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レポート12ー猪突猛進は正確なのかー

 ――やられた回数レベルの倍くらいになってるな

 強制送還されデスペナルティが消えるのを噴水の縁に座って待つ。そしてステータスを見ながら肩を落とすユミ。

 そこに通りかかるオレンジ髪の男ユウ。ユミに気づくと近づいてくる。


「お、大将! どうしたこんなところで」

「デスペナの消費中だ……そうだ、ユウ!」

 

 ユミは突然立ち上がってユウの肩を掴む。


「お、おう……どうした?」

「……お前いつの間にこんな装備揃えたんだ」

「午前中まるまるプレイしてだな」


 ユミが昨日みた装備から一新されユウの装備は金属製の軽鎧に両手と片手どちらでも触れるソードになっている。


「まあそれはいいんだよ!」

「だからなんだよ!」

「槍が!」

「槍が?」


 そしてユミは地面に崩れ落ちる。


「槍が折れた……」

「あぁ、そういうことか。っていうか折れるまで使うってかなりだぞお前」

「死亡数はレベルの2倍近くだからな」

「すごいなおい」


 とりあえず立ち上がり改めて話を続ける。

 

「原因わかるか?」

「大将、このゲームには武器防具にも【耐久力】が設定されてるんだよ」

「耐久力、そういやMMORPGの時もたまにあったな」

「つまりそういうことだ。そういや大将、昔一緒にやったMMOでも耐久力使い切ってたよな」


 笑いながら言うユウ。


「うるせ。お前もタンクで盾よく壊してただろうが」

「今回はアタッカーだからそんなヘマしないぜ!」

「まあいいや……理由がわかったらなんかスッキリした。新しい武器買ってくるかな」

「あ、オレも一緒にいくぜ」


 2人で武器屋に向かう道中も話を続ける。


「しかしな、大将どうすればそんなに死ぬんだよ」

「半分以上は槍に慣れてない時のが原因だ。最近は減ってきた」

「じゃあ最新の死んだ相手は?」

「なんか森の広いスペースにいたクマだ」


 NPCの武器屋にたどり着く2人、店頭に並んでいた槍をいじるユミ。


「大将、それはあの森の中ボスだ。グリズリーベアーっていう」

「あれ中ボスだったのか、1人じゃ倒せるわけないよな」

「1時間後ぐらい暇か?」

「なんで?」

『500Gになります』

「ぐっ……意外とする」


 槍を購入してアイテムインベントリに入れる。


「で? 1時間後?」

「あぁ、これからレールさんともう一人で森の攻略行こうと思ったたんだけど前衛が足りなくてな。一緒に来ないか?」

「いく! リベンジも兼ねて行くに決まっているだろう!」

「よし、決まりだ。そんじゃ1時間後に森の入り口でな」


 ユウは武器をNPCに売りながらそう言う。

 ユミは若干その売る余裕のある武器屋素材を羨みつつそこで別れた。

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