表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

七 灰色

 さあ、ビルのてっぺんから出発です。

 ふわふわ~、ふわふわ~。

「トンボのメガネをかけても見える物はあんまり変わんないなぁ~。」

「はは、もう少し待ちな。」

 ふわふわ~、ふわふわ~。

 モックは人間達が良く見える所まで下りてきました。

「あれ? モック、人間たちの色が違って見えるよ。」

「それがトンボのメガネの力さ。」

「灰色の人ばかりだけど赤やオレンジ色の人間もいるんだね。」

「えっ? ぴっぽ、灰色の人間はそんなに多いのかい?」

「うん、灰色じゃない人間は変わった人間なのかなぁ~。」

「う~ん。」

 モックは、う~んと言ったきり、黙ってしまいました。


 ふわふわ~、ふわふわ~。

 ぱっぽじいちゃんは、降りるのに、いい場所を見つけたみたいです。」

「ぴっぽ、ぱっぽじいのとこに降りるぞ、ふわっとな。」

 モックは何か元気がなくなってしまったみたいです、どうしたのでしょう。

「ぴっぽ、人間達はどうじゃった?」

 おや、ぱっぽじいちゃんも少し元気がないみたいです。

「人間って灰色が普通なの? 赤やオレンジの人間もいたけど。」

「ふ~、ぴっぽ、トンボのメガネで見る人間の色は心の色なんじゃ、赤色やオレンジ色は楽しいことを考えている人間、灰色は悲しいこと、楽しくないこと、つらいことを考えている人間なんじゃよ。」」

「へ~、悲しいとか、つらいって、かあちゃんが読んでくれた本の中だけの話だと思ってたよ。」

「久しぶりに、ここへ来たら、灰色の心の人間がう~んと増えてしまっていたんで、驚いているのじゃ。」

「ふ~ん、そうなんだ。」

「まあ驚いてばかりもいられない、ぴっぽ、雲の命の出番じゃ。」

「うん、え~と、今、リュックから出すね。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