夕ご飯
街がオレンジ色に染った夕刻。
リビングで共働きの親の帰りを待つ学生の三人。
ソファーでゴロゴロとスマホをいじる高3の長女の結衣。
その頭のよこで、携帯ゲーム機で遊ぶ高1の真中っ子の結人。
ダイニングテーブルの椅子で読書してる中2の末っ子の結花。
それぞれがそれぞれのことをしてる、自由な時間だ。
結衣は窓の外を眺めながら、ふと疑問に思った。
「ねぇねぇ、なんで夕方に食べないのに夕飯なの?」
結人はゲーム機を持つ手を止めて考え始め、これに答えた。
「うーん。昔はこのぐらいの時間に食べてたんじゃない?江戸時代とかに」
「なるほど。風習が消えて言葉だけが残ったパターンね」
「夜に食べるのに、なんかややこしいな」
「じゃあさ、ウチらも今食べちゃう?夕飯なんだから」
「腹ってるだけでしょ...」
「そ、そんなこないよ!」
「バレバレ」
「でも偶にはいいんじゃない?本当の夕飯も。結花はどう思う?」
読んでいた本に目を通しながら、淡々と応えた。
「晩ご飯でいいじゃん」
初めて書いた短編小説なので、見様見真似でした。
ちょいちょいこの家族を題材にした短編シリーズを投稿していくつもりです。
つまらなかったと思いますが、読んでいただきありがとうございました。