44:なりそこない
「まさか、――の、なりそこないか?」
俺の横で、僅かに下を向いたバルが何かを呟いた。
それは声が小さすぎて、俺には全部を聞き取れなかった。
まるで、俺たちを追い詰める事を楽しんででもいるかのように、ジリジリと確実に間合いを詰めて来る黒い人型の化け物。
既に、通路は前後とも化け物で埋め尽くされていて、そう簡単には突破できそうに無い。
こんな状況なのに、魔法はまだ使えない。
サイガを守り切れないのではないかという、漠とした不安が俺の心をよぎった。
こんな事になるのなら、『思考誘導』なんてマニアックなスキルを使わずに、『隠遁結界』を纏って潜り込むべきだったという反省もある。
いや、スキルを使う事によるペナルティのリスクを承知していたのなら、まず『思考誘導』のスキルを使った段階で時計を確認しておくべきだった。
そんな後悔とも反省ともつかない気持ちが、ともすれば何度も胸を過ぎってしまう。
どちらにしても、ペナルティが解除されて再び魔法が使えるようになるまでの残り時間は、それほど長いはずも無かった。
あと少し……
もう少し持ちこたえれば、この状況をひっくり返せると思う俺の心は、焦りがつのってゆく。
もっとも、素人の体感時間なんてものは、そうそう当てにならない事も知っている。
まだかまだかと待っている分、ここまで俺はずいぶんと長い時間が経過しているような気になっているけれど、もしかすると実際の経過時間はそれほどでは無いのかもしれない……
「バル! そっちは頼めるか?」
「そうね。 女の細腕で良ければ」
俺は両手を伸ばし気味にして、イストたちの側に居る黒い化け物へと魔導ハンドガンの銃口を向けながら、後ろ側に位置するバルに問いかけた。
こんな状況でも気負いの無いバルの返事を聞いて、その言葉に含まれる皮肉に気付いた俺は、不謹慎にもちょっぴり笑いを漏らしていた。
先程、バルにその言葉を投げかけたマルコムという小太りの男は、既に黒い化け物の初撃を受けて血溜まりの中に沈んでいた。
彼のバルに対する偏見を矯正できないのは残念だけど、それも彼の運命なのだろう。
今、イストたちの中で生き残っているのは、イスト本人とミゲルという魔法剣士、そして名も知らぬ剣士一人だけだ。
ミゲルは、すでに深手を右手に負っているらしく、剣を持つ手も覚束無い有様だった。
名も知らぬ剣士も怪我をしているらしく、足を引きずっているように見える。
まともに戦えそうなのは、ミゲルと名も知らぬ剣士を盾のように自らの前に配置して、細身の剣を油断無く構えているイストだけだ。
「なんだって、今日に限ってこんなに化け物がこの階層に集まって来やがるんだ? いつもは、多くても二~三匹だろ」
「わからねえ…… 下の階層で何かが起きているのか、それともこいつらを呼び寄せる何かが、この階層にあったのか…… ミゲル! 詠唱を途切れさせるなよ」
名も知らぬ剣士の問いかけにイストが答えながら、ミゲルに指示を飛ばしていた。
しかし、ミゲルの苦しそうな顔を見れば、それは難しい要求にも思える。
「おい魔法使い! こんな時こそ魔法で状況打破できねえのか? それともお前が魔法使いだってのは、騙りだったのか?」
イストが、苛立った表情で俺の方を振り向いた隙を突いて、黒い化け物の最前列に居た一匹が飛びかかった。
それとほぼ同時に、乾いた小さな破裂音が通路に響く。
負傷したミゲルに向かって飛びかかった一匹の黒い化け物の右肩が空中に居る間に吹き飛んで、その傷口から猛烈な勢いで炎が吹き出した。
