レポート8ー勘違いはゲームでもー
次の日、真弓は午前中友人たちとでかけていた。
そして夕飯を食べて夜、VRSを起動しファンオンの世界に入る。
昨日狩りをしていた草原でブルーウルフに槍を振る。
その横ではユウとレールも狩りをしている。
その途中でユウがステータスを確認しながら言った。
「そういや、二人はレベルいくつぐらいになったんだ?」
その間に横からブルーウルフがユウに飛びかかるが簡単に回避して右手の剣で倒す。
ユミはなんでそんなに余裕で倒せるんだと思いつつステータスを開いて確認する。
「私はもうすぐ10になりますね。スキルもメインにしてるものは同じくらいです」
空色の長髪を揺らしながらレールはそういった。
レールは魔法使いで水の魔法を使っている。
少し距離のあるブルーウルフに水の弾などを当てていた。
「俺が次にレベルが上がれば7になる」
ユミもステータス画面を消しながらそう答える。
ユウ達とくらべてソロで狩る時間が違ったのが差がついてる原因だ。
しかしゲームが始まってまだ2日目、ユミのような人間も数多くいる。
「レベル7なら大丈夫か。奥の森でレベル上げしようぜ!」
ユウはそういって草原の奥にあった森を指さす。
レールも頷いていた。
「俺でも大丈夫ですかね?」
「あの森の適正レベルは7からですから大丈夫だと思いますよ」
「うぅん……まあ、いっか。ちょっと武器慣れしてないのが心配だけど」
「安心しろ大将。オレがフォローしてやるから」
ユミも納得して森へ向かう。
森への道中レールが疑問に思っていたことユミに質問する。
「そういえばユミさんって自分のこと『俺』っていったりユウさんには『大将』よばれてますけど。流行りの俺っ娘系なんですか?」
ユミは質問の意図が最初はわからず考えたがユウが前で笑ってるのを見て察しがついた。
「レールさん。俺は男です。ゲーム内のエディットが何故かこうなってますけど」
「そんなまさか。ねぇ、ユウさん?」
レールはまさかそんなことはないだろうとユウに同意を求める。
が、
「いや、大将はマジで男……っ……ですよ……っっ」
笑いをこらえながらそう答えた。
「え? ……世界は不思議ですね。機械に誤認される男の娘がでてくるまでに」
「レールさん、今男の子の雰囲気がちょっとおかしかった気がするんですけど」
「気、気のせいですよ」
この後、森に着くまでユウは笑いをこらえてレールはユミと目を合わさなかった。