2/33
三月三十三拍子
春になって、雨が上がって、なんてことはなくて
君が好きな曲は、ボーカルの笑顔が嫌いで、まだ聞いていなくて
嫌に歳を取ってしまったから、言葉の力なんてものを、盲目的に信じられなくなって
空白、シューゲイザー、ゆらゆら
呼吸、計算機を弾く音、剥離
廃線、防波堤、おやすみなさい
眠れなかったんです。それだけなんです、それだけ。何も聞きたくないから出てってよ。
ハッピー。三角座が煌めいているよ。午前三時、瞬きさえできない時間だ。
きっと、わたしは君に愛してるなんて言えない。蒸発する空想論を見ないフリして、イヤホンをする。さようならオリオン座、また半年後にね。