吹き飛んだ右肩の肉片も、激しく燃え上る破片を周囲に撒き散らしながら、その後ろにひしめいている黒い化け物たちの手前に散らばる。
俺が後方に向かって魔導ハンドガンを発射したのを合図にして、先頭にいたバルの方からドン!と言うような腹に響く音が聞こえた。
俺は、牽制のために通路のイスト側に居る化け物に向かって、魔導ハンドガンを狙いも付けずに三発発射した。
これだけ敵が密集していれば、狙いなんてつけなくたって外れるわけが無い。
たちまち、最前列に居た黒い化け物の腹から、そして胸からも猛烈な炎が吹きだして燃え上がる。
バルが居る側からも、爆発音にも似た轟音と熱気が一気に押し寄せてきた。
何が起きているのか確認をしたい処だけれど、目を離した瞬間に襲いかかられそうで、目の前で右往左往している黒い化け物たちから目が離せない。
そして、再び周囲の風景がスローモーションに切り変わった。
俺から攻撃を仕掛けた事で、奴等のターゲットが俺に移ったのだろう。
敵のヘイトを一身に集めるタンク役なんてやったことも無いのに、魔法が使えない状況で俺はヘイトを一身に集めてしまったようだ。
冷や汗が一筋、背中を流れ落ちるような、そして腹の底が冷えるような重苦しい感覚を俺は覚えた。
初動に失敗して敵の攻撃をまともに受けてしまった先程の失敗を繰り返さないように、何処から攻撃を仕掛けられるのか判らないまま、俺は真っ先に移動を開始した。
そして、動きながらも魔法が使えないか試してみる。
駄目だ。
まだ、魔法は使えない。
後は、唯一使えているパッシブスキルの『危険感知』『見切り』『超再生』だけを頼りに、戦うしか無い。
俺が覚えたゲーム内のスキル体系から外れているから使えているのか、それとも俺の意思に関わらず自動発動するパッシブスキルだから使えるのか、そんな理屈は後から考えれば良いだろう。
俺は、『危険感知』が指し示す大まかな位置関係を頼りに、重くゆっくりとしか動かない体の向きを無理矢理に変えた。
正確には攻撃をしかけてくる敵の位置を掴めないまでも、およその攻撃が来る方向だけは判る。
魔導ハンドガンを構えた体ごと振り向いた方向に、黒い化け物が居た。
それも一体ではなく、複数だ。
ゆっくりと流れる体感時間の中で、レーザーポインターの赤いドットが化け物の体に重なるのを待って、俺は魔導ハンドガンの引き金を絞るように引いた。
射撃は素人でも、『見切り』が発動している中でなら、俺でも焦らずに狙ってヒットさせる事は容易いはずだ。
しかし、魔導ハンドガンの初速は実銃よりもやや遅い事を俺は忘れていた。
俺がそれに気付いたのは、動いている敵に対して着弾した位置が狙った位置から僅かにズレたからだった。
だが、辛うじて脇腹にヒットしたために、敵は腹から激しく燃え上がる。
二発目は、多少のズレを補正できるように、腹の真ん中を狙う。
動きながらの射撃は、スローモーションの中に居る限り、それほど難しくなかった。
バランスを崩さないように素早く移動する方法は、あの森での特訓で嫌という程に繰り返してきたから、すぐに次の動きに繋がるように俺は意識して動いていた。
三発目もヒット!
しかし、四匹目の敵は間近に接近していた。
銃口を向けるのが早いか、それとも敵の爪が届くのが先か?
そんなギリギリのタイミングで、俺は体を捻って銃口を向ける。
『ブレス』や『アクセル』無しでは、体が重くて考えているようには動かない。
振り向けた銃口が相手へ向く前に、黒い爪が俺の顔ギリギリに迫っていた。
動け! 避けろっ! 俺の体!!
