レポート33 ー帝都探索実行!ー
ユミとユウは真っ先に帝都内地図を見ながら冒険者ギルドへと向かって登録を済ます。
「……ギルド正門から遠いだろ」
「本当にな。そんでもってオープンワールドにここからはなるんだけどな。大将、オレは思うわけだ」
「何をだ」
「帝都だけでもこんな広いのにワールドどんだけ広いんだこれ……どこから回ればいいかさっぱり予想がつかねえ」
「それはたしかにそうだな」
ユミはユウのいうことに納得する。
「そうだな……とりあえず帝都の周りの探索でもしようぜ」
「だな、オレの剣がどこまで通じるか楽しみだぜ!!」
そして数分後。
「すまない、ユウ先に行く!!」
「オレも先に行かせてもらうぜ!」
「大将!! ……と誰だ!!?」
「ロケットマァン!!」
ユミと自称ロケットマンはHPがなくなりその場から消えていった。
「やるしかねぇぇぇ!! 『ワイド・スラッシュ』!!」
***
「大将大丈夫か」
「精神的には駄目だ」
「死亡数凄いことになってるな……」
「槍が難しい以前に俺の戦い方が悪いのか」
「まあ突進しすぎかんはあるけど、帝都周りのウルフ系のモンスター結構強いな」
「しばらくはデイリークエストとかで経験値集めつつレベル上げが安牌だな」
「おう、任せろ!」
その日は夕飯を挟んで夜の8時まで2人はプレイしていた。そしてユウが宿題の再提出を一つくらっていたということでログアウトする。
「さて、俺はもう少し狩るかな」
夜8時までの間にユミはさらに2回ほど死んでいた。
「あ、ユミちゃん~!」
帝都の正門近くにいたユミに聞き覚えのある声が聞こえた。
そちらを向くとアイがいる。
「どうしたんですか……ってなんですかその荷車」
アイは荷車を引いて帝都の入り口まで来たようだ。
「いや~、王都からこっちに引っ越そうかなって思ったんだけど重要なアイテムがインベントリだけだと足りなくて、あはは」
笑いながらアイはそう言った。
インベントリには重量とかはなくとも数には限界が存在するのだ。
「場所決まってるなら運びますよ」
「あ、お願いできるかな? 疲れちゃって」
「まあかなり距離あるし王都からの移動だとダンジョン通るの必須ですからね」
ユミはアイの荷車を代わりにひいて帝都西部へと移動することとなった。