0024 髪のみぞ知る
「花太郎様、お目覚めください」
[ナラハ 14才 メイド]
フタバさんの妹のナラハさんに起こされる。引っ越してからもフタバさんが専属のメイドなのだが、彼女が休日の日にはナラハさんが俺の専属になっている。
普通にかわいい子で客観的にはフタバさんより綺麗かもしれない。それでも、俺はフタバさんの方がタイプだけどな。
しかし、ヒラノと形式だけでも婚約したため、そういうことはもう言えないだろうなあ。ヒラノが一番、それでいくしかない。
「『もしもし、花太郎です。今からイイノさんのところに行ってもいいでしょうか?』」
念話でイイノさんに確認。仕事を始めるか。
「おはようございます」
イイノさんに挨拶。
「それでは始めましょうか」
イイノさんが小さい紙包みを大量に持ってくる。中身は18歳未満の処女の髪。それらを俺の道具箱(アイテムボックスと言えばわかりやすいか)に入れる。
道具箱は状態が変化しないまま保存できる。ヒラノにそれを伝えたところ、黙っていた方がいいと言われた。なので、他の誰にも言っていない。表向きは処女使いの儀式で髪が消えているということにしている。
二人だけの秘密が増えていく。愛し合う二人なら幸せなことなんだろうねえ。
帝国の18歳未満の処女の髪の毛を俺のところに集めたのは、いつでも生き返らせることができるようにするためだ。髪の毛1本あれば蘇生は可能。ちなみに髪の毛を使って蘇生させた場合、元の肉体は消滅する。なので棺の中には服や花しか残っていないことだろう。
国中から集めた髪を道具箱に入れる。それだけならまあ楽なのだが、名簿と照らし合わせながらしなければならないのが一苦労だ。名前と住所と年齢と…個人情報以外の何ものでもない。なんだかなあという気分になる。
「これ、駄目なやつですね」
髪の毛を見て、触ってみて、蘇生に使えないことがわかる。理由はあれである。
「わかりました」
イイノさんは名簿に何やら書き込んでいる。
「いろいろと事情はあるのでしょう」
結婚している女性からは集めてはいない。婚約している人は初めから名簿に記入している。いろいろあるのだろう。
やって後悔するのとやらずに後悔するならば、やっぱり、やって後悔したいなあって思ってます。あとでやっておけばよかったって思うのが嫌なので。毎日を一生懸命生きたいなあって思います。