必死で体を捩りながら、心の底で俺はそう叫ぶ。
肉体の限界を超えた無理な要求に、筋肉と腱が悲鳴を上げる。
体はなんとか相手の方に向いているというのに、まだ銃を握っている両腕が追い付いて来なかった。
「駄目だ。 間に合わないっ!」
黒く長いナイフのような爪は、もう俺の顔寸前まで来ている。
これは『超回復』に賭けるしかないのかと覚悟を決めた時、俺の視界を左側から何かが横切って黒い化け物の右目に突き刺さった。
俺の目の前を掠めて遠ざかる、黒い化け物の爪と大きな腕。
俺に襲いかかっていた黒い化け物は、右目を右手で押さえて頭から俺の足下に落ちた。
奴の右目に突き刺さっている細長い物は、サイガの放った毒矢だった。
俺は、右目を押さえて暴れ回る黒い化け物の頭に、赤いレーザーポインターのドットを合わせて引き金を絞る。
「すまない、サイガ。 助かった」
サイガの方を見ずに俺は礼を言居ながら、俺はイストたちと戦っている黒い化け物に向けて銃を乱射する。
奴等の中で既に生きているのは、イストただ一人になっていた。
そのイストも、さすがに無事では済まないようで、鎧の隙間や継ぎ目から真っ赤な血が滲み出していた。
その足下には彼の仲間の死体と共に、切り捨てられた黒い化け物の死体も散乱している。
「イスト! 援護するから、こっちへ」
俺は、彼が対峙している敵に向けて威嚇射撃を行う。
威嚇と言っても狙いが適当だという意味で、当てるつもりで撃っている事に変わりはない。
ふと、この魔導ハンドガンの発射可能数って何発なんだろうという疑問が、俺の頭を過ぎった。
すでに、二十発以上は撃っているはずだ。
少し魔石の魔力チャージ残を考えて、射撃をセーブすべきかと迷っているうちに、弾幕が薄くなったようだ。
黒い化け物が三体同時に、イストへ向かって飛びかかるのが見えた。
今のターゲットは俺じゃないから、『見切り』は発動していない。
つまり、今の俺の目と体では三体を淀みなく打ち落とすことが、不可能に限りなく近いと言う事だ。
これが無詠唱の魔法を使えるのなら、話は違う。
相手を目視して魔法をイメージするだけなので、三体同時攻撃だって可能な筈なのに、今はそれが出来ない。
せめて真ん中の一体だけでもと、俺は銃を向ける。
しかし、その前に黒い化け物の頭が三つ揃って後方へ吹っ飛んだ。
続いて、黒い化け物の密集している辺りに火炎弾と覚しきものが直撃して、爆炎と共に熱風が俺とイストを襲う。
チリチリと髪の毛が焦げるような臭いと火傷の痛みを感じるけれど、それは『超再生』によって即座に回復していた。
「ゲホゲホ…… 」
俺のすぐ後ろに居たサイガが、咳き込んでいた。
狭い空間では、この火炎系の攻撃は諸刃の剣となって、俺たちの皮膚と肺に少なくないダメージを与えてしまうようだ。
俺には『超回復』があるけれど、原因が去らない限りダメージは繰り返し俺を襲うだろう。
ましてや、子供のサイガや生身のイストには、この状況は辛いはずだった。
「カズヤ、こっちへ」
その声に振り向くと、燃えさかる火炎地獄を背景に金髪を熱風に靡かせて、バルが立っていた。
眩しいほどの火炎に照らされて、逆光気味にバルの体を映す女性的なシルエットが浮かぶ。
バルの側の黒い化け物は、全滅していた。
俺は一瞬息を呑みながらも、すぐに気を取り直してアイテムボックスからミネラルウォーターの入ったペットボトルを取り出す。
「向こうへ脱出するぞ!」
俺はそう声を掛けながら、すぐさまサイガとイストの頭から水をたっぷりと振りかけて、バルの方を指差す。
二人は、その意味が判ったらしく、コクリと頷くが早いか、バルの方に向かって駆け出していた。
