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八 雲の命

「ぴっぽ、今から大切な話をするから良く聞くんじゃぞ。」

「うん。」

「わしらポッポの一族には、神様から頂いた大事なお仕事があるのじゃ。」

「大事なお仕事?」

「そうじゃ、灰色に見える人間の心を、呪文と雲の命で、赤色やオレンジ色に変えてあげるのじゃ。」

「でも、あんなに大勢いるよ。」

「もちろん全員は無理じゃ、雲の命も沢山持って来てないからな。」

「どうやればいいの?」

「やることは簡単じゃ、灰色の人間に近づいて、ぴっぽぱっぽぴん! 楽しい事出てこ~い! と呪文を唱えてから雲の命をシュ~と吹きかければ良いのじゃ。」

「ぴっぽぱっぽぴん! 楽しい事出てこ~い! シュ~ だね。」

「そうじゃ、やってみるか?」

「うん。」


 ぱっぽじいちゃんは辺りを見渡しました。

「この人間にしよう、どうやらグルグル病みたいじゃな。」

「グルグル病?」

「嫌なことばかり考える病気じゃ、同じような嫌なことばかりグルグルグルグル考え続けるから、グルグル病じゃ。」

「ふ~ん、まずは近づくんだね、モック頼むよ。」

 モックは黙って人間に近づきました。

「それぐらいでいいぞ、あ、それと始める前に人間の顔を見ておくんじゃ。」

「なんか暗い顔してるよ、じやあ、やってみるね。」

 ぴっぽは雲の命の入ったビンを手に人間の耳のあたりに向かって呪文を唱えました。

「ぴっぽぱっぽぴん! 楽しい事出てこ~い!」

 それから、雲の命の入ったビンの上にあるボタンを押しました。

 シュ~

 ぴっぽが吹きかけた雲の命は霧の様になって人間にかかりました。

「あっ! ぱっぽじいちゃん、お顔がなんか、おだやかになって微笑んでいるみたいだよ、色もオレンジに変わった!」

「成功したみたいじゃな、何か楽しいことが頭に浮かんだのじゃろう。」

「うわ~い良かった~。」

「まだ雲の命はあるから何人かに同じことをしてあげるんじゃ。」

「うん、わかった。」

 ぴっぽはモックに乗って、灰色の心の人間達を楽しい気持ちにしてあげて回りました。



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