0001 プロローグ
石畳の敷き詰められた広場。普段、騎士や魔法使の訓練に使われている修練場は野戦病院となっていた。周りには傷付いた少女達が数十人横たわっている。
石畳の上に魔法陣が現れ、傷付いた少女を召喚する。それが数秒ごとに繰り返されていた。
内臓が飛び出している少女。俺はすぐに回復魔法をかける。瞬時に傷が治る。
「行けるか?」
「行けます」
戦意を確認。俺は転移魔法を少女にかけ、戦場へ送る。
腰から下がなくなっている少女。息はまだあるが、意識はない。俺が回復魔法をかけると無くなっていた下半身が復元し、少女は目を覚ました。
「行けるか?」
「む、無理です。許してください。お願いします」
少女はガタガタ震えて戦意を喪失していた。体を魔物に喰い千切られ、死にかけたのであれば無理もないだろう。もう戦えまい。
「わかった。ご苦労であった。もう休め」
俺は労いの言葉をかけ、修練場の出口を案内する。そして、次の傷付いた少女達の治療を始める。
召喚される少女のほとんどが15歳未満の学徒だ。覚悟の差が如実に表れている。
「行けるか?」
「助けてー」
傷を治し、目を覚ました途端に逃げ出す少女。出口の扉を開け、外に出ていく。
戦う意思のある者から治せるならいいのだが、運ばれてくる者は意識のない者ばかりだ。
出口の扉から血に濡れた剣を持つ騎士が入ってくる。
「学徒を自動召喚から外してください。これしか方法がないとはいえあんまりです」
騎士が涙ながらに訴える。治した学徒のほとんどが戦意を喪失し、修練場を去っていた。
「わかった。学徒を自動召喚から外す」
俺は騎士に告げる。戦場で意識を無くした者、命に係わる負傷をした者を自動的に召喚していたが、学徒をこれ以上治しても戦力にならない。15歳以上の成人のみの治療に切り替える。学徒の退路を断った。これで覚悟を決めてくれたらいいのだが。
少女達の召喚が終わるまで俺の仕事は終わらない。できるなら少女達の勝利によって終わって欲しいものだ。
初めまして。日本マヤ(やまとまや)と申します。小説って実際に書いてみると難しいものですね。100くらいまで続けることができたら少しは読めるものになるかもしれません。自分自身の成長のために書き続けたいと思います。どういう縁かこの作品に目を通してしまった方。駄文ですみません。いつかまともなものが書けるように努力いたします。