俺も頭から残りの水を被って、二人の後を追う。
例え『超再生』が有効だったとしても、好き好んで火傷を負いたい訳じゃない。
俺たちを追おうとしていた黒い化け物に向けて、バルが左手の先から火炎弾を発射した。
バルの方へと駆けてゆく俺の後ろで爆発音が響き、熱い爆風が後ろから襲ってくる。
念のためと試してみたけれど、まだ魔法は使えなかった。
このまま、魔法が使えなくなるなんて事は無いだろうなと、少しだけ不安になる。
炎の中を突っ切った通路の先は、右と左に別れていた。
ここをどちらに進むべきなのか、俺はここから先に行ったことのあるイストの方に顔を向けた。
どのみち、元来た方には黒い化け物がたくさんいて、バルがどれだけ頑張っても全員が生き延びる可能性は低い。
おそらく、バルだけなら脱出する事も出来るだろうけれど、生身の俺や怪我人のイスト、そして子供のサイガを連れていては、そうも行かないだろう。
ここがゲームで体験したようなダンジョンならば、上の階層のどこかへ――運が良ければ入り口の階層へと繋がる転移魔法陣があるはずだけど、ここはゲームじゃなくって現実だ。
とにかく俺が魔法を使えるようになるまでは、戦うリスクを避けられる方向に逃げて、時間を稼ぐしか無い。
「左だ!」
イストが、短く答える。
足もやられているらしく、その動きは鈍い。
俺はイストに肩を貸して、先を急ぐ。
出会い頭に遭遇した四つ足の魔獣や新手の黒い化け物は、先頭のバルが切って捨てた。
俺は時折後ろを振り返りながら、その後を追う。
「お前の相棒の女の子、ありゃあ何者だ? あんな火力を持つ魔法使いなんて、俺はAランクの上位でしか見た事が無いぞ。 しかも、あれだけ強力な魔法を使って魔力切れをする気配も無いとは、あまりに凄すぎる」
イストが、先を行くバルを目で指し示しながら、俺に尋ねる。
その目には、驚嘆と羨望の眼差しが入り交じっていた。
「彼女は、俺の大事な相棒さ」
曖昧に、それだけを答えて俺は黙る。
何百年も前から生きているとか、子猫だったり幼女だったりするなんて言っても、頭が可笑しいと思われるのが関の山だ。
「ふん…… おまけに、冒険者なんかにしておくには惜しい、すこぶる良い女だ。 お前、他の男共に嫉まれて逆恨みされないように、身の回りには気をつけるんだな」
「な! …… そ、その心配は無いと思うぞ」
俺は、少しばかり動揺して、変な受け答えをしてしまった。
だって、このダンジョンを出てしまえば、バルは元の幼女形態に戻るはずなのだ。
そもそも、少女形態になった理由は、男ばかりで構成されたイストたちのグループに紛れ込むのに有利だったからで、もう既に少女形態でいる必要も無いと言えば無いはずだった。
さすがに、サイガやイストの目の前で幼女形態に戻る処を見られるのは、不味いのかもしれないから俺も言い出さないだけなのだ。
イストの指示に従って進むと、下の階層へと向かう転移魔法陣があった。
俺とバルは、行くのか、それともここに留まるのかを決めあぐねて、お互いの顔を見合わせた。
「奴等が追って来てる!」
サイガの指差す方向から、高速で走り寄ってくる複数の黒い陰が見えた。
俺は、バルと再び顔を見合わせて、互いに頷き合った
俺たちは、すぐに転移魔法陣へと乗る。
全員が乗ったところで、もう何度も聞き慣れたブンという短い唸り音がして、俺たちは別の階層へと到着した。
すぐに奴等も追ってくるはずだから、俺たちは急いで転移魔法陣のある部屋を出る。
今までの経験上、ここの転移魔法陣は誰かが乗るとスイッチが入って、一定時間が経過すると転移を開始するようだった。
