0020 魔物との戦闘
「『大結界』」
ヒラノちゃんが自分と魔物の卵の周りに結界を張る。結界に包まれ、中の様子がわからなくなった。
俺は処女使いの力で、ヒラノちゃんの目と耳を使い中の様子を確認する。
卵にひびが入り、中から巨大な黒い犬が出現する。
冷静になって考えてみれば犬は卵からは生まれない。膜に包まれて生まれるから「卵から生まれる」という人もいないこともないが。なんにせよ、分厚くて固い殻に包まれた卵から生まれたということは、魔物なのだろう。
「『大炎撃』」
炎の魔法を黒犬に放つ。たちまち炎に包まれる黒犬。だが、倒すには至らない。
「やはり一撃では無理ですね」
黒犬の攻撃を避け、高く跳躍する。
「『天光』」
手から光の剣を出して、黒犬の首を斬り落とす。
たちまち、体が消え小さな石だけが残った。ヒラノちゃんはそれを拾い、収納魔法を使って収納する。
光の剣で敵を斬る技。これには見覚えがあった。古代帝国秘技に同じ技がある。だが、それを習得するには十数年かかるはずだった。
大結界が解け、ヒラノちゃんの姿が現れる。魔物の姿はすでになくなっていて、卵の殻だけが残されていた。
「もう、大丈夫です」
周りを固めていた防衛隊の人たちが歓声を上げる。
「大丈夫?」
「あなたの目にはどう見えますか?」
処女使いの目でヒラノちゃんを見ても特に異常はないようだ。
「私の最大の攻撃魔法大炎撃でも黒犬を一撃では倒せません。ですが天光…古代帝国秘技なら一撃で倒せそうですね」
「いや、あれって十数年くらい習得にかかると思ってたんだけど…」
「おじいちゃんならそうかもしれません」
イイザカで十数年かかるんだよね。
「私なら十時間くらいあれは十分です」
「えっ…」
「二人だけの秘密ですよ」
後で詳しく聞いたのだが、俺が解読した古代帝国文字の本を1回読んだだけで暗記し、秘技のすべてを習得したということだった。
本当に味方になってくれてよかった。
20話まで書くことができました。今までの人生で一作品原稿用紙50枚を超える話を書いたことがなかったので新記録です。それだけでも書いてみた甲斐はあったかもしれません。




