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王太子と話している最中に領都で反乱が起こったのを知りました

いつも読んで頂いてありがとうございます。

いつも忙しい中、誤字脱字報告、感想、いいねして頂いてとてもありがとうございます。

ブックマーク、評価して頂いた方には感謝の言葉もございません。

ええええ!


私はぱっちり目を開けたフィル様に抱き寄せられて驚きのあまり固まってしまった。


「フィ、フィル様、抱きつくなんてどうしたんですか?」

私はキスした自分の行動を棚に上げて叫んでいた。


「アン!、良かった、アンだ」

フィル様は私の言葉を無視して抱く力を強くするんだけど、ええええ! 近い!近いですって! 顔に頬ずりするのやめて・・・・。


もう言葉も出なかった。


「酷いじゃないかアン、俺を見捨てていくなんて」

フィル様が下から私を見上げて言った。


「えっ、だってフィル様は私と婚約破棄してテレーサさんと婚約したって」

私はフィル様の上から退こうとするが、フィル様は許してくれない。


「してない。そんなのするわけ無いだろう」

「でも、そうしないと、フィル様に疫病の薬をスカンディーナ王国が渡さないって」

「はあああ! アンと婚約破棄するくらいなら、疫病で死んだほうがマシだろ」

「何言っているんですか。貴方の命は私の命よりも尊いんです」

「そんな訳ないだろう。俺には俺の命よりも君の命の方が尊いし、君のためなら命さえ捨てられる」

「そんな事は口が裂けても言わないでください」


「姉ちゃん。アン姉ちゃんが男の人と抱き合ってる!」

私はアーロンの悲鳴を聞いて思わず飛上っていた。


そういえばヒルッカさんの家だった。


周りを見ると皆が唖然として私達を見ていた。

アーロンは何故か私達を指さしてブルブル震えている。


「あんた達、まだうちには、うら若い息子らがいるんだから、その辺で止めておいてくれるかい」

ヒルッカさんの声に私は真っ赤になった。アーロンの横ではイリヤも真っ赤になっていた。


「お前ら二人でよくやるよ」

そこには何故かアルフ達もいて、私は更に赤くなってしまったのだ。


その後アルフたちに話を聞くと、私のことが心配で国境を無断で越えてきたんだとか。

あの場では、溺れたフィル様を助けようとしていたら、私が転移してきて、あれよあれよという間にフィル様を転移で連れて行ってしまったらしい。ひょっとして私は余計なことをしたんだろうか?


「王太子殿下が勝手に国境を越えるなんてことをしていいんですか?」

私は嬉しかったけれど、それはよくないことだからフィル様には一応注意はした。


「良いんだよ。母が勝手にアンと婚約破棄した何て言うんだから。俺は絶対にアンを離さない」

私たちは土間でわらを敷いてもらって話しているんだけど、フィル様は私にピッタリくっついて離してくれないんだけど。


遠くからアーロンがそんなフィル様を睨みつけていた。


「ブルーノからの婚約破棄の話はそもそも父は即座に断っているんだ。あれは母の完全な独断なんだ。だからアン、君は俺の婚約者のままなんだから、ぜひともオースティンに帰ってきてくれないだろうか」

フィル様が頼んでくるんだけど、それはなかなか難しい話だ。


「フィル様、申し訳ありません。私は形の上では王家からの申し出を受けているのです」

「いや、だから、アン、あれは母の独断で」

「でも、妃殿下は息子の命を守るために最善の策を取られたと思うのです」

「でも、俺の病はアンが治してくれたじゃないか」

フィル様は私の手を取って言ってくれるんだけど、


そこにアーロンが駆けてきた。


「アン姉ちゃんはもう、この国の聖女様なんだ。お前らには渡さない」

私とフィル様の間に入り込んでフィル様を睨みつけた。


「アーロン」

私はそんなふうに言ってもらえるなんて思ってもいなかった。この国でも、前国王の娘なんて戦乱の元にしかならない邪魔な存在だと思っていた。


「何を言っている。アンはオースティン王国の聖女だ」

フィル様がアーロンに対抗して言っているんだげと。


「ふんっ、少なくとも、俺はお前みたいにアン姉ちゃんを見捨てたりしない」

アーロンは手を越しに当てて高々と宣言してくれた。


「何言っている。俺は見捨ててなんていないぞ」

「じゃあ、何でアン姉ちゃんは夜な夜な泣いていたんだよ」

「えっ」

私はアーロンを見た。フィル様も絶句している。


「アン、泣いていたのか?」

フィル様がこちらを見て言ってくるんだけど。


「アン姉ちゃんは明るく振る舞っていたけれど、とても辛そうにしてたんだ。

それにこの国に来た時も道端で苦しそうに倒れていたんだ。アン姉ちゃんが苦しんでいたのはオースティン王国の奴らが酷いことをしたからだろう」

「いや、それは・・・・」

「フィル!」

フィル様は必至に言い訳しようとしたが、取り敢えず、ルーカスに止められた。



その時だ。馬蹄の音がして、馬が駆けてくるのが聞こえた。


そして、馬が家の前で止まったのだ。


「アンネローゼ様」

体中傷だらけのメルケルが飛び込んできたのだ。


「ヴァンドネル伯爵領で反乱が起こりました」

「反乱?」

私はメルケルの言葉に彼が何を言ったかよく理解できなかった。


反乱を起こしたのは誰?

続きは明朝更新予定です。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この続きの物語

はこちら

『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした! 勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』

https://ncode.syosetu.com/n3105hy/

ついにブルーノとの決戦です。

私の

新作始めました!


『ヒロインに転生したのに悪役令嬢の侍女やらされています!神様から授かったチート能力はド派手な衣装の魔法少女にならないと使えませんでした』

https://ncode.syosetu.com/n2856ii/
前世気弱で流され体質で言われるまま仕事していたら過労死してしまったアラサーのヒロインが、中学の頃いじめから助けてもらった悪役令嬢の下で侍女をする学園恋愛物語のはず……

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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