思ったことはなかった。



ゲームは最初は私の思い通りだったのだ。


土魔術の使い手が多いB組は元々有利なのだ。火魔術とか風魔術とか水魔術とかの攻撃系が強いものはA組に多く配属されていた。どうしても地味な印象のある土魔術はこのB組に多くなっていた。それにこのクラスは子爵男爵の下位貴族と商会の娘とか金持ち子弟が大半だ。高位貴族を叩き潰す、という目標を明確にして私たちは練習に励んできた。ゲームに出場出来る人形は全部で6体。土人形の使い手も6人いた。その使い手に私の得意なヒールをこまめにかければ、疲れ知らずで、最強だ。


いくらA組の魔力量が多いからと言って、A組にはヒールをかけられる者がいないから、絶対に我がB組のほうが優位なのだ。


A組は1試合をやはり一人では戦い続けられないのか、前半は補欠組が出てきた。我がB組の精鋭に対抗するのは、補欠じゃ出来るわけ無いじゃん。我がクラスを舐めている。

私は皆に徹底的に叩き潰せと指示した。


唯一の心配は、小賢しい赤毛のミニ人形だが、避けるように皆には指示したんのだ。


最初は上手く行った。ファールをさせようと近づいてきたミニ人形に、逆にファールをさせて、1点を先行させた。前半は20対6と圧倒した。


でも、後半からだ。敵はフルメンバーを出してきて、こちらと互角になった。そこに赤毛が活躍しだしたのだ。フリーになるとシュートをする。ガードを付けてもそれを振り切ってシュートをする。何なのだ! 踏み潰そうと思えば踏みつぶせるのに、踏みつぶせないなんて。

ガキ人形は赤毛の女と同じだ。


ヒロインの私の前に出てきて、私と王太子の仲を邪魔しやがって、なんてやつだ。

ヒロイン様の前なのに、何故、弾き飛ばせない? モブですらない平民の赤毛を何故?


私には訳が判らなかった。


そして、ゲームは赤毛のせいで負けて、あろうことか赤毛は私の一押しの王太子と抱き合って喜びやがったのだ。


もう絶対に許せなかった。赤毛だけは許せない。


こうなったらもう奥の手だ。


何としてもあの赤毛を潰す!



荒くれ者たちに襲わせて二度と学園に通えないような体にしてやろうか。


そう思って赤毛を睨みつけていた矢先だ。


「何か、お怒りのようですな聖女様」

私の横に、偶に挨拶に来るベントソン商会の会長が擦り寄ってきたのだ。こいつはクラスメートのカール・ベントソンの父親だ。隣国スカンディーナ王国とも取引が多い商会だと聞いたことがある。


「あの赤毛がお気に召しませんか」

「別にそう言うことはないけれど」

私は適当に誤魔化した。


「左様でございますか? でも、その様に強く握られますと、爪の跡が付くのではないですか」

会長の指摘に私は知らないうちに拳を力の限り握りしめていたのに気付いた。


「聖女様の御心を惑わすとは、あの赤毛も天罰を怖れぬ不届き者ですな」

そう言うと会長は笑った。


「なんでしたら私が少し言い聞かせましょうか」

会長は笑って言ってくれた。


「まあ、会長のお手を煩わすような事ではありませんわ」

私は取り敢えず笑ってみせた。


「そうも、言ってられないのでは。殿下は見るところあの赤毛に首ったけのように見えますが」

「ふんっ、所詮下賤の者、殿下にはふさわしくありませんわ」

私は余裕があるように話した。


「左様でございますな。確かに。しかし、あの赤毛、授業では殿下の隣の席だとか、食事まで隣の席で食べていると聞きましたぞ。殿下の寵愛も深いとか」

私はそう聞いて奥歯をギリッと噛み締めた。


「それで宜しいのですか?」

会長は悪魔の笑みで私を見てきた。


「なあに、少しあの赤毛にお話するだけですよ。身分差の違いをじっくりとね」

「少しくらいだと困るんだけど。じっくりと言い聞かせてくれないと」

「宜しいのですか?」

私の声に会長は驚いたように聞いた来た。

おい、お前が言ってきたんだよな! と私は言いたくなった。そう、あの赤毛だけは許せない。できれば私の目の前で、泣き叫ぶ赤毛の様をじっくりと見ていたい気分だ!


「まあ、後は会長のあなたにおまかせしますわ」

そう、こいつに任せれば二度と赤毛は学園に帰ってこれないような体にしてくれるはずだ。

私は笑みを浮かべて会長と話しを詰めることにしたのだ。


聖女と隣国と繋がりの深い商人が手を組んで、アンを狙います。

絶体絶命のアン!

明朝更新予定です。


続きが気になる方はブックマーク、評価頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この続きの物語

はこちら

『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした! 勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』

https://ncode.syosetu.com/n3105hy/

ついにブルーノとの決戦です。

私の

新作始めました!


『ヒロインに転生したのに悪役令嬢の侍女やらされています!神様から授かったチート能力はド派手な衣装の魔法少女にならないと使えませんでした』

https://ncode.syosetu.com/n2856ii/
前世気弱で流され体質で言われるまま仕事していたら過労死してしまったアラサーのヒロインが、中学の頃いじめから助けてもらった悪役令嬢の下で侍女をする学園恋愛物語のはず……

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
これはひょっとしたらベントソン商会消え去るのがお望みか?
[一言] 商会長vs最終兵器娘…………レディ~……ファイ❗
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