0022 婚約
「ヒラノを私の婚約者にしていただけませんか?」
カワマタ帝国の謁見の間。皇帝が褒美をくれるということで俺は呼ばれていた。ヒラノちゃんと一緒に回った帝国民の治療と蘇生が認められたらしい。
使用人付きの家と今回の給金などをもらったのだが、他に欲しいものを聞かれたのでヒラノちゃんとの婚約を願い出た。
「よかろう」
すんなり通った。皇帝としてもそれを望んでいたのかもしれないな。俺の護衛として1ヶ月ずっと一緒にいたし。
新しく住むことになった家は広かった。正直落ち着かない。そんなに広くなくていいんだけどなあ。とりあえず、書斎に移動する。
『ヒラノちゃん、今から呼び出すけど大丈夫かい?』
『大丈夫ですよ』
念話でヒラノちゃんに確認する。
「『ショウカン』」
召喚魔法でヒラノちゃんを呼び寄せる。もちろん召喚できるのはあれ限定である。
「『結界』」
ヒラノちゃんがすぐに結界を張る。これで音が外に漏れることはない。
「どうでした?」
「なんか月10万キヌで帝国に雇われることになった」
「おめでとうございます」
イイノさんの月給が月2千キヌくらいだから公務員の50倍の給金。俺はプロ野球選手になったのだろうか。
「婚約の件はどうでしたか?」
「そのうち話がくると思うけど、皇帝の許可はもらった」
「よかった。これで私は皇族や公爵と婚約しなくて済みます。花太郎さんも面倒なことに巻き込まれることはないでしょう」
「まあね…」
「婚約しなかったら縁談の嵐ですよ。花太郎さんは帝国の英雄なんですから」
英雄にさせられたって感じだけどな。
「婚約しているので私と一緒に行動しても何の問題もありません。いいこと尽くしです」
そうだな。そういうことにしておこう。
「それとも、皇女や公爵令嬢に求婚されたかったですか?」
「いや、それは遠慮したい」
面倒臭いのは勘弁してほしい。
ヒラノは最初の設定では妹キャラで「お兄ちゃん」呼びの予定でした。書いていくうちにイイザカよりすごい天才で、一番の味方になりました。




