レポート18ー王都散策と運命の出会いー
第2章始まります
ゲーム内で王都にたどり着いてから半月が過ぎた。
夏休みも半ば、真弓は計画的に夏休みの課題も行っていた。むしろ早くも残り半月を残してすべて終わらせていた。
そんな夏休みのある日の午前中のことである。
「まゆにい〜! 遊ぼう!」
「あそぼ〜!」
「お前ら突然なんだ!」
隣の家のふたご姫がやってきた。どうやら今日は真弓の両親とふたごの両親が出かけて行くらしい。
共働きで休みがかぶることが少ないからたまにはこういう日もあっていいとは思う真弓だが。
「ちょっとまて、腰はまずいからな!」
「あ、ふたごちゃんおはよう〜」
「らんねえおはよう〜」
「おはようございます」
小学生低学年のふたご姉妹の相手は中々に疲れるようだ。
***
「ふぅ……」
その夜、ユミは王都にいた。この半月でレベルは30まで上がり第二のボスまでクリアしている。
『それでは本日も、レッツエンジョイ!』
……この音声案内はもはやNPCじゃないか。体とかあげられないのかな。
そんなことを考えながら周りを見渡す。現在ユミがいるのは王都の中の大通りだ。
「そろそろ武器買いたいんだけどなにかないかな〜」
大通りはプレイヤーの露店が数多く並んでいる場所になっている。
ユミはレベル上げをしている中で最初のスピアの耐久力を何度も直して使っていた。【槍】の技能レベルも上がり分岐として【長槍】を選択しそれを見つけるのが今の目的だ。
技能にはレベルが上がると分岐して上位技能になるものが存在する。【槍】の場合は【長槍】と【短槍】だ。
いろいろユミが見ていると声をかけられる。
「嬢ちゃん、なにかお探し?」
「ん? 長槍探してるんだよ。だけどやっぱりあんまり人気ないから作る人も少ないっぽいんだよな」
「まだゲーム始まったばっかりだしな。まあ、いろいろ見て回るといいさ。なんなら自分で作るのもありだしな。ただ気をつけなよ。たまに定価以上の値段で売ってる奴らもいるからな」
「そうなのか、ありがとう」
「おうよ。ほしいもんがあったらまたきな〜」
その店で売っていたのは装飾品だったので買うことはなかったが挨拶して次の店へ行く。
……俺は嬢ちゃんじゃないんだけどな。ただ、なんかもう説明するのも面倒臭かった。
さらに大通りを進んでいくと人だかりができている場所にぶつかる。何か一悶着あるようだ。