三月三十三丁目
最終電車を待つ黒猫は気まぐれな投げキッス
まだ食べたりないわ
金属音が響く応接間で幽霊がプロポーズしていた。
ねぇ、待って。飛んでかないでよ。
回転はどんどん遅くなり、色水の上に浮いている蠅。
サーキュレーター
ぼくらは宇宙さ!
ヒットチャートの曲しか君は聞かないらしい。
単純なダンスビートに首を揺らして、
酸性のノスタルジー、アスファルト、カマンベールチーズ
桃色特急電車、私を帰さないで。アンドロイドでもいいよ。
煙草を吸うようになったから、ザラメの味なんか思い出せない。
「トーキョー・タワー。きみのことだよ」
ハロー、
電波の届かないところまで行こう。
歌えないイントロ、シンデレラ、淡路島
君は、繭を楽しそうに潰す。
繋がないでいて、不可思議な温度計。オリーブ色。
ポエトリー
三連符の中で眠るよ、涙の流し方を知らないから
今日みたいな日になんて笑えばいいのか知らないから。
(クリスマスイブが終わり、Bluetooth、私を探さないで)
痛いよ、締め付けられるクエスチョンマーク、珪藻土
麗しいのさ。
埃を被ったソファの上に、銀色の時計だけが投げ捨てられていた、午前2時。
空っぽのようだ。




