絶体絶命のピンチにミニアンちゃんが助けてくれました
転移した先の館は血まみれだった。
動かない騎士達がいたるところに転がっていた。
「は、伯爵様」
優しかった伯爵も血だるまになって倒れていた。
そして、中央の領主の席には見たくもない男が座っていた。
「ブルーノ!」
ガーブリエル様が低く唸られた。
「これはこれはガーブリエル様。お久しぶりですな」
席に座ったブルーノは尊大に構えて足を組んでいた。いかにもバカにした態度で私たちを見下してくる。
「貴様、良くもアンネを」
ガーブリエル様は渾身の力を込めて爆裂魔術をブルーノに叩きつけた。
しかし、それはブルーノの前に張られた障壁で吸収されて・・・・なんと反射してきたのだ。
「み、ミラー」
聞いたことはあったが見るのは初めてだった。
慌ててガーブリエル様は横っ飛びでそれを躱す。
ドッカーーーーン
後ろの壁が吹き飛んでいた。
「おのれ」
ガーブリエル様は次は雷撃を放たれた。
しかし、ブルーノは涼しい顔で座っている。
雷撃はブルーノの目の前の障壁に当たるとまたしても吸収されて反射された。
ガーブルエル様は横っ飛びで躱される。
そのまま雷撃は別の壁に激突、壁を突き破っていた。
次は突風を叩きつけられたが、それも反射された。
ガシャーーーン
それは窓ガラスを粉々にして中庭にガラスの破片を散らかした。
流石にガーブルエル様も荒い息をし出した。
「我が師よ。いかがされた。もう終わりですか」
バカにしたようにブルーノが言う。
「何を言う。ここからが本番じゃ。これでも受けよ」
ガーブリエル様の手から光が一閃した。凄まじい光がブルーノを襲うが、なんと、ブルーノはそれをも反射したのだ。
その光はガーブリエル様を弾き飛ばしていた。
ボロくずのようにガーブリエル様が飛ばされて、壁に激突していた。
「ガーブリエル様!」
私は叫ぶと火の玉をブルーノに向けて放っていた。
ポヨンポヨンポヨンポヨンと火の玉は飛んでいく。
「何だ、この火の玉は。あいも変わらずに遅いな」
バカにしてブルーノが言った。
「それで私に勝てるのか? これがアンネの娘かと思うとがっかりする」
悠然と椅子に座ったままだ。
しかし、それはブルーノに迫ると、ブルーノの手前で爆発した。
ブルーノの障壁とともに。ミラーはなぜか発動せずに、ブルーノは椅子もろとも吹っ飛んでいた。
そのまま地面に叩きつけられる。
更に私は火の玉を放つ。
しかし、今度はブルーノも待ってくれなかった。
「貴様。良くもやってくれたな。これでも食らえ」
ブルノーは衝撃波を放ってきた。
私は障壁でそれを受ける。
しかし、2撃目は受けきれなかった。
障壁が弾け飛ぶ。
3撃目はもう私を守るものはなかった。
避けようとしたが避けきれない。
私は弾き飛ばされていた。
火の玉がやっとブルーノに到達しようとしていたが、ブルーノはそれを避けると私に襲いかかってきたのだ。
なんとブルーノは思いっきり私の顔を殴ってきたのだ。
私は殴られてそのまま、中庭に飛んでいった。
鼻血が出て顔中血だらけだ。
顔も殴られたショックで痛い。もう悲惨な顔をしているだろう。
「ふんっ、貴様も母の元へ行け」
ブルーノが爆裂魔術を私に放とうとした。
母さん、ごめん!
私は死を覚悟した。
「ライダーキーーーーッく」
その時だ。ブルーノの眼前にミニアンちゃんが転移してきて、その顔を蹴飛ばしてくれたのだ。
咄嗟に対応できなかったみたいで、ブルーノはものの見事にそのキックを顔にモロに受けて壁に頭から激突、壁を突き破っていた。
ついにブルーノ対ミニアンちゃん再戦です。





