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三 出発

 朝になりました。

「おっはよ~、かあちゃん。」

「おはよう、ぴっぽ、ご飯できてるわよ。」

「は~い、お顔洗ってくるね。」


 みんなで朝ごはんを食べました。

「とうちゃん、今日ぱっぽじいちゃんと下へ行くんだよ。」

「そうだったな、ぴっぽ、ぱっぽじいちゃんの言うことよく聞くんだぞ。」

「うん分かった。」

「ぴっぽ、お弁当とおやつを用意しておいたからね。」

「わ~い、かあちゃんありがとう。」


「そろそろかしら?」

「そろそろだな。」

「かあちゃん、とうちゃん、そろそろって?」

 トントン

 その時、戸を叩く音がしました。

『ぽっぽの子ぴっぽ、初めて下へ行くお祝いの日、ぽっぽの者一同、見送りに来たぞ。』

「あっ、みんな見送りに来てくれたんだ。」

「さあ、ぴっぽ、外へ出て皆さんにご挨拶をしておいで。」

「は~い。」


 ぴっぽがご挨拶をしている間に、ぱっぽじいちゃんも用意が済んだようです。

「ぴっぽ、おいで。」

「あっ、ぱっぽじいちゃん、おはよう。」

「トンボのメガネ、雲の命、お弁当とおやつは、このリュックに入ってるからな。」

 ぴっぽはリュックを背負いました。


「ねえ、雲風船は? ぱっぽじいちゃん。」

「そうじゃな、心の中でモックに来てって呼びかけるんじゃ、声に出してもいいんじゃぞ。」

 ぴゅ~ん

 ぱっぽじいちゃんが話し終わる前に雲風船のモックがやってきました。

「おう、呼んだか?」

「わお、心の中でモックのことを呼んだだけですぐ来てくれた~、けど昨日はあんなにちっちゃかったのに、ずいぶんおっきくなってるね。」

「ぴっぽを乗せてひとっ飛びしなくちゃいけないから、しっかり喰ってきたんだ。」

 雲風船は小さな風船が沢山集まっているようなものです。

 モックはぴっぽを乗せるために、いっぱい雲を食べて風船を膨らませ大きくなったのです。

「さあ、ぴっぽ、乗りな。」

「うん。」

 ぱっぽじいちゃんも自分の雲風船に乗りました。

 ぽっぽの皆は輪になって二人を見守っています。

「出発するぞ。」

 と、ぱっぽじいちゃん。

「ぱっぽじい、後をついていくからな。」

「頼むぞモック。」

「いってきま~す。」

『いってらっしゃ~い。』

 二つの雲風船はふわりと浮かび上がりました。

 ぽっぽの皆はぽっぽ族の歌を歌い始めました。

『ぽっぽぴ~のぱっぽぴ~♪ ぷっぽぷっぽぴん♪ ぱぽぴぺぱぽぴぺ…♪』

 ぴっぽは一生懸命手を振っています、ぽっぽの皆も笑顔で手を振っています。

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