と言う事は、黒い化け物がどれだけ沢山いたとしても、一度に転移してくる数には限度があると言う事だ。
奴等が、転移魔法陣の特性を理解して一斉に飛び乗らない限り、最初に飛び乗ってから転移が発動するまでの僅かな時間に魔法陣に乗った者だけしか、一度に移動はできないだろう。
俺たちは通路に出て、床に倒れて居る他の冒険者の死体を飛び越えながら、必死で走る。
ここからも、先程と同じようにイストの経験が頼りだった。
「あそこに、部屋があるわ」
バルが指差す先に、部屋の入り口と思われるドアがあった。
そこには、壁の一部が部屋の入り口と思われる長方形に一段窪んだ形状の区画があった。
しかし、そこにはドアノブも取っ手も見当たらない。
その代わりに、ドアをこじ開けようとして激しく何かを叩きつけたような傷が、一面に残っていた。
「そこは、まだ入り方が判らない部屋だ。 左へ…… 」
ドガッっと言うような激しい打突音がして、ドアが室内へと吹っ飛んだ。
先頭にいたバルが、入り口のドアと思われる区画を蹴り飛ばしたのだ。
「冗談だろ? 、俺たちがどうやっても空かなかった入り口が…… 」
イストが、呆気に取られた顔で呟いた。
俺も、ちょっと驚いた。
「おい、似非魔法使いの兄ちゃん。 お前、万が一でも浮気がバレたら死ぬぞ」
「だから、そう言う関係じゃ無いっての!」
一瞬呆気に取られていたイストが、俺に向かってニヤリと笑いながら軽口を叩く。
少なくとも、今はそういう冗談を言っている状況じゃないだろ!
迷わず部屋に飛び込んだバルが、俺たちを手招きする。
そう、今は躊躇している状況でも無い。
俺たちが真っ暗な部屋に飛び込んだタイミングで、バルが部屋の中に吹っ飛んだはずのドアを持って来て、入り口を塞いだ。
LEDスティックライトを持っていても、通路よりも更に暗い部屋に飛び込んだ目が順応しきれず、俺は必死で目を見開く。
「ドアの継ぎ目を、銃で撃って!」
少し考えてからバルの言葉の意味を察した俺は、レーザーポインターの赤いドットを、ドアと壁の継ぎ目に当てて、引き金を絞るように引いた。
勢いよく引き金を引いて、狙いがズレるのを恐れたのだ。
とは言え、実銃のような反動とか言うものが無ければ、至近距離で狙いを外す方が難しいだろう。
ドアの継ぎ目から、一つ、二つ、三つと上下左右等間隔で炎が噴き上がる。
高温に熱せられて、ドアと壁の接する部分がドロリと溶けて崩れ落ち始めた。
そのタイミングで、ドアから離れたバルが何かを放つ動作をした。
キン! キン!と、頭の芯に響くような高音が鳴り響き、吹き上げる炎と融解して赤熱した金属が黒く変わった。
同時に、あれほど感じていた熱気が嘘のように消える。
「おい、おいおい! 何だ何だ、お前の女は二属性を使いこなすのか? しかも、このレベルで使いこなすなんて、有り得ねえぞ!」
薄明かりの中に、半ば呆れたようなイストの叫び声が響く。
そして、それを意にも介さないようなバルの冷静な声も聞こえた。
「あら、あたしなんかカズヤに比べたら、可愛いものよ。 ねっ?」
それを聞いて、ギョッとしたような雰囲気が、イストの方から伝わってくる。
たぶん、半信半疑ながらも、目を見開いて俺の方を見ているんだろう。
俺は聞こえない振りをして、LEDスティックライトの明かりを部屋の奥に向けた。
そこに映し出されたものは……
「おい、こりゃあ凄いお宝だぜ…… 」
イストの声が興奮を隠しきれないのか、かすれ気味に聞こえる。
そして、それとほぼ同時に、俺とバルが溶接したドアを激しく外側から叩くような重い振動と激しい音が、俺たちの居る部屋の中に響き始めた。




