0002 最低最悪の力
「儂がカワマタ帝国皇帝カワマタ・オジマである」
いきなりそんなこと言われても、反応に困るんですけど。
こっちはわけのわからん場所にいつの間にか連れてこられたわけで。ちゃんと説明していただけるのでしょうか。
言いたいことは山ほどあったが、無視もできないのでとりあえず俺も名乗ることにした。
「佐藤花太郎と申します」
姿勢を正し、45度に頭を下げる。一応礼は尽くしたつもりだが、伝わったかどうかはわからない。
無礼者として首を斬られるのは勘弁。片膝だか両膝を着く礼みたいなやつをやらないと駄目だったりするのかな。
礼節の研修とか講習をやってくれたならできなくもないけど。いや、でも民主主義の国民は膝を着けてはいけないってどっかで聞いたような気もする。
皇帝の近くには宰相だか大臣みたいな人がいて、周りには鎧を着た騎士とローブを着た魔法使いみたいな人がいる。
「異世界よりよくぞ来た。佐藤花太郎よ」
はい、拉致決定。主犯格は皇帝か。
「イイザカもよくやってくれた」
このローブを着た爺さんが実行犯か。
「もったいないお言葉でございます」
善良な市民を異世界に連れてくるって大犯罪なんだけどな。そういう認識が異世界の王様とか皇帝にないのはどうかと思う。
「今、この国は魔物の脅威にさらされておる。花太郎にはそれを取り除いてほしい」
それは勇者の仕事であって俺の仕事ではないだろう。
「陛下、お言葉ですが、私は魔物と戦うような力は持っておりません」
「異世界より召喚された者は不思議な力を持っているはずだが」
皇帝がイイザカの方を見る。
「花太郎殿、異世界より召喚の際に特別な力を授かっているはずですぞ」
「一応、授かってはおりますが、魔物との戦闘に直接使える力ではないようですよ」
「私の鑑定札で見てもよろしいですかな」
イイザカの手にカードが現れる。収納魔法だろうか。カードを俺にかざす。何やら文字が浮かんだようだ。
「なんと書かれている?」
『処女使い 18歳未満の処女にのみ効果のある魔法が使える』
これはアウト。最低最悪の力だ。
小説書くのって難しいですね。頭の中では壮大な物語ができているんですが、それを形にするのはものすごく難しい。継続は力と言いますので、うまくなるまでがんばろうと思います。