レポート17ー最初のゴールでスタートラインー
「でけぇ……」
「ここからがファンオンの始まりと言っても過言ではないぜ」
「ですね。ここからが本番です」
ボスフロアをでてから用事が在るということで鳴るとは別れ、3人は第二の街へとたどり着いた。
外からみたその大きさはファンタジーゲームでいう王都などと名前がつけられることもあるだろう大きさだ。
街の中に入ろうとしたその時、ユウの顔の横にベルのマークの小さなパネルが現れる。
「あ、やべ。そういえば飯今日、外で食うんだった。すまん、オレ落ちる」
「ちょっと昼には早い気がするけど……まぁ外食なら丁度いいか。了解」
「お気をつけて」
ユウはその場でログアウトする。
「では私は簡単にですが案内しますよ」
「助かります」
レールにつれられて街の中を回るユミ。
「この第二の街の名前ですが【王都・シュルガンツ】といいます」
「第二の街から王都って……でもファンタジーだとよくあるか」
「ゲームによりますね。ここはベータテストの時の拠点となってました」
「つまりここよりでかい街が今後現れる可能性があるということですか」
「可能性は十分にありますね」
話しながら歩くこと数分、宿屋のような雰囲気の建物の前でとまる。
「ここが冒険者ギルドになります。ここで冒険者登録をしておくことで発生するクエストは多いので損はないかと。その他プレイヤーが集まる場としても使われています」
「へぇ〜。それなら登録しておこうかな」
「と、その前にもう一つ」
そう言ってレールは少し遠くに見える煙突を指さす。
「あの建物は鍛冶ギルドの建物です」
「鍛冶ギルド?」
「はい、あそこで受けられるクエストを受けると【鍛冶】の技能を手に入れられます。その他にも生産系の技能とスキルはこの街から開放されていますね」
「生産系の技能も在るゲームだったのか……楽しそうですね」
「はい、公式の発表でテストの時は実装してなかった生産技能も多くあるそうですのではじめてのユミさんからすれば選ぶ範囲は広く調べて損はないと思います」
……だけど、俺が興味ある生産とかってあるのかな。そもそも俺が興味あるのってなんだ?
ユミがそんな風に考えていると、
「まあこれからゆっくりと考えても大丈夫と思いますよ。では改めて、冒険者登録を済ませましょう」
「よろしくお願いします」
レールの手伝いもあって冒険者登録はスムーズに終わった。
そしてその頃には時間も立っていて13時になるところだった。
「それでは私も一旦これで。またお会いしましょう」
「ありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ」
レールがログアウトした後、ユミは王都の正門へと向かう。そして改めて最初の町とのスケールの違いとゲームでありながら本当に自分の目の前にあるような風格を感じた。
王都の正門はプレイヤーが出入りをしているが門の近くにNPCがいた。
さきほどは気づいていなかった。ユミは話しかける。
『よう、新たな旅人よ。王都・シュルガンツへようこそ。ここは冒険者たちの集う場所であり、冒険の始まりの場所だ。って、そんな長話はいいか。わかりやすく一言で表すとしよう』
NPCは流暢にしゃべる。そして一度咳払いしこういった
『ようこそ。ファンタジー・オンライン・ワールドの世界へ!』