レポート6ー送還ランキングへの一歩ー
『それでは、fowの世界へリンクオン!!』
VRSのスタート空間でファンオンをスタートすると音声が流れて光りに包まれた。
「ユウは……ログインしてるけどフィールドでてるか狩り中なんだろうな」
ログインしてフレンドリストを確認するユミ。
そして新たにきた町ということもあり全体を把握するために探索にでる。
「えーと、ここに道具屋があってここに武器屋と防具屋でここが……そうだ、宿だ」
ユミは場所を見ながら確認していく。
「……狩り中でもチャット入れておけばよかった話だよな」
そう考えユミはユウにログインしたことをチャットでログに残した。
「さて……俺もちょっと狩りにいってみるかな」
この町の西の草原に適正なモンスターがいるとユミは散策中に聞いている。
それにしたがって町の西門へと向かって歩き出した。
***
西門をでてすぐの草原にいるモンスターはブルーウルフだ。
ユミが草原につくとすでに何人かのプレイヤーがいた。何人かはHP回復などのために休憩している。
「よし、やってみるか!」
ユミはそう一人意気込んでスピアを背中から抜き放ちブルーウルフに向かっていった。
――数分後、ユミはHPゲージが赤くなっていた。あと数回攻撃を受ければなくなってしまうだろう。
安全地帯に退避して初心者用ポーションを使う。
「確かに強くはないしちょうどいいけど……武器に慣れない!!」
ユミの叫びが空に消える。
ブルーウルフは体力も多くなく攻撃力もそれほどないモンスターだ。初心者相手ならば適正だろう。
だが槍の使いに慣れてないユミにとってその狼の俊敏性がやっかいでぎこちない動きの攻撃では当たらない。
攻撃をかわされ続ければ当然カウンターを受ける。
攻撃後に回避にうつることが現状できないユミは徐々にHPを削られて今に至っていた。
「2匹でHPゲージ赤ってやばいぞ、俺」
実はユミはクエストを受けていた。町の散策中に偶然見つけたものだ。
ブルーウルフからとれる皮の納品だが数が3つ必要である。現在2匹倒して手に入れたのは1つ。
「皮なのに絶対にドロップじゃないのかよ……まあレベル上げもかねてやるか!」
再び立ち上がりブルーウルフに飛び込んでいく。
が、ブルーウルフ3匹に囲まれて町へ強制送還された。
このゲームでは倒された時にペナルティが発生する。1時間のステータスダウンだ。
この時間はどのレベルでも同じだがレベルが上がれば上がるほど下がるステータスも増える。
「槍を振る練習でもしたほうがいいのか? でもそれでどうにかなるものか?」
ユミはデスペナルティが終わるまでどうするか考えていたが口に出てしまっていた。
「誰だあそこの美少女は……」
「いやしかし、あの声は実は男って可能性も……」
「それがむしろいい」
周りの一部がざわついていたがユミは今後どうするかを考えていて気づくことはなかった。