表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

164/174

敵の大半を撃破しました

ガーブリエル様としてはこの機会に不満分子を一掃してしまいたかったみたいだけど、国というものはいろんな考えの人の集まりなのだ。ヤルモさんが伯爵に不満を持ったからと言って全部抹殺していたら人はいなくなるし、私は前世は元々日本人だからかあまり人は殺したくない。甘いといえばそれまでだが。それにまだ、私が王女としてやっていくと決めたわけでもなかった。


私は今はまだ聖女アンなのだ。


「聖女アン様。大丈夫ですか」

伯爵が大きな体を揺らしながら駆けてきた。


「私は何かとか大丈夫です。伯爵様は大丈夫ですか」

「私はなんとか。ブルーノが攻めてきたようですな」

「そうなんです。伯爵様。こちらは私の師のガーブリエル様です。ガーブリエル様。こちらがヴァンドネル伯爵様です」

私はガーブリエル様と伯爵にそれぞれを紹介した。


「オースティンの大魔術師様ですな。アンネ様の師だった方ですな」

「そうじゃ。伯爵はアンネをご存知か」

「はい。一度お見かけしたことがございます。結局ブルーノの反逆を防ぐことは出来ませんでしたが」

残念そうに伯爵が言う。


「それは儂も同じじゃ。あの男、此度こそは絶対に許さん」

「ガーブリエル様もブルーノに対抗していただけますか。そうなると百人力ですな」

「まあ、それもそうじゃが、それよりも、今降り掛かっておる攻撃を至急対処せねばならんて」

「そうですな。直ちに騎士団に対処させましょう」

「それだけでは足りまい。儂らも戦場に出よう」

「しかし、危険では」

伯爵は心配そうに聞いてきた。


「この状況では仕方あるまい。敵の主力はどこにいるのじゃ」

「恐らくここかと」

家令のヤルモが街の西口を指差した。


「アン、行くぞ」

「判りました」

私は頷いた。


何か言いたそうな伯爵を残して、次の瞬間には転移で西口の前の二階建ての家の屋根の上にガーブリエル様と転移した。


私達の目の前にはこちらに向かってくる大軍が見えた。

ムオニオの村の軍勢よりはるかに多い。


「アン、真上に火の玉を上げよ」

「真上にですか」

私は意味がわからずガーブリエル様に聞くが


「そうじゃ」

ガーブリエル様が頷いたので、そのまま、真上に火の玉を上げる。


ポヨンポヨンポヨンポヨン

真上に向けてのんびりと火の玉が上がった。


「次は敵の前目指して左から火の玉を5連射」

「前目指して火の玉を5連射します」

左の敵の前から火の玉を5連射する。


これもポヨンポヨンポヨンポヨン飛んでいく。


「真ん中へも5連射じゃ」

「はい」

真ん中に5連射する。


「よし、では、前に行くぞ」


私はガーフリエル様の声で下におりた。


「あそこに誰かいるぞ」

「突撃」

「わあああああ」


雄叫びの中で敵兵が剣を抜いて突撃していた。


そこで、やっと頭上に上げた火の玉が光って


ドカーーーーーン


巨大な光の玉が広がる。


ワアアアアア!

後方で兵士の突撃の雄叫びが響いたような気がして私は思わず後ろを見たが、何も見えなかった。

ガーフリエル様は何も気にせずに前を見ているので、後ろのことは無視することにした。



そして、次の瞬間には敵兵の前に放った火の玉に敵が突撃してきた。


ドカーーーン

ドカーーーーン

ドカーーーン


続けざま大爆発が起こる。敵兵を巻き込んで巨大な爆発が起こり、敵兵がその炎に飲み込まれる。


爆発から逃れようとする敵とその後ろから突っ込もうとする敵が押し合う。



そこに続いて

ドカーーーン

ドカーーーン

ドカーーーン


真ん中に放った火の玉が爆発して中央部の敵兵が巻き込まれる。


前衛と中央の多くの兵士が、爆発に巻き込まれていた。


敵兵は大混乱に陥っていた。




しかし、その時だ。後ろの伯爵邸の方で爆発が起こった。


「ん、どうしたのだ」

ガーブリエル様が後ろを振り向いて不審がられた。


「まず前か、爆裂魔術」

ガーフリエル様がなんとか体制を立て直そうとしていた敵の中心部に向けて魔術を放つ。


ズドーーーーン


敵の中央部が爆発に包まれる。


「アン、敵兵の前に火の玉5連射」

「はい」

なんとか体制を立て直して突っ込んでこようとする敵兵の前衛の残りに向けて火の玉を5連射放つ。


「ここはこれくらいで敵も後退するじゃろう。伯爵邸が心配じゃ。直ちに戻るぞ」

「判りました」

後ろの遠くで大きな音が聞こえているのでそれも心配で私はガーブリエル様について戻った。


ここまではうまくいきましたが、次は最強の敵ブルーノの登場です。

明朝更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この続きの物語

はこちら

『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした! 勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』

https://ncode.syosetu.com/n3105hy/

ついにブルーノとの決戦です。

私の

新作始めました!


『ヒロインに転生したのに悪役令嬢の侍女やらされています!神様から授かったチート能力はド派手な衣装の魔法少女にならないと使えませんでした』

https://ncode.syosetu.com/n2856ii/
前世気弱で流され体質で言われるまま仕事していたら過労死してしまったアラサーのヒロインが、中学の頃いじめから助けてもらった悪役令嬢の下で侍女をする学園恋愛物語のはず……

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