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プロローグ




長きに及ぶ戦い──


このアムスヘイル世界で繰り広げられ続ける光と闇の激しい争いは、知恵の恩恵を受けしものたちによってなにかひとつの言葉であらわされようとする時、ただその一言が用いられる。


歴史の果てに発端は埋没され、現在いままで続く時間の刻みのすべてに、憎しみの褪せりが覆いきれないほどの悲劇と復讐の応報が、今も新たに印され、そして円環として続く…


この有史以来の永劫と続く戦いは、開始から三百年を経った現在も、天上の神達を信ずる人間とそれに味方するものたちと、この地平に堕天したかつての天使…魔族達とその神との戦争として、ヒトもカミも未だその外へと出る事のかなわぬ閉ざされた大地・エルティフィリアのすべてを求めて、今この瞬間も続けられ、繰り広げられてきた。




大陸を二分する形で互いに覇権を争ってきた人類側と魔族側の戦いだったが、二年前まで人類側優位で膠着していた情勢を劇的に動かしたのは、多大な犠牲の末に魔族側に降誕した“破壊神”の存在に他ならなかった。



そのカミは、破壊によって全てを葬り去った。

町を滅ぼし、都市を滅ぼし、国を滅ぼし、…──そしてヒトを滅ぼしていった。兵士も、村人も、町娘も、国王も、それから、戦士も、神官も、魔術師も、そして、勇者をも!



永遠に続くと思われていた終わりなき戦い。その戦いに、ピリオドが打たれようとしていた。まぎれもない、人類の敗北によって。



人間たちは、その未来に恐怖した。






そして…ニンゲンは、“カミころし”を決断した。

相手の神を殺すことによって、人間たちは誰からも脅かされない自由と、疎んだり害したりするものたちのなくなった平和を得ることを考えたのだ。

そしてそれを得るために、人間たちとそれに味方するもの達は、あらゆる全てをなげうって、一回きりのチャンスをつくることに成功した。

犠牲も悲劇もおびただしいものであったが、同時にそれは魔族たちも同じであった。意図するものも、鏡で映したようにまた同じであった。互いがそれを得るための代償は、人間も魔族も、だれもが戦いを嫌い始めるほどだったのに…





そうして、戦いが始まろうとしていた。



互いの全てを結集させた、天地を分ける決戦が、今日、火蓋を切った。



そして、戦いが終わったとき、勝利を手にしたのは‥──




     * * *




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