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Chapter2-8:質問

食事の方は30分ほどは何もなく進んでいった。

王様の睨みが相変わらずだったが、そこは無視を突き通した。

そんな雰囲気がおかしくなっていったのは、ナターシャの1つの質問からだった。


「そういえば、ルークは依頼の途中でここに寄ったのよね?」

「そうだけど、それがどうかした?」

「どんな依頼だったのか知りたいなと思って」

「簡単に言えば探し物かな。竜の祠にある魔法石を欲しいって頼まれて」


普通なら依頼の内容を簡単にばらすのはいけない事だった。

だけど、今の俺は少しばかり調子に乗っていたのか口がかるかった。


「おい、糞野朗。今、何て言った?」


話に加わってきたのは王様だった。

俺の呼び方は相変わらずだけど、今までと違い真面目な顔をしている。


「竜の祠にある魔法石を欲しいって頼まれて」


俺は一字一句変えずに王様に伝えた。


「それはいつの事なんだ?」

「一昨日の事です。昼頃だったと思いますけど」

「・・・・・・」


王様は悩んだ顔になり黙ってしまう。

一体、竜の祠に何があるんだろうか?

こんな事態になるとは微塵も思ってなかった。


「あの、どうかしたんですか?」

「小僧。お前に依頼してきた奴はどんな奴だった?」

「30代ぐらいの男性ってことは覚えています。それ以外は特に何も」

「そうか」


結局、俺の質問には答えてもらっていない。

でも、もう1度聞けるような雰囲気ではないことを感じた。


「エレイン、アルスを呼んでくれないか?」

「畏まりました」


王様の命に従いエレインが部屋を出て行った。

俺は止めさせたかったが今の雰囲気では無理だった。

どうやら、これから凄いことが起きる様だ。

まったく、見当がつかないのだけど・・・。


「小僧。お前は竜の祠がどんな場所だか知っているのか?」

「いいえ。名前だけなら知っていましたけど」

「そうか・・・。なら、今教えておくべきだろう。どうやら、お前もこれから起こる事に関わるのだからな」

「これから起こること?」

「そうだ。とにかく、竜の祠の説明からにしよう」

「・・・・。分かりました」


いままでと違う王様の対応に少し戸惑いながら俺は返事をした。

こういう事態にはどうやら王様としての威厳がしっかりと出るようだ。


「竜の祠は、代々王家が守ってきた魔法石を守っている場所だ。その歴史は大昔に遡るが、今はその説明は必要ないだろう。この魔法石はあまりに強大が故に、使いこなせる人は世界中でも少ない。いや、今の時代もしかしたらいないのかもしれない。15年前に起こったヴィシュラートの乱の時もこれを使う話も出たのだが、使いこなせる人が存在しなかった。」


それほどに、大きな力を持った魔法石だったとは。

あの依頼人はその事を知っていたのだろうか?

仮に知っているとしたら、俺みたいな奴に頼むだろうか?

もっと、大きな店に行けば実力者などいくらでもいたはずだ。

つまり、俺に頼んだ理由は大きな店には頼めない理由があったからになる。

おそらく、どこかへ伝えられるのは恐れたのだろう。

大きな店に行けばそれなりに知識があるに違いない。

俺とは違い竜の祠のことも知っていて王家へと連絡するだろう。

それを避けたかった。だから俺に頼んだ。

でも、この説には問題点もある。

依頼人は竜の祠に魔法石の力を知っているはずだ。

そんな、強大な物を守っている場所を俺が取ってくるなど考えれば不可能だとすぐに分かる。

それなら俺に頼むのは馬鹿でもしないことだ。

一体、何か理由はあったのか?


「竜の祠についてのことは分かりました。でも、これから起こる事ってなんなんですか?」

「ヴィシュラート一族との戦いのことだ」

「え?」


王様の意外な答えに俺は驚いた。

まさか戦争が起こるなんて考えてもみなかった。

でも・・・。

よく考えてみれば頷ける話かもしれない。

今、あんな強大な魔法石を欲しがるなんてあの一族しか思いつかない。


「お前に依頼を頼んだ男、おそらくヴィシュラート一族だろう」

「俺も王様の話を聞いてそう思っていたところです」

「だろうな。あの魔法石を欲しがる者など、戦争を起こしたいやつぐらいの者だ」

「でも、1つ気になります」

「ヴィシュラート側にその石を使いこなせる人間がいるのかどうかか?」

「はい、そうです」

「それは私にも分からない。しかし、相当な実力者がいるのは確かだろう」


食事の場の空気はまるで凍り付いていたようだった。

誰もがこれから起こる事を予想して嫌な気分になっていた。

もちろん、俺もその1人で既に食事など喉に通る状態ではなくなっていた。



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