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Chapter1-6:魔法石

コンコン


ナターシャの部屋のドアをノックする。

さっき、わざとではないといえ覗いてしまった為、微妙に緊張する。

さっきから殺気篭った視線を感じるし。


ガチャ


そんな音がして内側からドアが開き目の前にナターシャが立っていた。

さっきの着替えのシーンを思い出し顔が微妙に赤くなってしまう。

やばい・・・。ナターシャにまで変態扱いされたら俺は終わってしまう。

さっきの事件で王様以外の人からも軽蔑するような目で見られてるというのに。


「どうかしたの?ルーク、顔が赤いけど」


やっぱり、気付かれたか・・・。

とにかく俺の命のためにしっかり言い訳しないとな。


「疲れてるだけだよ。昨日から一睡もしてないしさ」

「そういえばそうね。何だか私も急に眠くなってきた感じがするわ」


ふぅ。なんとかばれずに済んだ。

さっさと貰うべきものを貰って帰ろう。


「ルーク、じゃあ入って」

「あ、うん」


う〜ん。俺としてはここで貰っておさらばが良かったのだけど。

まぁ、しょうがないか。

それにしても王様の野朗の視線がうざったい。

部屋に入ってドアを閉めて、遮ってやろう。

俺はそう考えながら部屋の中に入り思惑通りドアを閉めてやった。

あの野朗の苦しむ顔が目に浮かぶぜ。


「広いな・・・」


俺は部屋を見回して思わずそう呟いた。

さっきの客室の間もそうだったけどこの部屋も広い。

なんというか身分の違いを感じてしまう。


「はい、まずこれは仕事の報酬よ。20000グランあるわ」

「20000グラン・・・。そんなに貰っていいの?」

「えぇ、あなたは命の恩人だから」


20000グランっていったら当分は働かずとも暮らせるぞ。

やっぱり王族はスケールが違うんだ・・・。

これで貧困生活からもさよならだ。

とうとう俺にも運が回ってきたみたいだ。


「それから、これは個人的なお礼」

「これって魔法石だよね?」

「そうよ。多分、あなたの役に立つと思うわ」

「へぇ、なんて魔法なの?」

秘密の部屋(シークレット・ルーム)よ。中級魔法だけどあなたなら大丈夫よ」

「ナターシャは覚えてるの?」

「いいえ。私にはまだ力が足りないの」

「そうなんだ。でも、俺にも使えるか分からないけど」

「大丈夫よ」

「そうかな?じゃあさっそく使ってみる」


俺はそう言ってナターシャから魔法石を受け取った。

それは左手で持ち石に右をかざした。

その瞬間、右手から体全体にわたって神秘的な力が流れていくのを感じる。

どうやら、俺はこの魔法を使いこなせる力があるようだ。

中級魔法が使える力があるとはなかなか嬉しいことだ。


「ふぅ。なんとか出来たみたいだ」

「良かったわね。上手く役立ててね」

「あぁ、ありがとう」

「いいのよ。それよりルーク今日はどうするの?」

「どうするのって?」

「すぐに帰っちゃうの?それとも泊まっていくの?」

「すぐに帰るつもりだけど」


こんなところに止まれるはずがない。

確実に王様の野朗に寝込みを襲われてあの世行きだ。


「そう・・・」


なんだか悲しそうな雰囲気だな。

俺ごときとの別れを悲しんでもらえるのは嬉しいけど命が大事だしね。


「泊まったら?」

「あぁ」


あれ、なんか肯定の返事しちまった・・・。

てっきり、別れの挨拶がくると思ってたんだけど・・・。

死んだかも・・・。


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